29こ目『なんにも』お部屋がひんやりとしてきたからふとんにくるまったなんにも悲しくないのに涙が出そう右肩がひんやりとした空中に浮いてさむがっているだれもいない部屋では本当はうれしいことがあったからと言って泣いていたいすこしぐらい話していたいつまらないことに腹を立てたこと忘れられない、とかアルバイトの帰り道むかつく、と胸の中で噛みしめて引きちぎれそうなぐらい頭に伝達していた嫌なことは忘れないなかなか大粒の涙になって溢れ出てくるもっと、もっと、もっと