『なんにも』

お部屋がひんやりとしてきたから
ふとんにくるまった
なんにも悲しくないのに
涙が出そう
右肩がひんやりとした空中に浮いて
さむがっている
だれもいない部屋では
本当は
うれしいことが
あったからと言って
泣いていたい
すこしぐらい
話していたい
つまらないことに
腹を立てたこと
忘れられない、とか
アルバイトの帰り道
むかつく、と胸の中で噛みしめて
引きちぎれそうなぐらい
頭に伝達していた
嫌なことは忘れない
なかなか
大粒の涙になって
溢れ出てくる
もっと、もっと、もっと