『真昼の月』

真昼の月が
雲をよけて
小さなわたしを
そっと吹く
捨てられた
紙切れのように
道路をいつまでも
舞い踊る
ビニールのように

交差点を通過する
軽自動車
白銀色に縁取られて
カーブする
ライト
点滅
点滅する
駆ける
足がもつれ
よろめく
髪が目に被さり
立ち上がるとき
通りすがりの
人の
擦りむけた
心の中が
透けて見えた