スローウォーキング62「プライドと救済」 | メトロガイド「いい店見つけた」椎名勲の凡夫荘便り

相変わらず体調わるく、終日、ベッドに臥せっている。

突然、心が劇して(本来の漢字は、心が「激して」であるが、「劇」的に激した故に、「劇」を用いた)、ガバと姿勢を正し、1篇の詩を書いて、すぐまた、ベッドに臥した。

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「プライドと救済」

傷ついた獣が 群れを離れ ほら穴に閉じこもった。

外敵と闘う気力も、エサを追う体力も、ない。

それでも、ひたすら神経を尖らせて、

敵の近づく気配を察知すべく、耳目をそばだてている。


1日中ずっと、傷からくる熱にうかされ、

時に疲れて、意識を失う。

葉音、風音、雨音に、ハッと目を覚まし、

己の命の生存を確かめる。


苦しい唸り声を上げ、それでも、まだ生きている。

自然の力が、癒やしてくれる可能性が、ある。

傷ついた獣は、ひたすら己と戦っている。


天命が尽きるときは、必ずわかる。

その時は、ほら穴を這い出て、死の谷へ行く。

谷の湧き水に舌を濡らし、静かに息絶えた。

・・・・・

ほとんど10年振りに詩を書いた。

北信州・神山の森に小さなコテージを建てた喜びを歌った第1作「時間」、

中学高校以来の親友I教授を喪った悲しみを歌った第2作「永遠行きの列車」、

そして、第3作が「プライドと救済」である。

一瞬で心が劇し、一瞬で書き上げたが、

推敲する気力が、今は、湧いてこない。

ベッドで寝る。


(注)明日からも、体調不良のため、ブログを休載する可能性があります。

私どもを生かして下さるなにものかに、心から感謝します。

写真は、「米車通り公園」に新たに植えられた植物です。