「わが町 37」西側/金物屋 | メトロガイド「いい店見つけた」椎名勲の凡夫荘便り

金物屋、帽子屋、時計修理屋、金魚屋、かけはぎ、破れ修理・傘修理、羅宇屋(らおや)、ラッパを吹く豆腐の引き売り、独特の売り声で歩く石焼き芋の引き売り、などは、東京の街から、次々と姿を消しつつあるが、

私の住む巣鴨の街には、昔からの店が幾つか、残っている。


「金物屋」は、一般的に金属製の器具や道具を売っている店。

「金物」とは、刃物、利器工具類、錠前、金具、金網、かすがい、ボルト、ナット、リベット、金属製キッチン用品、釘、蛇口などの品物をいい、

こうした金物は、現在では「ホームセンター」で買えるようになり、

街からは、「金物屋」が次第に姿を消すようになった。


何年も前のこと、東京に大雪が降ったとき、

慌てて、巣鴨駅近くの「高木金物店」に飛び込んだら、

ちゃんと雪掻きが置いてあった。

有り難かったネ。


なお、今では、「金物屋」とは言わず、「日用品雑貨店」と呼び方が一般的なようだが、戦後世代のbonpusouは、「金物屋」の方がピンとくるナア。


店先、左下隅のカナモノのバケツや、右中央隅の湯たんぽが、郷愁を誘う。
商品の雑多な置き方が、如何にも「金物屋」らしいじゃないか。

金物屋よ、21世紀を、しぶとく生き残れ!
・・・私どもを生かして下さるなにものかに、心から感謝。