11月22日の午後に、なんとなく自分の人生を
振り返っていた。見慣れた、挫折、失敗、後悔
の連続が目の前に広がっていた。いつもは顔を
しかめたり、くそったれ、とか言うのだが、
その日は
そういう私の人生を目の前にしても、なんとも
思わなかった。それどころか、まあ、そういう
人生を送る人もいるのだろう、と思っていた。
世の中、成功して幸せに暮らしている人ばかり
ではない。私ような人生を送る人もいるのだろ
う。精神科の病院に入院している時はさすがに
しんどかったが、形は違えど苦しい人生を送る
人もいる。皆それぞれ大小の苦労があり、それ
を抱えても生きていかなくてはならない。普通
の人でさえそういう場合が多いだろう。
生きていかねば。
頭かよくて、要領が良くて、
才能にめぐまれた運のいい人達に笑われるよう
な不器用な生き方でも、とりあえず生き続け
なければ。それで生き続けた結果、目の前に
荒涼とした風景が広がっていようとも、
生きることは結果のためのものではない。その
歩いて来た過程にこそ意味があるのではないか。
私は自分の人生を振り返って、それを肯定
したのではない。ただなんとも思わなかった
だけだ。この考えがこの先どう変わるか分か
らない。あとどれくらいの時間が私に残って
いるかわからないが、ただ、目の前の道を
歩いていくしかない。