先日、「100分de名著」というNHKの番組で、小泉八雲の『日本の面影』について取り上げられていました。

 

今期の朝ドラ「ばけばけ」が、小泉八雲夫妻をモデルにしているので、関連して放送されていたものと思われます。

恥ずかしながら、小泉八雲といえば「怪談」で、「日本の面影」(「知られぬ日本の面影」といったタイトルで訳されている場合もあります)は、タイトルは知っているけど、読んだことはない、といったぐらいでした。

 

ですが、放送がとても印象的で、一度しっかり読んでみたいと思いました。番組の中で取り上げられていたのは一部だったのですが、単に目で見た情景を客観的に描写しているというだけではなく、目にした事象に何かしら深い精神性を見出しているような、時には神秘的ともいえるような描写がとても印象的でした。おそらく、日本語訳の美しさも手伝っていたのではないかと思います。

 

NHK ONEを通じて見逃し配信で見て、録画などはしていなかったのですが、日本語訳はどなたのだったのだろう....。番組中で言及されていたのかも知れませんが、そうだとしたら、聞き逃してしまっています。この番組、書籍にまとめられているはずなので、そちらを見れば確認できるかも知れません。今度調べてみようと思います。

 

そして、番組を見てあらためて知ったのが、「日本の面影」の中でも、怪談が取り上げられているのですね。

「水あめを買う女」の話、お話自体は聞いたことがありましたが、「日本の面影」で取り上げられているとは知りませんでした。

この話は、朝ドラ「ばけばけ」でも取り上げられていましたね。

 

毎晩、飴屋に水あめを買いに来る女がいるのですが、実はその女性はすでに死んでおり、墓で生まれた子どもを育てるために水あめを買いに来ていたことがわかった、という話です。

 

日本語訳は、NHKで引用されていた日本語訳で読んでみたいと思っているので、とりあえず、この怪談の部分だけでも、英語で参照してみようかなと思いました。

 

以前に、Kwaidanの原文について、プロジェクト・グーテンベルク(著作権の切れた図書を電子化するプロジェクト)のサイトから引用させていただいたことがありましたが、「日本の面影」("Glimpses of unfamiliar Japan" )も同じサイトで見られます(→ こちら ただしリンク先はFirst Series )(※使用の仕方によって条件がある場合もあるので、利用規約は各自でご参照下さい)

 

Chapter seven :The Chief City of the Province of the Gods のSec 18に含まれています。

(これ、「神々の国の首都」と訳されている章ですかね。これは良く耳にしますよね)

 

この「水あめを買う女」の部分は短いし、やさしい英語で書かれているので読みやすいです。

(ちなみに、水あめを買う女の話は、幽霊の話とは言え、優しさを感じるお話ですが、その前に書かれている話の方が怖かったです。興味がある方はぜひ読んでみて下さい)

 

せっかくなので、該当箇所の英語を一部、引用させていただくと(※以下日本語訳部分は、番組で紹介された内容をそのまま書き留めておくことは時間の都合でできておらず、私自身によるものなので、不自然な箇所などがあるかも知れませんがご容赦ください)

 右矢印In Nakabaramachi there is an ameya, or little shop in which midzu-ame is sold—the amber-tinted syrup, made of malt, which is given to children when milk cannot be obtained for them. (中原町には水あめを売る小さな店があった。(水あめとは)麦芽から作られた琥珀色の糖蜜で、お乳が得られたい時に代わりに与えるものであった)。

 

ダイヤオレンジtinted 色の着いた、薄く着色された

ダイヤオレンジmalt 麦芽 (→お酒の宣伝などで「モルト」と言っているのはこのことだったのですね。恥ずかしながら、日本語と結びついていませんでした)

 

 

右矢印Every night at a late hour there came to that shop a very pale woman, all in white, to buy one rin worth of midzu-ame.(毎晩夜遅く、非常に青白い顔をして真っ白い服を着た女性がやってきて、一厘分の水あめを買っていくのだった)

 

ダイヤオレンジ(数量などの表現の後で)worth of.....   ~相当量の.....

辞書に掲載されている例文:five dollars worth of gas (5ドル分のガソリン) 

 

 

右矢印At last one night he followed her, out of curiosity. She went to the cemetery; and he became afraid and returned.(ついにある晩、彼(店の主人)は好奇心から女の後をつけていった。女は墓地に向かった。店の主人は怖くなって引き返した)

 

ダイヤオレンジ cemetery  (教会に所属しない)共同墓地

 

 

次の日の夜、女はお店にやってきますが、水あめは買わずに、飴屋の主人を手招きします。そして友人も引き連れついていったところ...

 右矢印She walked to a certain tomb, and there disappeared; and they heard, under the ground, the crying of a child.(女はある墓へと歩いていき、そこで姿を消した;すると人々は、地面の下で泣いている子どもの声を聞いた)

 

そして、墓の中で赤ん坊を発見。赤ん坊の傍らに、水あめの入った容器が置かれていたということ。死んでも子どもを育てようとした、怖いというより泣ける話です。

 

右矢印love being stronger than death (愛は死よりも強い)

 

 

全体を英語で読むことはまだできていませんが、NHKの番組で見た日本語訳が良かったので、該当するものが確認できたら、照合しつつ読んでみたいです。

 

ちなみに、朝ドラ「ばけばけ」、継続して視聴しています。

主人公の家族が借金を抱えて苦労するなど、出だしから少し重いエピソードが続くので、それを軽くするためか、登場人物の言動にはコメディ調の描写が目立ちます。これはこれでありかな、と思っていましたが、「日本の面影」の一部の内容が紹介されていた番組を見た後では、もう少し、本来の小泉八雲の著作の雰囲気を反映させて欲しいかも、と思いました。

 

....ということで、今週は、「日本の面影」の話で時間を取ってしまったため、ラジオ講座の話は一部、気になった表現を簡単に取り上げるだけにとどめたいと思います。

 

星星星

 

フランス語

 

まいにちフランス語 応用編 第21課

「美食のトレーニングセンター」では、以下のような表現がありました。

 

右矢印Le chef de l'État avait laissé entendre que la structure pourrait voir le jour à Lyon ou sa région, 《épicentre de cette excellence.》(大統領はこの施設は、「この卓越性の拠点」であるリヨンまたはこの地域に設立される可能性が高いと示唆していました。)

 

ダイヤオレンジ ここで"la structure"は 前の部分で言及されていた「美食の卓越センター」(国際料理コンクールに向けてフランスの代表が準備するための設備で、発足が計画されている)のこと

 

ダイヤオレンジ laisser entendere que ~であることをほのめかず、暗示する

 

ダイヤオレンジ voir le jour 生まれる、誕生する、設立される

 

この中の、

laisser entendre que について

laisser+動詞の不定詞で、本来~させておく、自由に~させる といった意味がありますが、ここでは後にくる動詞の本来の意味から想像しづらい意味になっているなあと思いました。

 

辞書(プチ・ロワイヤル仏和辞典 第3版(電子辞書版))を確認してみると、laisser +不定詞の慣用表現がいくつか挙げられていたので、その中から元の動詞の意味から想像しづらいと思ったものを挙げておきます。

 

ダイヤオレンジ laisser tomber 「うっかり落とす」(元の動詞の意味から想像しやすい)という意味のほかに、「やめておく、あきらめる、見捨てる」という意味があります。

例文:Le professeur nous a laissé(s) tomber. (先生は僕たちを見捨てた)

 

 

ダイヤオレンジ laisser voir  態度などに出す、あらわにする

例文:Il a laissé voir son indignation. (彼は怒りをあらわにした)

 

 

また、これに類する表現でlaisser à+不定詞 の形をとる表現として、以下のものが挙げられています。

 

ダイヤオレンジ laisser  à désirer 改善の余地がある、不充分である

例文:Ton travail laisse beaucoup  à désirer.(君の仕事はまだまだ不十分だ)

 
ダイヤオレンジ laisser  à penser [juger] à ~  ~に解釈[判断]をゆだねる、~の想像に任せる
 
ダイヤオレンジlaisser  à penser que ~    どうも~らしい
例文:Son attitude laisse à penser qu'il s'ennuie.(彼の態度をみるとどうも退屈しているらしい)
 
 
この機会に一緒に覚えておきたいです。
 
 
星星星
 
ロシア語
 
まいにちロシア語 応用編 第22課
 
この課で、以下のような語がまとめて出てきていました。
 
ダイヤオレンジболтать [不完] おしゃべりする
 
ダイヤオレンジболтовня おしゃべり
 
ダイヤオレンジнаболтаться [完] 思う存分おしゃべりする
 
この3つ、(詳細を確認している余裕はなかったですが)見るからに派生語っぽく、まとめて覚えると覚えやすいかなと思いました。特に、Web辞書のコトバンク(プログレッシブロシア語辞典 露和編の内容を収録))によれば、接頭辞としてのна-
のもつ意味について、-ся動詞において「思う存分」「気の済むまで」という意味を持つことが示されています。
まさに、上記の例と一致。
 
ロシア語は、まだまとまった分量の文章を理解するには、圧倒的に語彙が足りていないと感じます。でもラジオ講座の応用編で一つの課に出てくる、知らない語句を全部覚えるというのもかなりきつい(ロシア語のために使える学習時間の不足も含め)。
 
その中で、今回のように、覚えやすそうなもの、まとめて覚えられるものなど一部に焦点を絞って、「それだけは」覚えるようにしていくというやり方はありかな、と思っています。
 
それから、語呂合わせとかもありですね。
上記の語болтать、カタカナ読みの音にすると(私の耳に聞こえた主観なので、正確でない場合があると思いますがご容赦ください)。「バルターチ」なので、「バルタン星人、おしゃべりしてる バルターチ」として覚えてみます。このフレーズ、覚えやすくて気に入りました(笑)。
 
時間も記憶力も不足していますが、いろんな工夫をして語彙を増やしていければいいですね。