鏡よ、鏡/飛鳥井 千砂 | Bon livre –いつか最良の一冊と出会う–


鏡よ、鏡


※ネタバレふくみます。

やっぱりコスメ関係の小説は女の戦いが激しいなぁ。
美を極める人たちって向上心が高いからか芯がしっかりしてて、
気が強くてぶつかるのかな。(かやの外のブス)

コスメティック』や、『レッド・マスカラの秋』、
漫画『カラフル・パレット』もイヤミな女が出てきたっけな。

それらに比べたら、このお話は可愛らしい。

新進コスメブランド“ヘクセン”の新人美容部員、莉南と英理子。
研修の合宿で初めて会ったとき、お互いの正反対の性格に反発したが、
いつしかそれがお互いを補うようになり…。

私はねー、莉南に憧れる英理子タイプだから、
莉南の言い分は理解しつつ、英理子に共感するんだよねー。

彼女ほど堂々としてないから、ただの中途半端なヤツなんだけど。
莉南みたいにうまく友達も作れず、英理子みたいに一匹狼にもなれず。
「誘ってあげた」っていう言い方にムカッとするのはわかるわ。

だから英理子の一本気っぷりにハラハラしちゃうんだよね。

私も、「それはおかしい」と思ったら黙っていられず、
上司や周囲に煙たがられるタイプだからなぁ。

コスメが好き、メイクが好きって女の子はキラキラしてていいね。

私はメイクとかちょうへたくそなんだけど、
あの瞼のグラデーションとか一回も出来たことないんだけど、
新作のカラーとかチェックしたこともないんだけど、
気が引き締まったり、テンション上がったりするのはわかる。

一重まぶたはアイライナーとかでごまかせるようになった。
あとは気持ち悪い輪郭をどうにかしたい。
骨を削るメイクとかないかな。

美の足りない部分は笑顔でカバーする莉南を見習おう。

白と黒、柔と剛のような二人の女の子。
同じコスメを愛し、同じ仕事に憧れて出会った彼女たちが
どういう道を進んでいくのか。

鏡よ、鏡。
一生懸命に生きている女の子は、みんな美しいよね?