大河主演で進化した吉沢亮…「PICU」第1話 | 連ドラについてじっくり語るブログ

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主演の吉沢亮は大河ドラマを1年主演した経験が、役者としての糧となり進化しましたね。




大河以来の主演となるこのドラマで、初回からそれを垣間見せてくれました。




フジテレビ 月曜21時

「PICU~小児集中治療室~」第1話


主演…吉沢亮

脚本…倉光泰子

演出…平野眞




鈴木亮平主演の「TOKYO MER」では、窮地から患者が救われるパターンが多かったですが、




このドラマは初回、幼い2人の女の子が命を落とすというツラいスタートとなりました。





これまでの救命救急を扱う医療ドラマと、一線を画すドラマであることを、初回から強烈に提示してきました。





1人めの女の子は朝ドラの子役さんで、撮影中に体調不良になり、救急車を待ってもなかなか着かない北海道の山中でのロケだったため、





スタッフが車で病院まで送ろうとしましたが、その途中に悪化、病院に着くも治療設備が無く、また別の病院に搬送、そんなことを繰り返すうちに亡くなってしまったのです。





撮影中の朝ドラ子役の急死は話題となり、広大な土地で移動が大変な北海道に小児集中治療室、PICUを作ろうと北海道知事(菊地凛子)は、





日本各地でPICU開設を進めている植野(安田顕)に北海道にも作ってほしいと依頼します。





丘珠空港に近い丘珠病院にPICUは開設されますが、設備はあっても人が集まらず、植野と、東京や長野で植野を手伝った看護師の羽生(高梨臨)と、ワケあり救命救急医の綿貫(木村文乃)、そして役立たずと侮られている小児科医の志子田(吉沢亮)、

たった4人という心もとないメンバーでスタートとなります。




そんな状態の中で、稚内からドクターヘリで女の子が運ばれて来ます。

しかし、もうかなり手遅れな状態で、小児外科医(正名僕蔵)は手術を拒みます。

医療ミスとされるのを恐れているんですね。



諦めきれない植野は心臓マッサージを繰り返しますが、むなしく女の子は亡くなります。




すると亡くなったばかりなのに、植野は関係者を集め、術後カンファレンスを始めます。

もっとできることは無かったか?

ここに来るまでのことを詳細に検討し始めるのです。




悲しみに打ちひしがれている志子田は、なんで亡くなったばかりでそんなことができるのかと、植野をなじります。




しかし、静かに毅然と亡くなったからこそ、二度とこんなことがないように、忘れないうちに検証するのだと言われます。





これより前に朝ドラ子役の死についても、植野は細かに、それぞれの時点で何かできることは無かったかを、志子田に問うシーンもありました。




このドラマは、厳しい状況からスタートしたPICUがいかに機能していくかを丁寧に描いていくようです。





それと重ねて、さまざまな経験を経て、ヘタレ気味の主人公が医師として成長するさまも描かれるんでしょうね。





初回では、まだ情けない感じの小児科医を吉沢亮は緩急自在に演じてました。

大竹しのぶと母子役というのも楽しみですね。




ただし、初回で目をみはったのは、夏ドラマ「初恋の悪魔」の森園から一変し、冷静沈着ながら熱い意志も秘めた植野を淡々と演じた安田顕の演技でした。





地元北海道が舞台だけに、安田本人も力が入っているのかもしれませんね。




脚本の倉光泰子は「アライブ~がん専門医のカルテ~」で医療ドラマは経験済み、昨年夏の門脇麦主演「うきわ」も良かったですが、さらなる飛躍をこのドラマでしそうです。





秋ドラマはこれに「silent」に来週から始まる「エルピス」と、久しぶりにフジテレビのドラマが秀作ぞろいになるかもしれません。




今回の評価は…8