その役の空気をまとえる門脇麦…「ミステリと言う勿れ」第10話 | 連ドラについてじっくり語るブログ

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今回はほとんどの時間が久能(菅田将暉)とライカ(門脇麦)とのやりとりで、第4話での柄本佑とのからみのように見ごたえがありました。




門脇麦は昨年の夏ドラマの「うきわ」もそうでしたが、その役の人物が醸し出す独得の空気を身にまとえる豊かな才能がある女優さんで、難しい役ほど輝く人でもあります。





このライカは千夜子という女性が生み出した多重人格の1つで、この世にあってなきがごとくの不思議な存在感を演じなければなりません。

それを演じきった門脇麦のポテンシャルには改めて感服しました。




フジテレビ 月曜21時

「ミステリと言う勿れ」第10話


主演…菅田将暉

脚本…相沢友子

演出…松山博昭




春になったらライカがいなくなるというのは、もう千夜子の別人格として出ることはなく、千夜子は精神病棟から退院するということでした。





元旦の未明、久能はライカとデートのように、初詣をしたり、おみくじをひいたり、焼肉を食べたりします。





焼肉屋では2人が数字の暗号でやりとりができるのを活かして、その店の主人のふりをしている強盗(堀内圭亮)逮捕につなげるというおまけがありましたが、




父親から虐待されていた千夜子を救うために、代わりに虐待を受けてあげたり、第7、8話でやった2人に放火を頼み殺してあげたのもライカでした。





ライカという名は、皮肉にも千夜子の父親が唯一大切にしているカメラからつけたものでした。




精神病棟に入り、千夜子が自殺をする心配はなくなりましたが、歩こうとしないので足を衰えさせないために、病室を抜け出し歩き回っていたようです。





そんなライカにとって初めての友だちになったのが久能でした。

しかし、久能と一緒にいたくてライカの人格が残っていると千夜子は幸せにはなれません。




ライカはこの日を限りに久能とは会わず、出てこないようにしようと決めていました。




沢山あった別人格の中で唯一残った自分が消えないと千夜子の病気は治ったことにはならない…




それで、ライカの願いがかなうなら僕はそれでいいと久能も同意します。




これが最後だからか、久能は胸に残る虐待のあざをライカに見せます。

「この傷はライカさんの傷と同じ痛みです」



それに返すライカの言葉にグッと来ました。

「そうか、整くんの痛みも代わってあげられたら良かったな」




久能と友だちになれて、初めて少しだけ生まれてきて良かったと思ったと、ライカは感謝を告げます。




2人とも感情をあらわに出さないのに、なんとも切ない別れのシーンでした。





ライカが消えてしまった春、退院していく千夜子に、ライカとの約束を守り、声をかけずに久能は見送りました。




ライカと一緒に見たかった桜を1人見上げて、久能は初めてなぜお花見をするのかが分かったようです。





そんな久能に天達(鈴木浩介)がかけた言葉も良かったですね。

「人と会い、人を知りなさい。それが自分を知る旅だよ」





このドラマ、好評につき続編を作ることが決まったようです(まだフジテレビから正式に発表はされてませんが…)

楽しみなシリーズになりますね。





今回の評価は…8