思い出の連ドラ回顧シリーズ…「鈴木先生」 | 連ドラについてじっくり語るブログ

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大河ドラマの「麒麟がくる」をリアルタイムで見ていたら、ふとこの作品のことを思い出しました。




長谷川博己の連ドラ初主演だった作品です。
視聴率はえらく低かったのに、作品自体は評価され数々の賞を受賞し、映画化もされた希有な作品です。




1991年  春ドラマ
テレビ東京  月曜22時
「鈴木先生」

主演…長谷川博己
共演…土屋太鳳、富田靖子、臼田あさ美、田畑智子

脚本…古沢良太、岩下悠子
演出…河合勇人、橋本大二郎、滝本憲吾




現在は「ドラマBiz」枠になっているテレビ東京の月曜22時枠。ビジネスという切り口でユニークな秀作を量産してますが、




2011年当時も攻めの姿勢で、他局が作らないような連ドラを作っていました。
このドラマもまさにそんな1本で、だいぶ異色の学園ドラマでした。




当初はあまり見る気もなく、第1話を見そびれたほどでした。
しかし、評判を知り慌てて第2話から見始め、たちまち虜になりました。




このドラマで描かれているのはごく普通の学校の先生と生徒たち。




しかし、そこは脚本のメインが、のちに「リーガル・ハイ」や「デート」を書く古沢良太だけに、ひと筋縄ではいきません。




主人公の鈴木先生はやたらと思索的で、いろんなことを深読みしたり推理するし、妄想癖もあって、気になる女生徒のことで悶々としたりもします。



画面に鈴木先生の考えてることが文字となって溢れかえる演出も斬新でした。



しかし、普通の先生や生徒ばかりではなく、人気がなくて鈴木先生への妬みから自爆し、辞めていく山口智充演じる体育教師や、不満が鬱積するあまり陰険な嫌がらせをする富田靖子演じる家庭科教師。




特に富田靖子演じる足子先生の怖さたるや、まさに怪演でした。




生徒の方も、好きな子の気を引こうとして事態をややこしくし、みんなに非難され教室内で吐いてしまう学級委員や、




あまり美人でなくても、男性経験豊富な女子が妊娠してしまったり、




そこで生徒の前でする鈴木先生の性教育はあけすけな言葉が連発され、「金八先生」へのアンチテーゼのような生々しいものでした。




毒をはらんでいながら、それでも優しい愛情も込められていて、嫌悪感を見る者に抱かせないさじ加減が絶妙でした。




視聴率はGP帯(19時~23時)の連ドラ平均視聴率としてはワーストに近い2%台で、私めはこのブログで懸命に皆さんにおすすめしました。




放送後、ギャラクシー賞や民放連や放送文化基金の最優秀賞など、数々の賞を受賞したのは喜ばしいことでした。




もう一度、しっかりと見てみたい作品です。
この記事を書くために調べたら、生徒の中に松岡茉優や北村匠海もいたんですね。知りませんでした。
土屋太鳳は美少女役で目だってましたが…





あれから9年、大河の主演までたどり着いた長谷川博己にも感慨深いものがあります。