どこまで作りたいものが作れたのか?「先に生まれただけの僕」 | 連ドラについてじっくり語るブログ

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それぞれ程よく丸くおさまった感じの最終回でした。




このドラマ、もっととんがったドラマになる可能性もありましたが、櫻井翔本人が悪いわけではなく、嵐の櫻井翔が主演するからには視聴率はそれなりに良くなくてはならない…みたいな大人の事情により、





だいぶビターなものがマイルドになってしまった気はします。
それが私めには残念に思えてなりません。





これが視聴率を気にしないNHK(最近は気にしていることもありますが…)やWOWOWであれば、もっと描きたいテーマを突き詰めて描けたのではないかと思えてなりません。




日本テレビ  土曜22時
「先に生まれただけの僕」最終回

主演…櫻井翔
脚本…福田靖
演出…水田伸生




これまで学園ドラマは全く書いてなかった脚本の福田靖が初めて書いたのには、それなりのモチベーションがあったはずです。




自分自身も高校生の娘さんがいる福田氏は、今の高校生がどんな教師たちにどんな教育を受けているのかを綿密にリサーチしたんでしょうね?




そこで感じたものはこれから厳しい現実が待ち構える生徒たちに、教育現場はしっかりと現実を伝えていない…という教育現場と社会との間のズレだったようです。





それをビジネスマンから教育現場に放り込まれた校長と教師たちの対立で描こうとしたんでしょうね。





なんで社会に出ても役に立たないことを習わなければならないのか?
いい大学に入っても、いい会社に入る保証はあるのか?




そんな学園ドラマではタブーみたいなことを、しっかりと描き、校長は生徒たちに現実を伝えようとする…





その狙いは良かったと思いますが、そこに徹するわけにはいかなかった。





校長をめぐる恋愛要素を入れたり、対立するヒールたちを滑稽に描いたり…





その分、テーマはどんどん薄まりました。シビアな問題をそのまま描くのは難しいことなんですね。






それを痛感した作品でした。
最終回で良かったのは事務長(風間杜夫)が鳴海と聡子(多部未華子)の仲立ちをして、うまく行き喜ぶシーン。




このドラマで風間杜夫の事務長は欠かせない存在でしたね。





最終回の評価は…