月9史上最低視聴率の汚名を着たけれど…「いつかこの恋を…」最終回 | 連ドラについてじっくり語るブログ

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このドラマ、結局平均視聴率がこれまでの月9史上最低で終わってしまったわけなんですが、だからと言って内容が酷かったわけでは決して無いと声高に私めは主張したい作品でした。







最終回もじっくりと主人公2人のやりとりが描かれ、バッドエンドにはならなかった。

このドラマらしいじんわりと優しい余韻に浸れる最後でした。







フジテレビ 月曜21時

「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう」最終回


主演…有村架純、高良健吾

脚本…坂元裕二

演出…並木道子







自分を育ててくれた北海道の伯父が亡くなり、伯母の面倒を見るため、北海道に引っ込んでしまった音。

別れも告げず東京を去った音の気持ちを確かめようと練(高良健吾)は北海道へトラックを飛ばし、初めて会った時にも行ったファミレスで話をします。








この2人の長いやりとりが最終回のクライマックス。

最初は練に対してつれない態度をとり、悪態をつく音が、徐々にいつもの音になっていき、心を通い合わせるに至る…







そのプロセスをじっくり眺めながら、これまでに歩んできた2人の日々をこちらも反芻することができました。

いろいろ大変なことがあったけど、恋する相手がいて良かったね…






音の母親の手紙にあった「たった一人の人」に会えて良かったね…と思わずにはいられませんでした。






それは晴太(坂口健太郎)と小夏(森川葵)にも言えましたね。

2人のシーンも微笑ましいものでした。







おそらく脚本を書いている坂元裕二が自分に近い世代だからか、脚本家が若者たちに向ける眼差しと同じ目線で彼らのことを見られたように思います。








かつて坂元裕二が書いた「東京ラブストーリー」の頃とは大きく時代が変化してしまいました。

いろいろと閉塞的で息苦しい中で、今の若者は生きていかなければなりません。







それでも好きな人がいて恋するっていいことだよ…というメッセージ。

恋するなんて面倒くさい…コスパが悪い…なんて言って恋愛を遠ざけている若者へ、そう伝えたかったのかもしれません。







残念ながら視聴率が悪かったところを見ると、そのメッセージは伝わりづらかったのかもしれません。

どうせ恋愛を描くなら能天気に明るい方がいいのかもしれませんね。








このドラマ、主演の2人をはじめ、坂口、西島、高畑、森川ら若いキャストが皆、好演してくれて見ごたえのあるものになりました。







あと切々と繊細に歌う手嶌葵の主題歌「明日への手紙」もドラマの世界観と合っていて胸に響きました。









今回の評価は…4