このドラマ、メインはあくまで今は刑事のイクオ(生田斗真)と、今はヤクザの竜哉(小栗旬)という同じ施設で育った幼なじみが、恩師(広末涼子)を殺した男たちに復讐するというものですが、
WOWOWのように5話完結くらいなら、そのメインの話だけで押し切れるでしょうが、地上波民放で10話前後持たせるためには、メインの話は徐々に進めていって、1話ずつは何かしらのエピソードを作っていかないといけないわけです。
今回も竜哉が裏のオーナーであるクラブのホステスが殺され…って事件が起こり、
TBS 金曜22時
「ウロボロス~この愛こそ、正義。」 第2話
主演…生田斗真
脚本…古家和尚
演出…石井康晴
ところが尾上松也演じる店長が出てきたら、もうこいつが犯人だとバレバレなんです。
脚本のせいか、演出のせいか、演者のせいか、三者それぞれ落ち度はあるでしょうが、こんな感じで毎回やられてもな~と失望せずにはいられませんでした。
ただ、ヤクザと警察が裏で通じ合って悪いやつを成敗するというのが、痛快さを感じさせてくれれば、もっと見やすくなるとは思いますが…
生田斗真も小栗旬も与えられたキャラクターをそれ相応に演じていますが、彼らの力量をもってすれば、もっとハードルの高い演技もできるはず。
それを演じさせるだけの脚本・演出があれば…ですが。
かえって、竜哉にくってかかるキャリア女刑事の美月を凛とした正義感で演じる上野樹里や、
イクオのことを疑っている蝶野刑事をクセの強い演技で見せ存在感を示す滝藤賢一、
金時計の男だという正体を隠している裏の黒い顔を持つ警務部長を演じる光石研、
竜哉のことを冷ややかに見ながら服従している部下の深町を無表情で演じるムロツヨシ、
…といった脇のキャストの方がひきつけるものがあります。
他にも吉田鋼太郎や、吉田羊もいるわけですから贅沢なキャスティングです。
彼らをどう使いこなすかは脚本の力量次第。そこが一番の問題でしょう。
今後4人の男が徐々にわかっていくんでしょうし、なぜ先生は殺されたのかも分かっていくんでしょう。
あまり小出しすぎて引き伸ばし感が強くなると、視聴者が減ってしまうでしょう。
この手のドラマはそこが難しいところです。中盤に回数かせぎの回がきっと出てきてしまうんでしょうね。
今回の評価は…