即興演奏が得意であったショパンであるが、まさにこの曲もイントロからジーグ風というか、馬の疾走にも似たコーダに至るまで、3部形式という枠を超えて、長い展開部をもつソナタ形式のようにも見える。


イントロ〜最初のポロネーズ風テーマ(AsDur)、続いて同じ調で第2のモチーフが示される。

その後EsDurで2つのモチーフが絡み合った展開部が始まるが調性ゼクエンツ形式でいろいろな変容を遂げ、最終的に二楽章風緩徐楽章がHDurにたどり着く。コラールからノクターン風の静かな旋律がアルペッジョのさざ波に揺れ動き、突然止まったかと思うと,gisMollで哀愁の旋律がポロネーズのリズムに乗って静かに歌われ、それがクライマックスを迎え雅やかなトリルのパッセージを経て最初のモチーフが戻って来て二楽章は終わるが、イントロと、哀愁のメロスがfMollで断片的に現れ、華やかな最終章に移行する。


最終章は、キャラクターとしてはジーグに近い気がしている。ジーグとはバロック時代の速度の速い舞曲である。2つの主要テーマのバリエーションが三連符のオクターブのパッセージになって現れ、最初のテーマの旋律がやがて二楽章のモチーフになって、、最後はアッチェルランドで追い込まれ狂乱の宴のようになるが徐々に失速し、静かな最後となる。