ショパンの作品15のノクターンは彼の友人フェルディナンド・ヒラーへ捧げられ1884年にパリで出版されています。

 

ユダヤ系ドイツ人のヒラーがパリに移り住んだ当初、パリの社交界というか音楽界で人気者だったショパン、リスト、アルカンらとともに音楽家として多彩な才能を発揮していました。年の近いショパンはパリでこのピアニストと懇意にしていて、ピアノの腕は相当だったようです。

 

この曲集の第一曲目は穏やかな水面に漂うFDurのノスタルジックな旋律で始まりますが、中間部で突如雲行きが変わり、fMollの嵐のような6度重音がかき鳴らされ、ドラマチックな展開となります。

因みに作品25のエチュード集の6度のためのエチュードはDes Durです。調性的に六度つながりではあります。キャラクターは異なりますが。

 

ショパンの同主調のコントラスト、雨だれのプレリュードにもあって、Des DurからのCisMollというように、逆パターンでは、幻想即興曲のCisMollからのDesDur、このツンデレさが実に魅力的で、奏者もしくは聴衆はしびれる~となるのです。