さて、バラード4番、第二の難所行ってみましょう。
この前言及した第一バリエーションが華々しくカデンツを迎えた後、B Durのコラール(80-99)が終わると、gMollで雨雲が現れて嵐の予感です。
gMollからのaMollゼクエンツ(100-107)
ここで難しいのは右手の6度の重音進行だと思っています。右手が頂点に駆け上がって降りてくるパッセージ。(102-103,106-107)
ここは独特なリズム感をもって現れる下声部だけ取り出してさらいます。
この曲の冒頭の三つの八分音符のモチーフが、ここではa/a/a/で裏拍で示され(107)、シンコペーションのマズルカのモチーフが現れます(gMoll)、続いてfMollゼクエンツ。
(108-113)
そのバリエーションが今度はDesDurで陽気に、左手のトリルを含むリズミックな伴奏で2回、音高を変えて繰り返されます。(114-120)
この場所の聞かせどころは、マズルカ風リズムの面白さであり、シンコペーションやアクセントの位置、アーテイキュレーションを正確にしないと、魅力が半減してしまうから、それに集中できるように、6度のパッセージを厳格にさらってください。ショパンの6度のDesDurエチュード(Op.25/8)を並行してさらってもいいですね。
その次にDesDurで現れる左のトリル。これを拍の中で入れられるように5連符でいいから確実にはまるように練習します。せっかくのシンコペーションや、左のダンス風アーテイキュレーションがトリルによって崩れないようにしてください。