戦略的思考&戦術的思考 | KOBONBLOG

戦略的思考&戦術的思考

お疲れ様です。

 

朝から小雨がけむるヒンヤリとした陽気の月曜日です。

 

さて、私事なのですが昨日の日曜日、「ミサワホーム」の営業の方が2人拙宅に来られたのです。

ブラケ氏(ムスコ氏)がどうも先週あたりに電話で少しく相談をもちかけたようで、それで「詳しくはお邪魔させてもらってご説明したい」ということで参ったようです。

 

話の要点は、「現状の借地権を買い上げて所有権にし、その上で3階建ての賃貸併用住宅を新築することで十分行けます」という提案だったのです。

 

いやいやいや、そのプランはもう地元の不動産屋さんと建築士のお二人の方から「建築費高騰の折から無理スジですねぇ…」として却下されていたプランなのです。

ですが、ミサワホームさんの方では「いえ、できます!」というようなポジティブなお答えだったのです。

 

一応話を聴く限りでは(ムムム・・・、それが可能なら確かに美味しい話ではあるが・・・)ということだったのですが、それでもあまりにも「ざっくりした話」なのでにわかに信用する訳にも行かないのです。

 

で、ミサワさん「また詳しいプラン(図面含む)を持参します」とのことで5月に再来するとのこと・・・。

 

で、ウチではその後家族会議でどーしたものかと・・・。

 

いやいやいや、私の方(夫婦して)ではもう一昨日まで「このまま行くかぁ・・・。それが一番合理的なようだ・・・」ということで固まりかけていたのですが、再び「いや、もう一度ミサワホームプランをよく聞いた上で決めて行くべきだ」という声が圧倒的に多く・・・。

 

はてさてどのように展開して行くことやらと・・・。

 

 

 

さて、話は替わるのですが、今朝、メールボックスに北野公伯氏のメルマガが入っていたのです。(私はもう何年も前から氏のメルマガを読んでいるのです)

 

で、前回のブログで私が、北野氏より伊藤貫氏の言説の方に「一日の長がある」として、「北野氏、青いな」という風に書いたのですが、その北野氏の名誉撤回ではないですが、氏のご考察の優れたところをご紹介したいということもあって、今日はそのメルマガをご紹介したいと思ったのです。

 

北野氏は「戦術脳と戦略脳」という観点からプーチン氏を分析しているのですが、それはそれでまことにごもっともな話になっているのです。

 

で、それは末尾にご紹介させて頂くのですが、その北野氏がウクライナ戦争の見方においては伊藤貫氏とずいぶん異なる方向性で考えていることについて、私がそれをどう見ているかについて改めて書いておきたいと思うのです。

 

 

結論としましては、北野氏は「プーチンロシアは戦術的には勝利するように見えても、結局戦略的には負けは不可避である」という観点で見ているのですが、それについては私も同意するのです。

 

ただ、それは今次のウクライナ戦争が「ロシア勝利で終わってはならない」ということと同義ではないということなのです。

 

今次のウクライナ戦争が「とりあえずロシアの勝利」で終わろうが「とりあえずロシアの敗北」で終わろうが、いずれにしてもプーチンロシアの戦略的敗北は不可避なのです、より長期的観点では。

 

ただ、北野氏はどうも「とりあえずのロシアの勝利」を、「それはヨクナイ!あくまでもロシアを勝たせてはいけない!」というスタンスで受け止めているように思われるのです。(あるいは、「とりあえずの勝利もあるはずがない」という見方をしているのかもしれませんが)

 

そのロジック故に「なので西側諸国はダメなプーチンロシアを勝たせないために支援をするべし」ということになるのでしょうか。そして「陰謀論を支持する人たちはプーチンは悪くない、だからウクライナ支援は止めるべきだと言う。困ったことだ」、という見方につながって行くような感じです。

 

 

私はその点において北野氏と意見を異にするのです、「とりあえずのロシアの勝利でも良い」という。

それはプーチンロシアが「悪くないから」という理由からでなく、それが「無益な戦争によってウクライナの国土が荒廃し、ウクライナとロシアの兵士の命のこれ以上失われないために必要なことだから」という理由からなのです。

 

本当に、この戦争は「無益」で「無駄」でする必要のない戦争なのです。

それがとりあえず「ロシアの勝利」で終わろうが「ウクライナの勝利」で終わろうが、どちらにしてもそれは「両方の敗北」以外の何ものでもないから、ということなのです。

 

よってアメリカもヨーロッパ諸国も日本も、もうこれ以上ウクライナ支援をするべきでないと。

一日も早く、ウクライナ国民が「もうこの戦争は終わらせよう・・・」と思うようになるべく動くことこそ、真の正義を実現する道であろうと。

(アメリカ下院ではついに「ウクライナ支援を可決」したようですが)

 

本当に、本当に、ドンバス地域がロシア領になろうがウクライナ領になろうが、そんなことは「現地の人々」にとってはどうでもいいことなのです。それをいかにも「死活問題!」という風に重要なことのように捉えるのは、「ウクライナの政治家」と「領土こそ必須」と考えるドンバス以外の地に住むウクライナ国民のナショナリズムでしかないだろうと、そう思えるのです。

 

そういう「国家エゴ」に振り回されることほど愚かなことなはいと。

 

そしてアメリカのネオコン系政治家連中の画策と、それに怒ったプーチン氏の誤った政治的判断との合体作として起こったこの戦争は、本当に無益で無駄な戦争であったと。

 

どちらが目先の勝利を得ようが、長期的にそれは両者にとっての敗北以外の何ものでもないであろうと。

 

 

いやいや、そういう風に思えているのです。

 

ご紹介まで。

 

 

 

 

 

【ご紹介】

北野公伯氏メルマガより、

 

 

★【戦術的勝利】が【戦略的敗北】に転じる時~日本が負ける本当の理由

全世界のRPE読者の皆様、こんにちは!
北野です。
(@書籍のPRがあります。)

私が、メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』を創刊したのは1999年。25年前のことです。私が、一冊目の本『ボロボロになった覇権国家アメリカ』を出したのは2005年。19年前のことです。当時私は、「ロシア投資コンサル会社」IMTをやっていましたが、すぐ2冊目、3冊目のオファーが来たことで、徐々に事業を整理し、「執筆中心の生活」に移行しました。後は、朝から晩まで、世界情勢分析を行っています。実に幸せな生活です。

同時に私は、「第2次世界大戦で日本が負けた理由」について、ずっと考え続けてきました。これ、「自虐史観教」の人にとっては、明白ですね。「日本が悪いから負けた」「日本人が悪い民族だから負けた」です。これで大半の日本人が納得していたというのは、驚愕です。「日本は植民地を作ったから悪い」というなら、「最悪な国」は、イギリスではないでしょうか?しかし、「悪い」イギリスは、第1次大戦でも、第2次大戦でも勝利しています。

私は、「脱自虐史観」なので、「日本が悪いから負けた」とか「日本人が悪い民族だから負けた」と言われても、全然納得できません。そこで、「本当の理由を知りたい」と考えました。そして、研究しているうちに、いろいろとわかるようになってきました。
私は、「自虐史観の持ち主」ではありませんが、残念ながら当時の日本のリーダーたちは、

【戦術脳】だったと思います。
「戦術脳」とは何でしょうか?
【戦略脳】とは何でしょうか?

そもそも、「戦術」と「戦略」の違いは何でしょうか?戦略は、「戦争に勝つ方法」のことです。戦術は、「目先の戦闘に勝つ方法」のことです。「・・・・・この二つ同じじゃないんですか?」そう考える人が多いでしょう。だから、日本は負けたのです。

皆さん、高校時代を思い出してください。
いじめっ子、いじめられっ子はいましたか?
いじめっ子のA君と、いじめられっ子のB君を想像してください。

[…略…]

これは、個人的な例ですが、国家間の闘争でも同じようなことがあり得ます。
たとえば、「満州事変」は、日本の鮮やかな「戦術的勝利」でした。しかし、その後、国際連盟脱退に追い込まれ、国際的孤立が進んでいきました。日本の「真珠湾攻撃」も、「戦術的大勝利」でした。しかし、これは「不戦」を公約にしていたルーズベルトに、開戦の口実を与えてしまいました。
断言しますが、アメリカが石油を止めたからといって、日本は真珠湾攻撃する必然性はなかったのです。日本は、オランダ領インドネシアの油田を確保すればよかった。オランダは1940年5月、ナチス・ドイツに降伏していました。日本がオランダ領インドネシアを占領したとしても、ルーズベルトは、対日戦争をはじめられなかったでしょう。
日本が、まさにアメリカのハワイ真珠湾を攻撃したことで、ルーズベルトは日本との戦争が可能になったのです。その意味で、真珠湾攻撃の「戦術的大勝利」は、後の【戦略的大敗北】のきっかけになったのです。

▼プーチンの【戦略的敗北】はウクライナ侵攻時に決定した
2022年2月24日、プーチンは、ウクライナ侵攻を開始しました。
私は、この戦争が始まる前から、二つのことを言い続けてきました。
・プーチンが、ウクライナ侵攻を決断する可能性がある。
・プーチンがウクライナ侵攻を決断すれば、戦闘の勝敗にかかわらず、【戦略的敗北】は【不可避】である。

「・・・・ホントに侵攻前からそんなこと書いていたのか?後付けじゃないのか?」
と疑念を持たれた方は、こちらの記事をご一読ください。
侵攻8日前、2022年2月16日の記事です。

https://gendai.media/articles/-/92504
『全ロシア将校協会が「プーチン辞任」を要求…! キエフ制圧でも戦略的敗北は避けられない』
その後の展開は、まったく予想通りになりました。

「・・・何を言っているんだ!ロシア軍が優勢じゃないか?!」
こういう人がほとんどかもしれません。しかし、プーチン・ロシアの勝利は、しょせん大局的に見れば、【戦術的勝利】に過ぎないのです。考えてみましょう。プーチンのウクライナ侵攻を国連で非難した国は、141か国です。一方、ロシアを支持した国は、ベラルーシ、北朝鮮、シリア、エリトリアの4国だけ。ロシアは、明らかに国際的に孤立しています。(親プーチン派は、中立国も無理やり「プーチンの仲間」に入れていますが、中立は中立で、プーチン支持ではありません。)

そして、国際刑事裁判所は2023年3月、プーチンに逮捕状を出しています。国際社会においてプーチンは、「戦争犯罪容疑者」なのです。これでプーチンは、国際刑事裁判所に加盟している124か国に行けなくなりました。行けば逮捕されるからです。

プーチンは、「NATO拡大を止めるため」にウクライナに侵攻しました。ところが、その意図とは逆に、中立国だったフィンランド、スウェーデンがNATOに加盟。NATOは、逆に拡大しました。この戦争の結果、プーチン・ロシアは、「旧ソ連の盟主」という立場を失いました。ウクライナ、モルドバ、ジョージアは、EUに加盟申請し、「ロシアと縁を切る」ことを宣言した。アルメニアは、ロシアを中心とする軍事同盟CSTOから脱退する意向を示しています。中央アジア諸国は2023年5月、中国と「中国中央アジア運命共同体」を作ることで合意しました。中央アジアは、ロシアを捨てて中国を選んだのです。ウクライナ侵攻の結果、欧州は、ロシアからの原油、天然ガス、石炭輸入を激減させました。そして、ロシアは、SWIFTから排除され、「ドル圏」「ユーロ圏」から追い出された。結果ロシアは、欧州が買わなくなった資源を、【中国】に【大量】に【人民元】で輸出することになったのです。中国は【人民元圏】に組み込まれて、【中国の属国】になりました。

今回の戦争でプーチンは、確かにルガンスク、ドネツク、ザポリージャ、へルソンを併合することに成功しました。しかし、これも「戦術的勝利」に過ぎません。上のさまざまなネガティブな現象を見れば、プーチンの【戦略的敗北】は確定です。そして、重要なことは、プーチンの【戦略的敗北】は、ウクライナ侵攻を開始した2024年2月24日に確定したのです。だから私は、ウクライナ侵攻がはじまる前から、結果を書いていたのです。

なぜわかったのでしょうか?
私が、「戦略と戦術」「戦略脳と戦術脳」の違いを理解しているからです。戦略脳は、より大局的で長期的です。戦術脳は、目先のことしか見えず、近視眼的です。プーチンは【戦術脳】なので、勝てば勝つほど、苦しくなっていくのです。彼はこれまで、「第2次チェチェン戦争」「ロシアージョージア戦争」「シリア内戦介入」「クリミア併合」「ウクライナ内戦介入」などで連戦連勝でした。しかし、プーチンの立場、ロシアの立場は、勝てば勝つほど悪くなり、破滅に向かっています。

なぜ、こういうことが起こるのでしょうか?
皆さんも「戦略脳」と「戦術脳」の違いを知り、もし「戦術脳」であるなら、「戦略脳」に切り替えた方がいいです。「戦術脳」は、一時の勝利しかもたらしませんが、「戦略脳」は、長期的、永続的な成功と繁栄をもたらすからです。

さて、本日4月22日、北野の最新刊が発売になります。タイトルは、

◆『プーチンはすでに、戦略的には負けている
~ 戦術的勝利が戦略的敗北に変わるとき 』

 


内容ですが、
第1章では、戦略と戦術の違いについて、詳しく解説していきます。そして、「戦術的勝利」が「戦略的敗北」に転化した歴史的例を挙げていきます。日本の例はもちろんですが、なんとアメリカも「戦術的勝利」が「戦略的敗北」に転化し、覇権国家の地位を失ったことが明らかになります。

第2章では、「プーチン神話の誕生」についてみていきます。なぜ、日本にも世界にも、「プーチン信者」が山ほどいるのでしょうか?彼がどんなに悪事を働いても、ゆるぎない信者がいるのでしょうか?理由は、プーチンの戦いにありました。90年代ロシアを牛耳っていた3人のユダヤ人新興財閥を討伐した。ジェイコブ・ロスチャイルドと戦った。ジョージ・ソロスと戦った。「陰謀論のようなホントの話」が続々と登場し、「神話誕生」のプロセスがわかるようになります。

第3章では、一転プーチンが破滅にむかうプロセスを詳述していきます。「神話」になったプーチンは、どこで間違えたのでしょうか?「戦略脳」に見えたプーチンは、いつ「戦術脳」に変わってしまったのか?この章を読めば、「プーチンのどの行動が破滅の原因になったのか?」がはっきり理解できるようになります。

第4章では、「プーチンの戦略的敗北」について、詳しく解説していきます。メルマガの解説だけでは、「それでも、プーチンは負けていない」と言いたい人もいることでしょう。しかし、第4章を読めば、「嗚呼、やはりプーチン終わっている」と完全に理解できることでしょう。

第5章では、プーチン・ロシアは、どう進めば戦略的勝利を得ることができたのかを考えます。そして、プーチンの失敗を反面教師とする日本は、どう進んでいけばいいのかを考えます。私たち自身が「戦略脳」になるために必要なことも、ここで記しています。

私はこの本を、日本と日本国民の繁栄のために書きました。日本は、戦術的ではなく、戦略的に進んでこそ、長期的繁栄を手に入れることができます。私たち一人一人も、戦術的ではなく、戦略的に生きてこそ、永続的幸せと成功を手に入れることができます。

この本は、「戦術脳」プーチンの成功と転落人生を書いた本ですが、私たち自身が、【戦術脳】を捨て去り、【戦略脳】を手に入れるための本でもあります。リターンの多い激安投資ですので、迷うことなくご一読ください。

<以上>

 

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いや、北野氏、お若いのになかなか優れた論考なのです。

 

「戦略的思考」と「戦術的思考」は、大事な思考訓練であります。

 

 

それはもっと簡単な言葉で言い換えますと、

 

「目先の利得(利益)より先の利得」をこそ重視して考えるべき、ということでしょうか。

 

古来言われている、「損して得とれ」という。