アメリカの巨大な罪&ミアシャイマー氏見解 | KOBONBLOG

アメリカの巨大な罪&ミアシャイマー氏見解

おはようございます。

 

今日は「ひな祭り」、「桃の節句」の日とか。

いやいや、快晴に恵まれてほどほど寒くもなく、また今日は日曜日とあって大変有り難いことであります。

 

 

さて、日本国内事情では、国会がアホな政倫審とかで空転しているようなことで、全然芳しいことないのです。

ほんまに、何十年このようなアホな真似を繰り返せば気が済むのでしょうか。

いいかげん、いいかげん、このような「バカ国会」を改革してもらいたいものなのです。

 

 

いやいやいや、それにしても日本国内の政治状況(特に国会での茶番劇的な無駄騒ぎ)は、もう末期的症状に近づいているとしか思えないのです。

 

茶番劇的無駄騒ぎというなら、その象徴が、NHKが毎週やっている「日曜討論」という番組です。

あれほどの「バカ番組」はないだろうと。それを戦後何十年も飽きもせず、延々と垂れ流し続けているのです。アホかと。

もちろん、藤原かずえ女史によって毎週笑いものにされ、メッタ斬りにされている「サンモニ」なる面白番組もあるのですが、それもまたその象徴であろうかと。

 

 

話が逸れました・・・、

 

私が今日ここでご紹介したいと思った動画です。

昨夜視聴していたのですが、シカゴ大学のミアシャイマー教授の直々のインタビュー動画(字幕付き)でして、非常に良かったのです。

 

私はこれまで伊藤貫氏によって、ミアシャイマー氏などのリアリスト学派の政治学者の見識を聞き知ってはいたのですが、直にその話を聞くなら、やはり「なるほど、ごもっともです」として頷けるところが多いのです。

 

 

 

 

John Mearsheimer Interview

(22分24秒)

 

 

 

 

 

この中で、氏が、2022年3月のイスタンブールでの停戦交渉の時、「プーチンは決して領土割譲を要求などしていない。とにかくウクライナのNATO加盟を認めないということだけを主張していた。なので西側がウクライナの次に狙われるのは~~だという見立ては誤りである。そんなことはない」として、西側においてはもうそれが当然のように語られている「プーチンの領土拡大欲がウクライナ侵攻の原因である」という見立ての愚かを指摘するのです。私もその通りだと思っているのです。

 

で、私がこのミアシャイマー氏の言説の真実性を確信したことがあるのですが、それがしばらく前にここでご紹介したニキータ氏によるプーチン氏の、例の「文書を手にもって、ここに書いてある」と主張していたあの動画なのです。

 

その動画の前半に、停戦交渉のウクライナ側代表であったダヴィッド・アラハミヤ氏へのインタビュー動画に、そのことの真実であることを証明する発言があったことなのです。アラハミヤ氏はインタビュアーの質問に答えて、「彼らの要求の根本は中立化にあった」とはっきり述べているのです。そして領土割譲の話など出ていないと。

 

 

 

※)再掲

<2023年11月29日>(23分53秒)

・11分45秒~、インタビュアー「文書にはウクライナの永世中立と安全保障に関する~~、と記載されている」
・12分48秒~、アラハミヤ氏「彼らにとって我々(ウクライナ)が中立的立場をとることが最も重要でした。フィンランドが昔そうしたように、彼らは我々が中立的になりNATOに加盟しないと約束するならば、彼らは戦争を止める用意がありました」、「そうです、これが最重要事項でした」、「それ以外の親ナチス化やロシア語圏の人々などなどは表面的な政治的装いでしかありません」
・13分14秒~、インタビュアー「ではなぜウクライナはこの項目に同意しなかったのですか?」、アラハミヤ氏「・・・(沈黙)」

<以下略>

 

 

 

 

なので、あの時点でウクライナ側がその停戦交渉での原案を飲みさえすれば、もう今日の悲惨な2年に及ぶ戦争は回避されていたことは間違いないことなのです。

 

それをアメリカとイギリスがゼレンスキーに「交渉を破棄せよ、戦争を継続せよ」と命令したのです。

 

バイデン&ジョンソンの米英政権のこの戦争における「責任」こそ、最大級に重いものであると。

 

それを知らず、ヨーロッパの政治家やメインストリームメディアは、未だに「ロシアを勝たせてはいけない!」などと叫び、不毛な戦争をずっと継続させようとして躍起になっているのです。なんですか、この愚かな構図は・・・。

 

 

 

ミアシャイマー氏はもう一本の動画で、2008年当時、ウクライナをNATOに加盟させようとする英米の提案に対して「サルコジ大統領とメルケル首相は明確にそんなことはすべきでないと主張していた」と述べているのですが、その真意は「それがロシアに対する明白な宣戦布告になるから」だということだったのです。

 

 


 

(2023年12月7日)(日本語字幕)

(9分50秒)

 

 

 

 

本当に、今次のウクライナ戦争は、アメリカとイギリスの「ロシア弱体化を図る戦略」という愚かなアイデアが招いた愚かな結末だということなのです。

 

ロシアには、1990年以降、もう当時領土欲などなく、並みの中進国レベルの国力しかなく、自国を豊かにすることだけで精いっぱいの国だったのです。むしろ彼ら自身が、「ヨーロッパの仲間に入れてもらいたい」と思っていたくらいなのです。

 

それを、旧ソ連という悪魔的に悪い政権の後継国家であることから、ロシアもまた「いずれ打ち倒さなければならない潜在的敵国」というレッテルを貼り、歴代アメリカ政権は「NATOの東方拡大はしない」という口約束でロシアを騙し続けてきたのです。

そして同時に「ミンスク合意」についても、結局ロシアを欺いて時間稼ぎでしかなかったということも、それもまたメルケル首相自らが暴露している話なのです。

 

そういう過去の経緯を、ミアシャイマー氏は解説してくれていたのです。

(もちろんそれは伊藤貫氏によってすでに十分教えられていたことではあるのですが)

 

 

 

そしてミアシャイマー氏は、「ガザ問題」についても明確に言及しているのです。

 

そのポイントは「イスラエルは明らかに戦争犯罪行為を為している」、「それはジェノサイドとは言えないかもしれないが、しかし、彼ら政権はパレスチナの地を民族浄化しようとしていることは間違いないことである」と。

 

つまりは、「イスラエルのやっていることは支持することは出来ない」というスタンスです。

 

私もこれには同意するのです。

 

それにしてもアメリカ政権は、これまでミアシャイマー氏のような「リアリスト派」の政策論と、ヌーランド女史に代表される「リベラル派」の政策論とが対立し、結局民主党政権によって「リベラル派」の外交政策が政権の基本政策として採用されてきたようなのですが、それは非常に誤った選択であったと言わざるを得ないのです。

 

伊藤貫氏ではないですが、アメリカ外交は「失敗ばかり」を繰り返しているのです、これまで。

 

そして今次のウクライナ戦争へとプーチンロシアを追い込んでしまって、そしてウクライナ国民をいたずらに死なせてしまっているのです。

 

これがどれほど巨大な罪なのか・・・。

(&、ゼレンスキー氏は決して「英雄」などではないのです・・・)

 

西側諸国は一貫して「ロシアの戦争犯罪は許せない!」としているのですが、根源的には、そのロシア以上にアメリカの罪は重いのです。

 

 

 

方や、追い詰められて愚かな侵攻をなしてしまった「可哀そうなロシア」ではあるのですが、しかし、それもまた「ソ連」という国家が20世紀に犯した巨大な人類への罪の贖罪をしなければならないという観点からは、やはりしっかりとその苦難を引き受けて行かなければならないのが道理なのでしょう。

 

そしていずれまたアメリカも、偽善の皮をかぶって巨大な罪を作り続けているのですから、将来はロシアが悲劇に見舞われたように、アメリカもまたどうしようもない悲劇、悲惨を引き受けて行かなければならない日が来るのでしょう。

 

21世紀も半ばを過ぎて、アメリカの凋落も少しずつ見えてきているのですから・・・。

 

そして日本、せめて日本くらいしっかりとした、世界に範を垂れるような存在であって欲しいと願うのですが、どうも、マスコミ、政治家、知識人、各層において「分かった人物」がほとんどいないような有様ですので、しんどい状況だなと・・・。

 

う~~む・・・、

 

なんとかならんか・・・

 

 

 

そういえば、昨日図書館で文藝春秋誌を読んでいたのですが、伊藤貫氏が名指して批判した国際政治専門家諸氏が対談をしておりまして、次のように電子版にそれが出ていたのでご紹介まで。

 



 

~戦争の行方は欧米、そして日本の手に委ねられている~
2024/02/08
小泉 悠 (東京大学先端科学技術研究センター准教授)
東野 篤子 (筑波大学教授)
長谷川 雄之 (防衛研究所研究員)
廣瀬 陽子 (慶應義塾大学教授)

 

 

 

 

もちろん、皆さんのご主張は「ウクライナに支援し続けることが大事・・・」という。

 

(もちろん私の主張は、「そんなこと言ってないで、すぐに停戦交渉に臨むべしとゼレンスキー氏を説得することが大事!」)

 

 

 

ご紹介まで。

 

ではでは。