歴史を見誤るということ…
◆産経新聞◆
(2024/2/21)
おはようございます、
今日も雨降りで、日中も気温が6℃くらいまでしか上がらないという、真冬の寒さに逆もどりです。いやはや…。
それはそうと、今しがた朝食を終えて2階に上がってきてPCを点け、(さて、webチェックをするか)となり、最初に開いたサイトが藤原かずえ女史のエックスです。
と、そこに、いきなり次の一文が。
藤原かずえ@kazue_fgeewara
自由と民主主義守るため 露を勝利させてはならない
— 藤原かずえ (@kazue_fgeewara) February 21, 2024
→個人の消極的自由に著しい危害を加える専制国家は人類の敵であり、彼らに勝たせることは人類の敗北です。同じ時代を生きる者として岸田政権の積極的なウクライナ支援を強く支持しますhttps://t.co/9rLCzlbqTi
いやいやいや、私が昨日ここで、「「ウクライナを負かす訳にはいかない、よってウクライナには戦争を継続してもらうべし」という主張はあかんでしょう、それはウクライナをさらなる悲劇に突き落とすことになるでしょう」と書いたばかりなのです。
そして細谷氏や藤原女史のご主張には一定の理解を示しつつも、より根源的には「国際常識とされる“国際法上の正義”の前提より、より大きな視点、枠組み(歴史的にも)の前提で考えるべきでは」と書いたのです。
ですが、藤原女史が改めてこの投稿をしていたのです・・・。
(ムムム・・・)
私は日頃この藤原女史の言説を最大級に評価、リスペクトしているのです。
その藤原女史のご意見でも、今回ばかりは私は(違うのでないですか…)と疑義を呈さざるを得ないのです。
(いやいやいや・・・)
これはソッコーで反応しない訳にいかないとなりまして・・・
藤原女史のツイートは産経新聞の鹿間なる方の書いた記事へのレスなのです。
そして産経新聞さんも、きっとこれが「社としての方向性」なのでしょう。
そしておそらく、日本中の大手新聞なりマスコミのこれが基調なのでしょう。
伊藤貫氏の慧眼が抉る「戦後国際政治(アメリカ外交)の大欺瞞」を、誰も認識していないようです。
なので伊藤貫氏は常々「日本の保守の言説は最低だ!産経までもバカだ。何が田久保だ何が岡崎久彦だ、みんな親米のポチだ、あ~、情けない…」と慨嘆しているのですが、まことにその通りであると思われるのです。
私はかつて西部邁氏が健在の折には、その言説をほとんど注目していなかったのですが、この伊藤貫氏は常々その西部氏と気脈を通じてよく対談していたのです。
どうも「反米保守」という立場の言論人は異端的存在としてあったようなのです、当時は。
私は今にしてその反米保守の基調の正しかったことを、痛切に感じるのです。
私も、数年前までの私自身も、実は親米保守の立場でいたのです。
アメリカの「核の傘」を無邪気に信じていたのです。
「日本よ目覚めよ!」と、叫びたいのです。
日本の政治家諸氏よ、知識人、言論人、マスコミよ目覚めよと。
そしてまずは伊藤貫氏に教えを乞えと。その話を聞けと。
そしてアメリカ政治の腐敗を知れと。
今、鹿間氏は20世紀の偉大な政治家ウィンストン・チャーチルを引き合いにだしてゼレンスキー氏を支持するのです。
この記事を読むなら、きっと多くの日本人が「そうだ、そうだ、ゼレンスキー、よくやっている!」と共感するのでしょう・・・。
「やはりウクライナを負かす訳には行かない」と。
もちろん、「違うだろう・・・、ゼレンスキーはダメだろう・・・」と、私のように思われる方も少なからずはいるかもしれないのですが、それは決してメインストリームではないのでしょう。
チャーチルのイギリスと、ゼレンスキーのウクライナとが「同じような立場だ」という風に捉えることができるのでしょうか・・・。
表面的、外形的には同じようなものでも、内実においては全然違うのでないのかと、私などは思うのです。
なので私にはこの鹿間氏の記事は全然ピンとこないモノだったのですが・・・
◆産経新聞◆
自由と民主主義守るため 露を勝利させてはならない
2024/2/21
ロシアがウクライナに侵攻して2年になる。侵略された領土を奪還するウクライナの反転攻勢は、塹壕(ざんごう)や地雷原などの強固な防御ラインに阻まれて期待した成果を上げられず、逆にロシア軍が攻勢に出ている。
ウクライナは欧米諸国の軍事支援が頼みだが、戦争の長期化で支援疲れが見られる。なかでも米国は、ウクライナやイスラエルへの支援を含む総額約950億ドル(約14兆3千億円)の緊急予算案が、共和党が多数派を占める下院で通過の見通しが立たない。
共和党の大統領候補レースをリードするトランプ前大統領は、北大西洋条約機構(NATO)加盟国に対し、「軍事費の負担を怠れば、ロシアに攻撃されても米国は守らない」と発言して物議を醸している。
西側の足並みの乱れに、プーチンは高笑いしているだろう。3月のロシア大統領選では有力な対抗馬がおらず(というより出来レースで)、圧勝が確実である。
ロシアは北朝鮮から武器の供与を受けている。国連安保理の決議に違反するが、常任理事国が平然と破っている。ウクライナに着弾した弾道ミサイルの破片にハングルが書かれていた。実戦での使用は、威力や命中精度を確かめるのにこれ以上の実験場はない。日本にとっても脅威である。
金正恩朝鮮労働党総書記は、統一はもはや不可能だとして、韓国を「第1の敵国、不変の主敵」とみなすよう憲法改正を指示したという。朝鮮半島情勢は緊迫の度を高めている。
NHKのBS放送で映画「ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男」を見た。
第二次大戦初期、ナチス・ドイツの電撃的な侵攻でフランスは陥落寸前となり、イギリスにも迫っていた。戦時内閣の首相に就任したチャーチルは徹底抗戦を叫ぶが、英仏連合軍がダンケルクの海岸線まで追い詰められ、和平交渉に傾きかける。しかし、民間の小型船舶まで動員した撤退作戦が成功し、決意を新たにする。議会での演説は歴史を変えた。
「我々は戦う。海岸で、敵が上陸した地点で戦う。野原で、街なかで、丘の上で戦う。断じて降伏しない。万が一、イギリスの大部分が征服され、飢えに苦しむことになろうとも、海の向こうの我が帝国が、イギリス艦隊に守られながら、闘争を続ける」
ウクライナのゼレンスキー大統領は2年前、チャーチルの言葉をなぞって、英国議会でオンライン演説を行った。「私たちは決してあきらめない。敗北しない。最後まで戦う」。議場は大きな拍手に包まれた。
この2年で世界は、強権的な専制主義国家と、自由と民主主義を掲げる国に色分けがはっきりした。一時に比べてウクライナのニュースは少なくなったが、この戦争をロシアの勝利で終わらせてはならない。(元特別記者 鹿間孝一)
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いやいや、昨日の今日だったですので、ご紹介まで。
ではでは・・・
※)ただ、私も「戦後ウクライナ復興に日本が大きな協力をする」ことについては、それはそれで「善きコト」と捉えているのです。ただ、「このまま戦争継続をするためのウクライナ支援はすべきでない」という。