復活するまでまだ長い時間がかかりそうだの件 | KOBONBLOG

復活するまでまだ長い時間がかかりそうだの件

お疲れ様です。

 

真冬ではありますが、風もなく穏やかな暖かい午後です。

 

さて、webチェックしていたのですが、ご紹介したい記事が1本。

 

毎度の橘玲氏のダイヤモンドオンライン誌への寄稿文です。

 

 

 

 

◆DIAMONDonline◆

(橘玲、2024.1.11)

 

 

 

 

末尾にその一文を掲載したいと思うのですが、いやいや、素晴らしい見立てであるなと感心しているのです。

どこまでズバリの予想になるかは分からないのですが、でもおそらく大よそはそのようになって行くのでないかと思えます。

 

 

 

さて、それはそうと、「日本保守党界隈」がネット上(エックスやYouTubeなど)では「支持派」と「アンチ派」の二派に分かれてずいぶん激しくやり合っているのです。

 

私は双方の言い分を公平に聞いているのですが、どうも分は「アンチ派」にあるように思えまして、日本保守党の行く末を「暗澹」という心境で眺めているのです。

 

 

○日本保守党支持派

百田尚樹氏、有本香氏、河村たかし氏、井川意高氏、飯山陽氏、猫組長、長谷川幸洋氏、島田洋一氏、などなど

 

○アンチ派

「J」上念司氏、「K」KAZUYA氏、「I」池内恵氏、「S」篠田英朗氏、「W」和田政宗氏、「A」有馬哲夫氏、などなど

 

 

いやいや、飯山陽女史が学者の池内恵氏とバトルし始めたことで、今回の出来事が大きくなってきたのですが、そもそも、百田氏は橋下徹氏と大いにやり合っていたことなどがあり、敵を作ってバトルを楽しむというような傾向が強くあるようなのです。で、今回は百田氏のファンや支持者たちが、飯山氏に味方して大いにネット上でアンチ派に攻撃をしかけているという。

 

もうこの件、詳細は論じるまでもないのですが、「日本保守党」、始まる前からもうずいぶん大きなミソを付けてしまっているよなと・・・。

残念ですがもうほんまに「何も期待できない」という感じになってしまっているのです。

いやいやいや、ほんまに残念な話です・・・。

 

 

そして本来、しっかりしていなければならない自民党ですが、今般何やら「政治刷新の組織」を新規に立ち上げたのですが、それも期待できる話ではないのです。

 

いやいやいや、2024年の今年も、日本の政党政治はまるで「漂流」するような恰好で流れて行くことになるのでしょうか・・・。

 

とりあえず私は「外交」の観点から、岸田氏には政権にしがみついて粘って欲しいと思っているのです。

 

仮に岸田氏が辞任して誰か新しい人に替わるにせよ、その人物が岸田氏を大きく上回って素晴らしい政治を展開してくれることなど、全然、まったく、寸毫も期待できないのですから。

 

 

いやいやいや、嬉しい楽しい明るい話題など、そうそうある訳ないのです・・・。

 

とりあえずスポーツや文化、芸能、などの「お気楽話題」で明るくして行ってもらうしかないかなと。

 

しかしそこでも「松本人志問題」が勃発したりして、芳しいことではないなと。

 

ま、しゃないですかと・・・。

 

 

 

いや、でも、逆にお気楽ノー天気楽観モードを全開発動して、そういう日本を、そういう世界を、むしろ「笑ってしまう」方向に舵を切った方がいいかもなのです。

 

 

ウム、そうですね、そういう「他人事」のような感じで、(本当は我が事であるのですが)、でも他人事のように受け止めて、そのダメさ、その愚かさ、その情けなさを笑ってしまう、という風に。

 

 

「アホやん(笑)」、

「バカだわ~(笑)」、

「ダメだこりゃ日本!」

 

 

 

いや、それでも我が日本は決して滅びも没落もしないのです、

我が日本は必ずや世界に大きな貢献のできる、世界にとって「救いの国」に違いないのです。

 

ただ、現状、その良さが表に現れず、そのダメさが噴出しているだけで・・・。

 

 

 

う~~む・・・、

 

そういうことかと・・・。

 

とりあえず、笑っておこうと・・・。

 

「何してんねん、百田さ~ん(笑)、あかんでしょ、そんなんじゃ(笑)、しっかりしてや~!」と。

「もうあんたの面白いことは十分分かってまんねんから、もう笑いを取る方向じゃなく、もう敵を作る方向じゃなく、大きく人々の罪や悪を赦して受け入れる方向に転換しなきゃあかんでっせ~(笑)、これほんま!」

 

(ご病気も、頑張っておくんなましですが・・・)

 

 

 

【ご紹介】

 

◆DIAMONDonline◆
【2024年はどんな年になるだろうか?】イスラエルとハマスの紛争は長き引き、アメリカは大統領選の結果に関わらず、ぎすぎすした社会の分裂が続く。人手不足が深刻化する日本では、企業の新陳代謝と効率化が起きる
(橘玲、2024.1.11)
「今年はどんな年になるだろうか?」という予想を、当たるも八卦、当たらぬも八卦で毎年書いている。

 去年の予想では、「ロシアによるウクライナ侵攻は膠着(こうちゃく)状態に陥る」「中国の不動産バブル崩壊が顕在化する」「日本はインフレに転じたが、それにともなう賃金の上昇はなく、実質賃金はマイナスのままでさらに“貧乏くさい”国になる」と書いた(日本の実質賃金は2023年10月時点で19カ月連続で減りつづけている)。

 これらの予想はどれも当たったが、未来を見通す特殊な能力をもっていると自慢するつもりはない。私はただ、「いま起きていることが1年後も続いているだろう」と述べただけだからだ。社会や経済には強い粘性があるので、大きな変化が突然起こることはめったにない。

イスラエルとパレスチナの紛争は、このままの状態で何年も続くことになるだろう
 2023年で(ほぼ)誰も予想できなかったことは、イスラーム原理主義の武装組織ハマスによる大規模テロと、イスラエルのガザ地区への容赦ない掃討作戦だろう。

 22年12月、極右・宗教政党との連立でイスラエル史上「最も右寄り」とされるネタニヤフ政権が成立した。ネタニヤフはパレスチナ問題解決の最大の障害になっているヨルダン川西岸への入植を進めると同時に、アラブの「盟主」サウジアラビアとの国交正常化を目指した。既成事実を積み上げることで、国際社会をパレスチナ問題に無関心にさせるのがこの戦略の狙いだろう。

 これに対して、自分たちの存在理由がなくなると追い詰められたハマスが大規模なテロを敢行した。それを可能にしたのが巨額のオイルマネーで、とりわけロシアへの経済制裁で原油価格が高騰したことで、アラブ諸国の使い切れない富がさらに増えている。こうした超富裕層のなかに、その富をイスラームの大義のために使おうと考える者がいたとしても不思議はない。

 一昨年の予想で「イーロン・マスクのような超富裕層の“奇矯な”行動が社会に大きな影響を与える」と書いた。この予想はTwitterの買収として現実となったが、そのときはシリコンバレーのテクノ・リバタリアンを想定していた。だが小国のGDP(国内総生産)に匹敵する富をもつ者はほかにもおり、彼ら(その大半は男性)によって世界が振り回されることがこれからも続くのではないだろうか。

 イスラエルとパレスチナの紛争は、ロシア・ウクライナ戦争と同じく、いったん問題が顕在化した以上は(残念ながら)このままの状態で何年も続くことになるだろう。ネタニヤフはテロを事前に察知できず、多くの犠牲者を出したことで強い批判にさらされているが、だからといってイスラエル(ユダヤ系)の世論が和平を求めているわけではない。ガザでの苛烈な作戦は、イスラエル市民の強い支持のもとで、「民主的」な決定として行なわれているのだ。

 進化心理学者や進化生物学者はこれまで、ヒトは「俺たち」と「奴ら」を瞬時に区別し、内集団(仲間)と親密になる一方で、外集団のことはほとんど気にせず、ときにとてつもなく残酷になるように進化したと述べてきた(リチャード・ランガム『善と悪のパラドックス ヒトの進化と〈自己家畜化〉の歴史』依田卓巳訳、NTT出版)。この陰鬱(いんうつ)な主張は、人間の善性を否定しているとして強い批判にさらされてきたが、どちらの人間観が正しいかの強力な「エビデンス」をわたしたちは日々目にしている。

 イスラエルは、自分たちを心の底から憎んでいる“隣人”と共生するというきわめて困難な課題を負わされた(あるいは、「建国」によって自らこの課題を負った)特殊な国だ。どのような社会も、自分や家族(とりわけ子どもたち)がテロリストによっていつ無残に殺されるかわからないというリスクを受け入れることなどできない。

 ゆたかでリベラルな社会は「自分らしく生きる」ことを至上の価値とするが、その前提には「安全」がある。それが脅かされたときには、民族や文化・宗教、政治イデオロギーにかかわらず、「奴ら」の側の女性や子ども、幼児のことはどうでもよくなるのだ。

 とはいえこれは、イスラエル(だけ)を批判するものではない。ハマスもまた、ユダヤ人を「奴ら」として、幼児や子どもを含む多くの市民を虐殺し、それを「成果」として誇っている(ヨルダン川西岸でのハマスへの支持はテロによって大きく上昇したという)。

 レバノンにいるハマス幹部は、大規模テロがガザの悲劇を引き起こしたのではないかという日本人記者の質問に対して、「(ガザの)死者2万人という代償は問題ではありません。これまで(イスラエルによって)行われてきた虐殺や殺害、処刑による犠牲の方がはるかに大きいからです。パレスチナ人の権利が失われることがないと世界に示すために、ハマスはこの行動を起こしたのです」とテロを正当化した(「ハマス幹部、人質解放について『年内に合意できる可能性も』」TBS NEWS DIG2023年12月20日)。

■今年最大の“イベント”は11月5日の米大統領選
 今年最大の“イベント”は11月5日の米大統領選で、バイデンとトランプの高齢者同士の一騎打ちになる可能性が高く、世論調査ではトランプがバイデンをわずかにリードしている。そのため欧米のメディアや識者は、いまから「トランプ後の世界」についてさかんに論じている。

 だが仮にトランプが大統領に復帰したとしても、2016年のような衝撃はないのではないか。わたしたちはすでに4年間の「トランプ時代」を経験したが、当初いわれた(核戦争のような)破滅的な事態は起こらず、その後のコロナ禍や戦争の影響もあり、17~20年の4年間は比較的平穏な時期だったとされている。

 トランプ大統領の再登場はプーチンには吉報で、ウクライナにとってはきびしい事態だが、だからといってロシアのこれ以上の侵略を容認することはなく、現状のまま領土を固定化することで戦争を終わらせようとするだろう。振り上げた拳の落としどころを探っている欧州も、口先では批判しつつも、この「和平案」に乗るかもしれない。3月のロシア大統領選でプーチンの当選は確実で、経済制裁をいくら強化してもロシア経済は破綻する兆しを見せず、資源価格の高騰とインフレで自分たちの足元がぐらついているのだから。

 パレスチナ問題にしても、トランプはイスラエルが行なっているガザでの掃討作戦を(無条件で)容認するだけだろう。そうなればイスラエル軍がガザを実質的に統治することになるが、ガザの200万人が餓死するような事態は望まず、国連などを通じて一定の支援が行なわれるはずだ。リベラルはこの事態を認めないだろうが、そもそもパレスチナ問題は解決が困難(あるいは原理的に不可能)で、バイデン政権が継続しても同じ結果になるだけかもしれない。

 アメリカでは政治イデオロギーによる社会の分裂が激化しており、リベラルな知識層は「現実(リアル)」から撤退し、「ヴァーチャル世界(仮想空間)」に移っていくのではないかと考えていたが、この予想はすこし修正したい。

 マーク・ザッカーバーグが社名を「Meta」と変え、事業の主力をメタバースに移すと宣言したのは21年10月だが、それから2年たっても「リアルからヴァーチャルへのエクソダス(脱出)」は起きていない。今年3月にはアップルのヘッドセット「Vision Pro」が発売されそうだが、価格は3499ドルで、日本円だと50万円を超える。購入できるのはごく一部で、当面は教育や職業訓練などの用途に限定して使われることになるだろう。

 ひとびとを現実空間から引き離すのがきわめて困難なのは、現実はヴァーチャルよりずっと「リアル」で、衣食住(そしてセックス)など基本的なことは現実世界で行なうしかないからだ。メタバースへの「移住」のティッピングポイントは、友人や知り合いのほとんどがヴァーチャル世界にいるか、呼び出せばすぐに会えるような状況をつくることだが、そのような日が来るとしても(私は若干懐疑的になった)まだかなり先になりそうだ。

 ヴァーチャル世界に脱出することができないのだから、たとえトランプが大統領になったとしてもリベラルは現実世界に踏みとどまり、レイシズムやセクシズム、LGBT差別(と彼ら/彼女たちが考えるもの)への闘いをやめないだろう。その反動で右からの攻撃も強まり、イスラエルのガザ攻撃をめぐっては、ハーバード大学の黒人女性の学長が「反ユダヤ主義を擁護した」として辞任させられた。『世界はなぜ地獄になるのか』(小学館新書)で書いたように、今年もさまざまな奇妙な「キャンセルカルチャー」を目にすることになるにちがいない。

 当面はぎすぎすした社会の分裂が続き、現代史の新たなページは、(もし始まるとすれば)トランプもバイデンも引退する2028年の米大統領選になると予想しておこう。

■欧州全体が「移民現実主義」に向かっている
 リベラルな知識社会でポピュリズムが拡大するのは、仕事に要求される「能力≒知能」のハードルが上がることで、多くの労働者が脱落してしまったからだ。あらゆるデータが示すように、社会は人種や性別・性的指向よりも「学歴」によって分断されており、高卒や高校中退の労働者階級(ワーキングクラス)が労働市場から排除されつつある。

 機械(AI:人工知能)による自動化の影響をもろに受けたのはブルーワーカーの男性で、アメリカでは低所得層の男女の賃金格差が逆転し、コミュニケーション能力の高い女性(看護師や介護士、ソーシャルワーカーとして働くことができる)の所得が男性(その多くはギグワーカーか失業者)を上回るようになった。

 アメリカでこうした事態が先行したのは、人種や性別での差別が許されないリベラルなメリトクラシー社会だからで、日本でそれが目立たないのは、正規・非正規の「身分差別」に象徴されるように、日本が近代のふりをした身分制社会だからだ。しかしその日本もグローバルなリベラル化の巨大な潮流のなかにあり、早晩、同じことが起きるだろう(より正確には、すでに起きているがまだ可視化されていないだけだ)。

 当然のことながら、ひとは現在の苦境を自分の能力が足りないからだと認めることなどできない。その結果、グローバル化や知識社会化、コンピュータによる自動化の影響はすべて「移民」の責任にされる。これが、リベラルな欧州で反移民のポピュリズムが猛威をふるう理由だろう。

 ポピュリズム政党が得票率を上げているのは、「右翼」「極右」ではなく「リベラル政党」と認識されているからだ。2000年代になってから、反移民の政党はイスラーム圏からの移民を「人種」的に排斥するのではなく、女性差別やLGBT差別、宗教原理主義などを理由に、「ヨーロッパの市民社会にふさわしくない」と主張するようになった。これが「右翼のリベラルへの反転」と呼ばれる現象で、これまでは「レイシスト」と批判されることを恐れていた一般市民も、「リベラリズムと市民社会の擁護」として堂々と移民問題、すなわちイスラーム問題を語れるようになった。

 そもそもアラブやアフリカからの移民を無制限に受け入れるのは非現実的で、昨年末、イギリスでは不法移民をルワンダに移送する法案が可決され、フランスも外国人犯罪者の国外追放や、国内で生まれた子どもの国籍取得要件の厳格化を含む移民法案を可決した。いずれも数年前なら考えられない移民政策だが、今年の6月に行なわれる欧州議会選挙では、欧州全体が「移民現実主義」に向かっていることがよりはっきりするだろう。

 これはアメリカでも同じで、トランプ政権の移民排斥を批判して「聖域都市(サンクチュアル・シティ)」を宣言したニューヨークなどリベラルな都市に、テキサス州知事がバスで移民を送り込んだ。これに対してニューヨーク市長が「この問題はニューヨークを破滅させる」とバイデン政権を批判し、避難所での生活支援などで負担した約1000億円の支払いを求めて、移民を運んだバス会社を提訴する異常事態になっている。

■日本で人手不足によって賃金を上げざるを得なくなれば、「ゾンビ企業」が淘汰され、より生産性の高い企業に取って代わられるだろう
 中国については2015年3月刊の『橘玲の中国私論』(ダイヤモンド社。その後、『言ってはいけない中国の真実』として新潮文庫)で、不動産価格の上昇は持続不可能なバブルであることと、習近平政権は「弱権化」しており、「強権化」や監視社会化は中国共産党の権力基盤が揺らいでいるからだと論じた。この見解はいまも変わっていないが、この本の取材で中国各地の「鬼城(廃墟)」を回ったときには、不動産バブルがこれほど長く持ちこたえるとは思わなかった。

 その意味では、中国経済は私が考えるよりもずっと巨大で、さまざまな方法で不動産価格の下落や開発会社の破綻を抑えてきたのだろう。その結果、反動はさらに大きくなると思われるが、まだかなりの余力があるはずなので、年内に大きなクラッシュが起きて大混乱に陥るようなことはないのではないか。

 最後に日本だが、超高齢化と少子化で深刻な人手不足が大きな問題になってきた。日本は人口密度が高い島国で、つねに「人間が多すぎる」ことが悩みの種だったのだから、これは歴史的な事態だ。

 仮にこれから少子化が逆転したとしても(その可能性はなさそうだが)、生まれた子どもが労働人口に加わるまでには20年程度かかる。それまでは外国人労働者で補うしかないが、円安によって、もはや日本は魅力的な働き場所とは見なされなくなっている。技能実習生の低賃金や劣悪な待遇が国際社会から批判されたことで、これまでのように外国人労働者を「使い捨てる」こともできなくなるだろう。

 だがこれは、一概に悪いこととはいえない。日本経済が30年にもわたって低迷しているのは生産性が低いからで、その結果、国民のゆたかさを示す1人あたりGDPの順位は下がり続け、シンガポールや香港に大きく差をつけられるだけでなく、韓国や台湾にも並ばれようとしている(ドイツ、イギリス、フランスはもちろんイタリアにも抜かれた)。

 デフレの原因は、高齢化と人口減で市場が縮小するなかで企業がなりふりかまわぬ安値競争を繰り広げたことだ。その最大の“被害者”は非正規雇用の労働者だが、日本社会の中核にいる正社員の雇用は守られ、賃金は上がらないものの物価の下落で生活水準は維持できたので、ぬるま湯のような状況が続いた。これではいくら改革を叫んでも、「痛み」を引き受ける気にならないのは当然だろう。

 日本企業の生産性はいまやG7でもっとも低いが、その理由は市場に新陳代謝がなく、生産性の低い「ゾンビ企業」や赤字の中小企業が滞留しているからだ。人手不足によって賃金を上げざるを得なくなれば、こうした企業が淘汰(とうた)され、より生産性の高い企業に取って代わられるだろう。

 外国人労働者で人手不足を補えないなら、残るのは機械による自動化しかない。日本社会の中核は、いまや頑迷固陋な「むかしはよかった」派(80代になりつつある団塊の世代)で、「リベラル(進歩主義)」を自称するメディアすらが、マイナカード問題では、高齢者を「不安」にさせるようなことはいっさい許さないとして、「紙の保険証に戻せ」というラッダイト運動を主導していた。だがこのままでは、その高齢者への基本サービスの提供すら難しくなるだろう。

 私は、「日本人は“自由”を恐れ、“合理性”を憎んでいる」と疑っているので楽観はしていないものの、インフレと人手不足という「外圧」によって、変わらざるを得ない現実を突きつけられることがこの国の「希望」になるかもしれない。

 なお、社会・経済への大きなインパクトとしてAIなどテクノロジーの急速な“進化”があるが、これについては稿を改めて論じたい。<了>
 

******************************

 

ではでは。