世界は「建て前」より「本音」で動く件 | KOBONBLOG

世界は「建て前」より「本音」で動く件

おはようございます。

今日は曇りの予報で最高気温が8.4℃とか。寒い一日になりそうです。

さて、思索・思考を深めなければならない問題が山積しているのですが、毎日webチェックをしておりますとその都度「ご紹介したい記事」が目に入ってきまして、思索を深める作業は大変なので、ついつい「新しいニュース」を求める方向に行ってしまうのです。

で、「アメリカの分断」とか、「独裁政治の良さ」とか、あるいは「動物界の倫理」とか、あるいは「運が遺伝する話」とか、「名誉欲の分析の話」とか、とか、色々深堀したいテーマはあるのですが、それはもうついつい向こうへ追いやられて、今日もまた目に付いた「ご紹介記事」に行くのです。

今日は2本、及川幸久氏のエックスでの動画と、吉崎達彦氏のブログから。
どちらも「ウクライナ関係」の話題なのですが、そこで語られているのが、「表のロジック」と「裏のロジック」です。あるいは言葉を替えて言えば「建て前」と「本音」というべきでしょうか。

まずは、こちらなのですが。



◆及川幸久エックス(旧Twitter)◆

2024.1.9【上川外相のウクライナ訪問】ウクライナ戦争で本当に利益を得ているのは誰ですか?
この動画は上川外務大臣に贈ります。
- 突然ウクライナに訪問に58億円拠出すると発表。日本国内では上川外相に非難集中。
- 同じタイミングで、ロバート・ケネディJr.がウクライナ戦争の真相を暴く動画をアップ。
- これまでの米国からウクライナへの莫大な支援金は、実は、世界一の投資会社ブラックロックの儲けになっている。
詳しくは動画で。
(動画:14分57秒)


◆溜池通信◆
Diary 「ウクライナ分割?」New!!

<1月10日>(水)
〇今週発表されたユーラシアグループの「Top 10 Risks」では、第3位に認定された「ウクライナ分割」(Partitioned Ukraine)が、もっとも重く感じられました。1位の「米国の敵は米国」とか、2位の「瀬戸際に立つ中東」は、それほど意外性がないですからね。

〇あらためて、この部分の日本語版冒頭部分をご紹介しておきましょう。

❝ウクライナは今年、事実上分割される。ウクライナと西側諸国にとっては受け入れがたい結果だが、現実となるだろう。少なくとも、ロシアは現在占領しているクリミア半島、ドネツク、ルガンスク、ザポロジエ、ヘルソンの各州(ウクライナ領土の約 18%)の支配権を維持し、支配領域が変わらないまま防衛戦になっていくだろう。しかし、ロシアは現在、戦場での主導権を握っており、物的にも優位に立っている。今年さらに土地を獲得するかもしれない。2024 年は戦争の転換点となる。ウクライナが人員の問題を解決し、兵器生産を増やし、現実的な軍事戦略を早急に立てなければ、早ければ来年にも戦争に「敗北」する可能性がある❞

〇まことにイヤ~な感じがしますが、欧米の指導者層の間では、既にこういう気分が支配的になっているのでありましょう。だってアメリカの次期大統領はトランプかもしれないんだし。最悪、ゼレンスキー大統領が放り出される、なんてこともあるかもしれません。

〇他方では、クリミアやドネツクのようにロシア人の多い地方を切り離してしまえば、安心してウクライナをEUやNATOに入れることができるようになる、てな現実論もあるのかもしれません。今年のNATO首脳会議は7月にワシントンで行われる予定ですが、果たしてその頃はどんな風になっているのやら。

〇それでもウクライナ戦争が停戦になるとしたら、それはけっしてネガティブに受け止めるべきではないと思います。「ここで和平を持ち出すようでは、21世紀版の『ミュンヘン協定』になってしまう!」という批判が出ることは容易に想像がつく。つまりプーチン大統領に「ご褒美」を与えるべきではない、という理屈です。

〇しかし20世紀に上り調子であったナチス・ドイツと、21世紀にどう見ても下り坂の「プーチンのロシア」を、同列に論じるのはやや無理があるのではないか。こんなことを言っている間にも、来週から共和党の予備選挙は始まってしまうし、そこではかなり「内向き」で「アメリカファースト」な議論が展開される可能性が大である。

〇ユーラシアグループは、「ウクライナが分割されれば、国際舞台における米国の信頼も損なわれる」と懸念しているけれども、それはもうとっくに信頼は地に落ちていると考えるべきではないのか。だって、現時点ではどう見てもトランプさんの方が優勢なんだもん。

〇それにしても今週のThe Economist誌の表紙には驚いたな。1942年生まれのビンテージカー(バイデンはこの年に生まれた)は、2024年になってもちゃんと走れるのか、というのである。「世界で最も難しい仕事を、向こう4年間も80代にやらせるべきではない」などと、強烈なことを書いている。まあ、いちいち賛同してしまうのですけれども。<了>

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いやいや、色々な場面で「表と裏」、「建て前と本音」が交錯して、どうしても私たち庶民には大手メディアから流される「公式ニュース」だけしか情報として手に入りづらいですので、各国政府が公式に表明している「表のロジック」だけを「事実だ」として受け入れがちなのですが、実は、各国政府は表に出せない「裏のロジック」を有している訳でありまして、それが「本音」なのです。

そういう「裏のロジック」の真実性をどれだけ重要視するかによって、その人の「世界を見る眼」がどういうスタンスであるのかを知ることができるのです。

そして、世に「陰謀論者」と言われる人たちは、その表と裏のうち、裏の方を極端に重視して考える傾向にあるのです。
及川氏のエックスの下の方にも出てくる著名な外交評論家である馬渕睦夫氏などもそういう傾向の人でしょうか。氏は「ディープステートの存在」を強調して来ているのですが、及川氏や松田学氏などもそういう傾向の強い人たちでしょう。

翻って、2020年のアメリカ大統領選挙で「大規模不正はなかった!」と主張している上念司氏やKAZUYA氏、あるいは奥山真司氏などは、そういう「裏」を強調することを嫌って、できるだけ「表」を重視して世界の動きを見て行こうとする人たちでしょうか。
というより、「それは陰謀論だ!」として、裏の存在をできるだけ軽視しようとする人たちが、日本では主流派であることは間違いないことでしょう。

もちろん、トランプ氏サイドが乗っかっていた「Qアノン」のような露骨にヒドイ陰謀論に嵌ってしまうのは如何なものか、なのですが、しかし、世界の裏側に潜んでいる一定のパワーをもった「表に出てこない勢力」、あるいは公式の政府発表の裏側に潜む「本音のロジック」を、それを「みんな陰謀論だろ!」として排除しようとする態度も如何なものかと、そう思えているのです。

世界が、「表のロジック(建て前、キレイごと公式発表)」と「裏のロジック(本音、利己的動機)の両方から成り立っていることは、それはもう疑いようのない事実なのです。
ただ、その事実のうち、「表」と「裏」のどちらを重視するか、どちらをより比重として重く見るかによって、「大手マスコミ発表の建て前論こそ全て派」と、「世に現れない本音、利己的動機こそ全て派」と、にどうしても傾向として別れがちになるのです。

 

(私などは例えば大企業で社長が後継社長を指名するときなど、「表のロジック」で色々正当性を主張することに対して、「いやいや本音はAさんは嫌いでBさんが好きだからBさんを指名しただけなんじゃないですか?」という風に、その社長の「言えない本音」の方にこそ真実はある、と見ているクチですので、やはり「表」より「裏」の動機やロジックの方を重視する傾向にはあるのです)

今、及川氏などは典型的にその「裏の意図」の方を重視して、こう主張するのです、「アメリカ政治はディープステートに支配されている」、「世界はグローバリストによっていいように搾取されている」、「コロナ禍でのワクチン騒動なども全てグローバリストによっていいように搾取された事案である」、よって「我々はグローバリストの公式見解(偽善的世界平和を主唱している)を見破って、その悪意ある「利己的動機」を打ち破って行かなければならない!」と。そしてひいては「よって、アメリカ大統領選ではトランプ氏に勝ってもらわなければならない!」とも。

はてさて、私はそういう及川氏の基本スタンスを支持するものではないのですが、でも、及川氏が「裏の実態」についてジャーナリスト的なスタンスでこうして報じてくれていることにつきましては「グッジョブです!」として応援したいのです。

それにしても岸田政権、全てを分かってこうして上川大臣にウクライナ支援の約束に「ゴーサイン」を出しているのかどうなのか、不明です。


そして現実、世界はもう「ウクライナ支援にウンザリしている」ということが実際であろうと。

「プーチンに勝たせてはならない!」「プーチンに手土産を渡すことなど絶対ダメだ!」という、西側諸国の当初の「公式大スローガン」は、日本でも「反ロシア、親ウクライナ」という公式見解として多くの識者がそれを支持してきた訳ですが、私などはそういう「各国政府と大手メディアの公式見解」を、建て前論に終始した浅い議論だよなとして訝しんでいたのですが、だんだんそういう「公式大スローガン」が現実化しないことが明らかになりつつある、ということなのです。

そしておそらく、トランプ氏が大統領に返り咲くことで、その「世界が求める正義の大スローガン」もついには「あ~あ・・・」としてしょぼくれて反故にされて、結局ゼレンスキー氏は「我が事ならず・・・」として寂しく退場して行くしかないことになるだろうなと思っているのです。


いやいやいや、そんな感想をもった次第なのです。

ご紹介まで。

ではでは。