なぬ?、「感情労働」なる言葉があるとな?! | KOBONBLOG

なぬ?、「感情労働」なる言葉があるとな?!

おはようございます。

ちょっとご紹介したい記事を。



 

近年、感情をコントロールすることが求められる業務である「感情労働」が注目されています。「肉体労働」や「頭脳労働」とは異なる、第三の労働カテゴリとして認識されつつあります。感情労働はメンタルヘルスの問題が発生しやすい業務であり、企業は従業員のメンタルヘルスケアに対する取り組みが求められています。

■第三の労働カテゴリ、感情労働とは何か
「楽しさ」や「うれしさ」といった感情を表に出すことを求められる、あるいは「怒り」や「悲しさ」といった感情を抑制する必要があるなど、適切または不適切な感情が定められている業務を「感情労働(emotional labor)」と呼ぶ。身体を使って報酬を得る肉体労働、頭脳を使って報酬を得る頭脳労働に対して、感情労働の従事者は感情を抑えることで報酬を得る。感情労働は特に顧客とのコミュニケーションにおいて大きな役割を担うものであるが、精神と感情の協調が求められるため、精神的な負担や重圧は極めて大きい。

この感情労働という言葉を提唱したのは、米国の社会学者であるアーリー・ラッセル・ホックシールド氏である。同氏は感情労働を必要とする職業の特徴として、「顧客との対人的接触があり、労働者が顧客などに感情変化を引き起こし、そして労働者の感情管理活動を雇用主が監視すること」を挙げている。

感情労働に分類される業務として挙げられるのが、苦情処理だ。購入した商品やサービスに何らかの問題が発生した場合、顧客によっては提供もとに対してクレームを伝え、交換や返金を求める。この際、クレーム対応を担う従業員の対応が不適切であればさらなるクレームに発展し、大きな問題となりかねない。そのため苦情処理を担当する従業員は、顧客からクレームを受けた際には相手に誠意が伝わるように丁寧な言葉遣いで会話し、相手の話をしっかり傾聴し、場合によっては謝罪の言葉を述べるなど、自身の感情をコントロールする必要があり、まさに感情労働であると言える。クレーマーに対するクレーム対応などは、さらなる感情抑制が求められるだろう。

旅客機の客室乗務員も感情労働の典型例として挙げられることが多い。旅客機を利用する顧客に対してさまざまなサービスを提供する際、利用者に好印象を与えるために笑顔をキープすることが求められるうえ、利用者からのクレームがあれば自身の感情を抑圧して適切に対応する必要がある。

このように、感情のコントロールが求められる感情労働に属する職種は決して少なくない。看護師やケアワーカー、飲食業や宿泊業のスタッフ、小売業の店員、金融機関の窓口、あるいは、窓口担当職であるコンタクトセンターのオペレーターなども感情労働の従事者と言えるだろう。

■感情労働と燃え尽き症候群
この感情労働で生じるストレスは大きく、メンタルヘルスの不調が生じたり、場合によっては「燃え尽き症候群」や「バーンアウト」と呼ばれる状態に陥ったりすることもある。

燃え尽き症候群とは、仕事に対するやる気やモチベーションを突然失ってしまう状態を指す。顧客とのコミュニケーションなどにおいて誠実に対応し続けるには、相応のエネルギーを費やすことになる。たとえば強い怒りの感情を持つ顧客に対し、相手の話を聞きつつ謝罪の言葉を述べ、相手を落ち着かせなければならないといった場面を想像すれば、こうしたコミュニケーションに多くのエネルギーを消費することが理解できるだろう。

ときには、相手の怒りに対して反射的に反応しそうになっても、アンガーマネジメントを行って自分を律することが求められる。こうした情緒的なエネルギーが消耗した状態を情緒的消耗感と呼び、強く疲労を感じることになる。特に感情を制御することを求められる感情労働では、この情緒的消耗感は大きな問題となる。

相手に対しての対応が冷淡になる、脱人格化と呼ばれる行動傾向が現れるケースもある。これは情緒的なエネルギーの消耗を防ぐために、相手に対して思いやりのない事務的な対応をしたり、コミュニケーションを拒絶(無視)したりする、といったものである。相手の立場を理解し、思いやりを持ってコミュニケーションするといった対応は、情緒的エネルギーの消耗が大きい。そこでエネルギーを守るための防衛反応として、対応が事務的になったり冷淡になったりするわけだ。この脱人格化の症状が現れれば、感情労働を継続することは難しくなるだろう。

こうした状態に陥ることで個人的達成感が低下し、それが離職につながることも十分に考えられる。感情労働において情緒的消耗感が強く表れたり、脱人格化が生じたりすれば、必然的に業務の質が低下してしまうことになる。それによって達成感が低下し、自分自身の否定や離職につながってしまう。

感情労働における燃え尽き症候群やバーンアウトは、特に看護職や介護職といった職種で問題視されている。また、過剰サービス労働が多いといわれるコンタクトセンターやコールセンター、カスタマーセンターのオペレーター職などの感情労働においても、燃え尽き症候群が起きることは十分に考えられる。

仕事とプライベートをしっかり切りわける、何かあったときに誰かに相談するなど、感情労働では個人としてのストレス解消を図る対策が重要なことはもちろんだが、企業としても従業員のメンタルヘルスの不調を未然に防止するための取り組みを進めていくべきだろう。たとえば気軽に相談できるカウンセラーを配置するなど、従業員が心身ともに健康でいられるような労働環境の改善が求められている。<了>



(なるほど~・・・・)

 

(ちなみにお通じは未だ・・・)