JR山陽本線の西端に位置する下関総合車両所運用検修センター。かつてブルートレインが走っていた時代には、けん引する直流電気機関車の西の拠点でした。現在もEF65PF形が配置されていますが、敷地内の一角に洗車を行う洗浄線があります。先日1126号機が入っていたところを見てみました。
歩道から眺めた下関総合車両所運用検修センターの洗浄線。最近はEF65 1126号機が留置されていました
洗浄線は運用検修センターの南端、九州方面に向かう山陽本線の高架付近にあります。運用を終えた機関車が入庫の際に通る折り返し線の隣で、EF65PF形が入っているのを時々見かけます。洗車でなくても、留置場所として使われているのかもしれません。
私はなかなかタイミングが合わないようですが、昔ブルトレが走っていたころは、東京から帰ってきた「あさかぜ」のEF66形が洗車されているのを見たことがあります。
運用を終えて折り返し線に入ってきたEF65 1130(左)と洗浄線で休む1128号機。右端に少し写っているのは山陽本線を走る貨物列車=2月
洗浄線の両側には、洗浄台が設置されています。その階段部分を見ると「1964-3」の数字が刻まれています。詳しくは分かりませんが、これは完成年月を示す西暦ではないかと思います。そうであれば1965(昭和40)年の下関運転所発足前、「下関機関区」時代以来の設備ということになります。
右側洗浄台の階段には「1964-3」の数字が刻まれています。その下には「長いモップは架線と接触」など、洗車時の感電への注意事項が記されているようです
二つの洗浄台は、現在それぞれに手すりが設けられていますが、過去の写真を見ると20年前頃には見られず、その後、機関車の「顔」を洗う位置や外側全体に取り付けられたようです。
現在の洗浄台は全体に手すりが設けられています
2011年12月。この頃の手すりは機関車の正面付近のみでした(写真はEF65 1133とDE10 1514)
2002年5月。はっきりとは覚えていませんが、この写真を見る限り、この頃は手すり自体がなかったようです(写真はEF65 1124)
私がこの洗浄線を訪れたのは1990年代後半以降のため、それ以前のことは詳しく知りません。そのためか現地に立つと「かつての名機EF58形やブルトレ全盛期のEF65P形もここに佇んでいたんだ…」と想像ばかりが広がってしまいます。
「関」(下関運転所)や「東」(東京機関区)などの区名札を掲げた機関車たちが行き交った旧下関運転所の洗浄線。山陽本線全盛期の一端をしのぶことができる、ある意味貴重な現役鉄道施設と言えるかもしれません。
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