直流電気機関車の西の拠点・JR西日本下関総合車両所運用検修センター(山口県下関市)。かつては下関運転所の名称で、多数のブルートレインけん引機が出入りしていました。EF65PF形のほか、ディーゼル機関車DD51形、DE10形が集う同センターの機関車線周辺を散策してみました。

 

 

ブルトレで活躍したEF65PF形。下関には10両が残っていて、並んでいる姿が見られるときもあります。写真は1130号機(左)と1131号機

 

 

 

JR下関駅西口から彦島方面に向かう県道を徒歩で約10分、路線バスでは数分で左手に下関総合車両所運用検修センターが見えてきます。機関車が行き来するのは県道からは一番奥に当たる山陽本線沿いで、眺めるのは海が迫る同センター南西端の歩道からになります。

 

 

折り返し線に入るEF65 1126。運用を終えた機関車はここを通って入庫します。後方の高架は九州に向かう山陽本線

 

 

 

同センター南西端の歩道からは金網のフェンス越しになりますが、機関車折り返し線と洗浄線を見ることができます。運用を終えた機関車はここで進行方向を変えて入庫するため、タイミングが合えばEF65PF形を間近で眺めることができます。

 

 

機関車折り返し線に入ってきたEF65 1130。隣の洗浄線は、洗車時以外は留置に使われているようで、時々PF形がパンタグラフを下ろして休んでいます

 

 

折り返し線で進行方向を変え、仕業庫に向かう1130号機。構内運転時は片パンで走っています

 

 

仕業庫に入った1130号機。その先に機留線があります。かつてはブルトレの機関車が並んで休んでいました

 

 

 

下関には現在10両のEF65PF形が配置されています。このうち1120号機は運用を離脱中。保安装置ATS-Pを搭載し山陽本線上郡(兵庫県)以東に入線できる 1124、1128、1132、1133、1135号機は、網干総合車両所宮原支所(大阪市)など関西方面に「出張」していることが多いようです。このため、普段下関では1126、1130、1131、1134号機あたりをよく見かけます。

 

 

仕業庫で休むEF65 1131(左)と1130号機。後方の機留線にいるもう1両は1134号機と思われます

 

 

 

2023年2月の下関では1130、1126号機をよく見かける印象でした。その後、近畿エリアの運用を終えた1128号機が一時戻り、1131号機が台車検査を終えて復帰。さらに岡山からは1134号機が帰ってきて、入れ替わりで1126号機が向かったようでした。先日は1133号機の姿もありました。

 

 

 

下関総合車両所運用検修センターにはディーゼル機も配置されていて、最近は山口線の「DLやまぐち号」で活躍するDD 51 1043、DE10 1514、DE10 1531の姿を見かけます。EF65PF形とディーゼル機が一緒に並んでいると、なんだか国鉄時代に戻ったかのような懐かしい光景です。

 

 

PF形に混ざってディーゼル機の姿も見られます。写真左のDD51 1043は近年、山口線の観光列車「DLやまぐち号」としても活躍しています

 

 

DE10 1514は長く小郡(新山口)駅で入換などの地味な役回りでしたが、最近はDLやまぐち号の「主役」になるなど存在感が高まっています

 

 

DE10 1531の姿も。左は宮原から帰ってきたEF65 1133

 

 

 

令和に残る国鉄の情景…下関総合車両所運用検修センターの機関車線はまさにそのような雰囲気です。1980年代のスターEF65PF形をのんびり眺められる場所。周辺を歩けば、特にブルトレに親しんだ方には楽しい鉄道散策になることでしょう。

 

 

令和に生きる昭和のブルトレ機。童心に返って眺めてしまいます…

 

 

 

 

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