「佐賀・長崎の荷物を東京へ。春は玉葱の香りが漂います!」「走行距離2134.4キロ、運転時間42時間55分の日本最長列車!」「北海道でとれた新鮮野菜を運んでいます」

 

 こんな興味深い一文が並んだのはJR貨物九州支社が作成した「二つ隣の門司駅で貨物列車をいっぱい見よう!」と題した貨物列車の時刻表。JR門司港駅に隣接する九州鉄道記念館(北九州市門司区)で2022年11月5〜6日に開かれた「鉄道ファミリーフェスタ」で掲示されました。

 

(※本稿で取り上げている貨物列車時刻表の最新版は 「門司駅通過の貨物列車時刻表!」としてJR門司駅に掲示されています。末尾の「追記」をご覧ください)

 

 

 

「鉄道ファミリーフェスタ」で掲示された時刻表「二つ隣の門司駅で貨物列車をいっぱい見よう!」。同駅を通過する貨物列車と幡生操車場ー北九州貨物ターミナル間の機関車回送列車計66本が記されています

 

 

 

「桃太郎」(EF210形)「金太郎」(EH500形)など、けん引する機関車に愛称が付けられている貨物列車ですが、列車自体は「1051」「5055」など、それぞれの列車番号で呼ばれます。

 

鉄道趣味においても、貨物列車の奥深い世界を楽しもうとするといろんな情報のチェックが必要で、よく知らない人には親しみにくさを感じます。

 

ところが、今回のフェスタで掲示された貨物列車の時刻表には、門司駅の通過時間、列車番号、発着駅がまとめられているほか、冒頭で紹介したような、列車ごとの特徴が記されていて、その楽しさ、分かりやすさに感心しました。

 

 普段なにげなく眺めているコンテナも、どこから来た・どこへ行く・何を運んでいる、などを知ると一層親しめて、これまで貨物列車をとっつきにくいと感じていた人たちも興味が出るように思います。

 

 

関門トンネルを抜けて門司駅を通過するEH500-50けん引の5053レ。掲示された貨物時刻表には「この列車はすべてコキ106形式です」と記されていました

 

 

 

ステンレス車体で人気の「銀釜」EF81 303とニューフェイスEF510-301の二つの電気機関車の展示が注目された今回の鉄道ファミリーフェスタですが、「親子で貨物列車に親しんで」という心が込められたJR貨物の手作り貨物時刻表も、このイベントにふさわしい掲示物として印象に残りました。

 

 

 

最新版はJR門司駅に掲示(追記)

 

本稿で取り上げた時刻表の最新版は、JR九州の協力により門司駅改札内通路の5、6番乗り場に下りる階段付近に掲示されています。

 

 

JR門司駅に掲示された貨物列車時刻表=2024年2月

 

 

 

最新版は「門司駅通過の貨物列車時刻表!」のタイトルとなり、貨物列車70本(EH500形電気機関車の単機回送含む)の通過時刻、発着駅などを紹介。各列車の特徴については一層ユニークな記述となり、思わずクスッとなります。

 

「毎日新聞」1月27日付夕刊によると、24年版の作成は未定のようですが、貨物列車や物流現場への理解を広げる一助になる魅力的な掲示物です。経費や労力などの制約があるかもしれませんが、今後も続いてほしいものです。

 

 

 

 

※姉妹ブログでは、国鉄末期~JR初期の鉄道を振り返っています