JR貨物の新鶴見機関区にはこれまで多くのEF65形1000番台(PF形)が配置されましたが、その中心は現在も一部が2000番台として在籍する、1056号機以降のいわゆる後期型です。これらはパンタグラフが下枠交差形のPS22Bになっているのが特徴ですが、かつて在籍した1072号機は一時期、前期型や中期型と同じPS17に換装して運用に入っていました。

 

 

1992年に山陽本線の貨物列車を引くEF65 1072。この頃は常用ブレーキの減圧促進改造を受けて赤色のナンバープレートになっていましたが、PS17パンタグラフ・スノープラウ付き・正面窓下の通風口なしと、中期型の1050号機以降に似た印象でした

 

 

【参考】同時期に撮影した、本来の下枠交差形パンタグラフPS22を装備した新鶴見のEF65PF形。PS17との違いがよく分かります

 

 

旅客会社のEF65PF形でも下関運転所の1125号機が同じようにPS17になっていた時期がありましたが、1072号機がなぜ換装されたのかはよく分かりませんが、これら機関車を眺めてみてEF65PF後期型の象徴が下枠交差形パンタグラフであることを改めて実感しました。

 

 

首都圏でよく見かける新鶴見のEF65PF形は多くの人におなじみの存在で、2000番台に改番された現在も徐々に両数を減らしながらも活躍を続けています。1072号機は改番されることなく2013~14年頃に引退しましたが、PS17に換装した特異な姿は、EF65 1000番台全盛期のバリエーションとしてファンに記憶されることでしょう。