北九州から福岡方面に向かうJR鹿児島本線。郊外に抜けるまでは住宅街や工業地帯の中を走っている印象ですが、西小倉ー九州工大前間には河川や漁港などがあり、のんびりした風情がちょっと味わえます。

 

 

列車は西小倉駅を出てしばらくすると板櫃川(いたびつがわ)を渡ります。この名前はどこかで聞き覚えがありましたが、日本史に登場する藤原広嗣の乱(奈良時代)があった場所でした(実際の戦場はもう少し上流のようですが)。

 

 

板櫃川を渡る813系。線路と川面が近いのが印象的です

 

 

415系1500番台も来ました。2本併結の8両編成でした(長い編成は他の場所で撮りたかったです…)

 

 

 

付近の線路沿いを歩くと、歴史を感じさせる「処刑場跡」「首切地蔵」などがありました。江戸時代に小倉藩で死罪となった人が板櫃川を渡って処刑に向かい、現在架かる「極楽橋」は昔「地獄橋」の名前だったそうです。わずか200年近く前…今の穏やかな風情からは想像がつきません。

 

 

板櫃川付近には平松漁港があります。一瞬、外国のヨットハーバーを思わせる雰囲気ですが、よく見ると係留されているのは漁船です。以前は響灘に面していたようですが、埋め立てが進んだ今は工業地帯に囲まれた、まちなかの漁港になっています。関門海峡でたこつぼ漁を行っていて、時期によっては日曜日に朝市があるようです。

 

 

平松漁港を行く885系特急「ソニック」。ステンレス車体の電車は景色に埋没してしまいますが、真っ白な車体は水辺の雰囲気にマッチします

 

 

 

北九州は頻繁に訪れるまちですが行く場所は決まっているので、普段と違うエリアを散策した今回は新鮮でした。鉄道撮影に行くとき、特に交通が不便なところではクルマ移動ばかりになってしまいますが、沿線をのんびりカメラ散策するのも、いろいろ発見があって楽しいものです。皆さんも1駅ウオーキングいかがですか?