国鉄時代に高速貨物列車用として登場したEF66形電気機関車0番台最後の1両で、このほど定期運用を退いたEF66 27。車体色や正面の装飾などがオリジナルに近い状態を維持していたことから、晩年はファンから絶大な支持を集めた機関車でした。

 

 

27号機は1973(昭和48)年に製造された改良グループの1両で、下関運転所に新製配置されました。EF66は1985年3月から九州ブルートレインのけん引も担当しましたが、27号機はその1年前に吹田機関区に転属。そのままJR貨物に継承されました。

 

 

幡生駅付近を通過するEF6627の貨物列車。私が同機を撮影した最後の一枚=2018年

 

 

 

EF66形は幡生操車場(山口県下関市)まで来る運用があり、私も時々27号機を撮影していましたが、4年前の2018年6月末が最後となりました。10日後に発生した西日本豪雨で山陽本線が不通となり、復旧後下関ではEF66形をほとんど見なくなり、幡生までの定期運用もなくなりました。その後は首都圏や関西地区を走る姿をブロ友さんの写真などで拝見し、ひそかに応援したものでした。

 

 

後輩のEF210に囲まれた幡生操車場での27号機=2017年

 

 

 

27号機の活躍シーンでは、黄緑色のコンテナが連なる福山通運の専用列車との組み合わせが、国鉄時代の色合いに似ていて好きでしたが、幡生操車場で後輩のEF210形に囲まれながら黙々と働いているような姿も印象的でした。

 

 

昭和40年代から令和の世まで、関係者の尽力もあって完走した27号機の活躍と晩年の注目ぶりは、長いEF66形の歴史とともに語り継がれていくことでしょう。

 

 

幡生操車場で夕日を浴びて30号機(左)と佇む27号機=2017年