2006年3月まで走った寝台特急「出雲」。首都圏と山陰地区を直通する列車でしたが、深夜の京都駅にも停車。山陽・九州方面からも利用することができ、早朝に上京したいときなどに重宝しました。
京都駅、深夜の発車案内。583系やブルトレが発着する、鉄道ファンとしては「ゴールデンタイム」でした=2005年
DD51形ディーゼル機関車にけん引されて山陰本線を走ってきた上り「出雲」が到着
夜汽車の雰囲気を醸し出す青い車体。深夜のホームがよく似合います
ホーム山科方ではDD51形が切り離され、車掌さんは東海道区間をけん引するEF65PF形電気機関車の登場を待ちます
やがて甲高いホイッスルとともにEF65PF形が入線。手際よく連結されます
深夜のB寝台車に乗り込むと、寝ているほかの乗客の迷惑にならないよう音をたてずササッと就寝準備します。それでも「出雲」最晩年のころは乗客もまばらで、一区画貸し切りになることが多かった印象です
翌朝、一番前のオハネフ25形のデッキでEF65PF形の力走を間近で眺めます。下り列車では味わえない至福のひとときです
車窓の最後を飾るのは旧東京機関区。2000年代前半はかろうじて当時の面影が残っていました
午前7時前に東京駅着。乗車するときはゆっくり見られなかった「顔」とようやく対面。最晩年の「出雲」は品川まで、EF65PF形のプッシュプル(先頭のPFは「銀河」けん引機)で回送されました
京都からの上り「出雲」。当初は純粋に、深夜の移動手段として山陽新幹線の新大阪ゆき最終「ひかり」と在来線を組み合わせて「出雲4号」(当時)を利用していましたが、いつしか、昭和50年代のブルトレの雰囲気を残すこの列車に乗ることが目的になりました。
京都から東京までわずか6時間余り。睡眠不足も楽しい「旅」でした。
※姉妹ブログ「歴鉄2番線」では晩年の下り「出雲」の乗車記を掲載しています