2026年5月17日の運行終了が発表されたJR山陽新幹線の「ハローキティ新幹線」。サンリオのキャラクター「ハローキティ」と500系による、西日本9県の活性化を目指した人気者同士のコラボレーションは今も注目されています。沿線に笑顔を運んできたその魅力を見てみました。
新下関駅に入線する500系ハローキティ新幹線。登場から7年以上が過ぎた「ピンク色の新幹線」は沿線風景にすっかり溶け込んでいます
◾️地域をつなぐ役割担う
ハローキティ新幹線は500系V2編成を改造して18年6月30日に運行を開始。「ハローキティが地域をつなぐお手伝い」の設定で、西日本9県の観光情報などを発信しています。「地域をつなぐ・結ぶ」リボンをモチーフにしたピンク色の外観は、当初は何となく違和感を覚えたものですが、今ではすっかりなじんでいます。
現在の充当列車は博多—新大阪間を走る「こだま842号」(博多7時04分発、新大阪11時25分着)と「こだま849号」(新大阪11時37分、博多15時51分着)で(検査などの都合でハローキティ新幹線以外の編成の日もあり)、当初からだいたいこの時間帯で運行されています。
乗降ドアの窓にもさりげない演出が見られます
◾️「かわいい」があふれる車内
乗客には観光客や訪日客も多く、根強いハローキティ人気がうかがえます。筆者は昨年、こだま842号の新下関—広島間に乗車。平日の朝だったため「のぞみ」に乗り換えるビジネス客ばかりかと思っていましたが、そんなことはありませんでした。
ハローキティ新幹線は、1号車に各地域の魅力を紹介し特産品やグッズなどを販売する「HELLO!PLAZA」を設置。2号車(自由席)をハローキティの世界観を表現した専用インテリアの「KAWAII!ROOM」にしていて、フォトスポットも用意されています。
1、2号車では記念写真を撮っている人や、お菓子や縫いぐるみなどのグッズを買い求める人を多く見かけます。
1号車「HELLO!PLAZA」にある休憩コーナー。新幹線で窓の方を向いて座るというのは新鮮で、ぜいたくな空間のように感じます
◾️サンリオの理念やビジョンも
8両編成のハローキティ新幹線は、注目される1、2号車以外もデッキの壁面などにハローキティと仲間たちのイラストがあり、それらを探す楽しさが味わえます。また、車内放送のチャイムもオリジナルメロディーになっています。
こうした仕掛けを目にすると、サンリオの企業理念「みんななかよく」につながる、多くの人を笑顔にして幸せの輪を広げるというビジョンが反映されているように思います。
地域活性化の観点で言えば、JR九州の特急「ソニック」も沿線(大分県日出町)にサンリオのテーマパーク「ハーモニーランド」があり、ハローキティ新幹線のようなコラボは相性が良さそうです(車両の運用面を考えると実現は難しそうですが)。同施設は今後リゾートに生まれ変わるそうで、ちょっと期待したくなります。
2号車「KAWAII!ROOM」の通路。自由席のため利用しやすく、窓のロールカーテンにもイラストが描かれるなど、新幹線とは思えない内装です
◾️フィナーレのイベント続々
すっかり見慣れたハローキティ新幹線ですが、今年5月17日での運行終了が発表され、いよいよ最終章に入りました。フィナーレキャンペーンとして、2月20日と22日にはハローキティが乗車して写真撮影や車内アナウンスをするイベントが開かれるほか、3月7日にはスペシャルツアーの列車も走ります。
各駅では今も記念写真を撮る人を多く見かけるハローキティ新幹線。500系の特別編成という視点で見ても、過去の「プラレールカー」や「500 TYPE EVA」(エヴァンゲリオン新幹線)より長い活躍期間となっています。
乗客や沿線に笑顔と幸せの輪を広げてきたピンク色の新幹線。「かわいい」ハローキティと「かっこいい」500系の掛け算は、きっと語り継がれることでしょう。
運行終了まで残り3カ月。地域をつなぐ役割を十分果たして、いよいよ「終着駅」を迎えます。500系自体の引退が近づいているので仕方ありませんが親しまれていた分、少し寂しい思いです
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