母親は優しい人だった

でも弱い人だった

きっと離婚した事で兄に負い目があったのだろう

自分ではどうする事も出来なかったのだろう

それでも

母として

人として

兄を叱り

私を何処かに匿って欲しかった

弱い人間は餌食になる

家の中で私が生贄になった

それが「家族」を保つ唯一の方法だったのだ。

母を責める気持ちも

恨む気持ちもないわけじゃない

でも今は「好き」と思い込む事で

母への気持ちを押し込めている

それが自分にとっていい事なのか分からない

きっと母が死ぬまで

私はこの気持ちを隠して母と会うのだろう


「お母さん、本当はあなたが憎くてたまらない」

と…