兄が殊更熱心だったのは
私を泣かすこと
絶望させること
苦しめることだったと思う
忘れられないのは
短大生の時
大切にしていた猫を殺されそうになった時だった
まだ仔猫だったのを私が拾い
唯一大切に思える家族だった
ある日、学校から帰宅すると
猫の凄まじい悲鳴が聞こえた
そして次の瞬間、ドアや壁に体当たりしながら
濡れた猫が風呂場から飛び出してきたのだ
そして、風呂場には兄がいた
私は泣きながら猫を抱え部屋に閉じこもった
震えが止まらなかった
そんな私を帰宅した母が見つけ
こう告げられた
「兄はこの子を洗ってあげようとしたのだ、許してあげてほしい」
幼い頃から散々に私を殴り
罵り
私の大切なものをの壊してきた兄の言い訳を
母は疑うことなく私に言い聞かせようとした
私がいくら母に猫の事を訴えても
いくら私がされてきた事を伝えても
母は兄の味方だった
私がおかしいのか?
私が兄を疑っただけなのか?
当然兄の口から言い訳も謝罪もなく
猫の件はうやむやのまま終わった