先日、私が所属している大学で、大学院の修了式と学部の卒業式がありました。

 

卒業生のほとんどが着物に袴で式に参列し、

キャンパス全体がまるで花束のように、色鮮やかでした。

 

卒業生の多くが入学した2021年度は、コロナ禍の影響がつづき、授業がズームによる完全オンラインから、少しずつ教室とオンラインとのハイブリッドで行われたりしている時期でした。

こうしたツールにうとい私なので、当時は大混乱でした。

新しいツールの説明を聞いても理解できずにあたふた、そのツールをうまくは使いこなせずにどたばたして、

落ち込んだり、イラついたりしていた日々を送ったのを記憶しています。

学生たちも、弱音を吐けるクラスメイトが隣にいるわけでもない中で、心細く、負担も大きかったことでしょう。

 

ときどき、あの頃を思い出すと、私たちはすごい、って思うことがあります。自分たちをほめたくなります。

いえ、たっぷりほめていいと思います。よくやったねって。

 

あのみじめになったり、ストレスだったりした体験があったことで、思えば、今は、オンラインのツールを使って学生指導やカウンセリングができるようになったり、また、忙しくて移動する時間がなくても、オフィスの中でオンラインの研修を受けられたりする自分がいます。あの試練は、「いい体験」となっていると思えている自分がいるのです。

 

この世界から試練と思える体験がなくなるわけにはいきません。残念ですが。でも、試練から学べた、試練から気づけた、そんな風に振り返ることができたとき、試練は私たちを成長させる「いい体験」へと変身していきます。特に、試練のなかにいてもひとりではないという気づきをもてたことは、試練を「いい体験」に変える確かな土台となるのです。

 

社会にでてから、試練を体験することがあったら、足をとめて、腰を下ろして、深呼吸をしてみましょう。そして、試練から何を学んだだろうか、どんなことを感じられただろうか、とふりかえってみてください。急いでわからなくても大丈夫です。どんな気持ちに気づいても否定しないでいてください。そして、何よりも、自分はひとりではないということに気づいてください。

ただ、もしも、「自分はひとりぼっちだ」ということに気づいたなら、迷わずカウンセラーを見つけてください。BONDSでもいいです。連絡をください。私たち心理士は、「ひとりぼっちではない」ことに気づきくために存在しています。試練をなくしたりすることはできない場合があります。試練を乗り越えきれないこともあります。でも、試練とともに自分らしく生きていくのに協力をするのが、私たち心理士、心理カウンセラーたちっです。

 

私たちは、試練を通して、それを「いい経験」へと変えていくプロセスに寄り添っていきたいと思っています。