学校ではいろいろなことを学びます。

 算数、国語、社会、理科・・・・・

ところで、皆さんのなかに、

学び方について学校で学んだことがある人はいますか?

 掛け算九九は唱えて覚える、新出漢字は何度も繰り返し書いて覚える、

 こんなふうに、全員、同じ学び方で学習をしてきたという人が

 多いのではないかしら?

 

 先日、大学で、本当は自分はどう学びたかったか、

 あるいは、どう学ぶほうが覚えられたかということを学生たちに聞いてみました。

 すると、掛け算九九も漢字も、

 黙って見ていたほうが覚えられたという人がいました。   

 他にも、授業の内容を聞きながらノートをとるよりも、

まず聞いていて、あとから記録するほうが、理解が出来たという人がいました。

 文字を書くのが苦手だったからとか、

 一度に聞くのと書くのを同時にするのが苦手だったからといった理由が

 あったようです。

 だけど、学校では、先生の話を聞きながら、ノートをとりなさいと言われていて

 とってもつらかったと教えてくれた学生がいました。

 

 実は、自分にあった学び方というのがあるのです。

 学び方は決して一通りではなく、

 また、正しい学び方というのが一つだけあるというものでもないのです。

 脳の機能の特性によって、書くことで理解が進む人もいれば、

 声を出すことでそれができる人、身体を動かしながら記憶をすると定着しやすい人、

 などと、さまざまで、ひとりひとり自分にあった学び方というものがあるのです。

 

 だけど、学校生活では

 とかく学び方が一つに決められてしまいます。

 そのような環境では、

 特に、学習障害を抱える子どもたちは苦労しています。

決められた学び方によって、本来は理解する力、表現する力があっても

その力をうまく発揮できなくなることがあるのです。


 学習障害のなかの読字障害を抱えている子どもは、

知的に遅れがあるわけではないですし、文字を知らないのでもないのに、

文章をすらすらと読むことが出来なかったり、

声を出して読んでると内容を理解することができなかったりします。

 

今日紹介する絵本は「わたしのそばできいていて」(パップ作 WAVE出版)です。原題は“Madeline Finn with the Library Dog”です。

日本ではほとんど聞かれませんが(ないわけではありません)、

アメリカにはライブラリードッグという読書介助犬がいます。

こうした犬たちは、子どもの読書力をのばすだけでなく、

傷ついた自己評価を高め、自信をつける上でも大切なパートナーとなります。

絵本に登場するマディは字を読むのが嫌いで、国語の時間が大嫌いな女の子。

つっかえながら読むとクラスメイトに笑われることがあります。

先生からはいつも「がんばりましょう」のシールをもらいます。

頑張っていないわけではないのですが・・・。

マディが読字障害かはわかりませんが、

こうした子どもの中には

字が揺れてみえたり、かすんでみえたり、鏡文字のように反転してみえたりすることがあります。また、行がゆがんでいたり、他の行の文字が突然目に入ってきたりして、文字を追うことにとても苦労をしています。                  

ですから、彼らが読めないのは、勉強不足や努力不足だからではありません。

彼らの親がきちんと勉強をみていないからでもないのです。

だけど、文章をすらすらと読めないということで、

自信がなくなっていきます。

 こういうのは二次障害と呼ばれるものです。

 読字障害をはじめとする脳の機能の多様性からくる生きにくさを

正しく理解し、それぞれにあった学び方や支援を提供することで、

彼らは平等に学ぶ機会を得られ、学習することの楽しさやワクワク感を体験でき、

自己評価も下げなくてすむようになれます。

マディは、忍耐強く、ただただ耳を傾けてくれる犬がいてくれることで

本をすらすらと読めない困難を克服していきます。                   

評価をせず、相手の存在をありのままに受け入れて

一緒にいてくれるという存在がいかに大切かを感じます。

  犬が読字障害を治すわけではなくても、

  マディの自分を否定する気持ちはどんどん軽減されていきます。

評価をいそがず、ただ理解してくれる存在がいることは大きな支えです。

こうした特別なニーズのある子どもたちへの理解を広げていくこと、             

そしてありのままに受け入れ、傍にいる存在となること、

適切な学び方を一緒に考えていくことも、
  BONDSのカウンセラーたちの仕事だと思っています。