やっと秋の気配を空気の中に感じるようになってきました。
樹々の葉も少しずつ、色合いを変えているのが観察できます。

BONDSには3つのカウンセリングのための部屋がありますが、

どの部屋にも窓があります。

ある部屋で書きものに夢中になっていて、目が疲れてきて、

目をあげると、窓の向こうに、

ゆっくりと揺れたり、細かく揺れたり、

豊かな葉につつまれたり、

やさしく数枚の葉を抱えていたりする梢が観えます。

 

カウンセリングにおいて「聴く」ということが重視され、その大切さが強調されます。

理解をしようとするとき、また、あいてをありのままに尊重しようとするとき

「聴く」という視線は重要です。

 

ですが、実はそれとともに大切な姿勢は「観る」なのです。

実は「観る」は、「聴く」は「聴く」の土台にもなりうる姿勢です。

 

「観る」において、忘れてはならないことがあります。

それは、「観る」をしているとき、

その私たちは「観られている」ということです。

カウンセリングにいらしたクライエントたちの表情や、

全体の様子を観察しながら、心理士は

「疲れているな」「今日はいいことでもあったかな」などと

目の前のクライエントを知ろうとしていきます。

 

また、「観る」は目の前に見えるものだけを見るのではありません。

目の前にはないものに対しても必要な姿勢です。

ここでは涙を流しながら話しているけれど、

ここ以外のばでは、涙をこらえているクライエントの様子を

目に浮かべながらお話をうかがっているいこともあります。

 

もうひとつ、「観る」において忘れてはならないのは、

自分以外を観るときに自分の中に起こることを「観る」ということです。

ご相談にいらしたクライエントを観ながら、

自分の中に湧いてくる気持ちや思い、身体の感覚を観察することも

心理士にとっても大切な姿勢なのです。
実は、自分の内側を「観る」ことを通して、相手の理解が深まることを

心理士たちは何度も体験しています。

 

観ている自分たちも、観られていることを意識しながら

相談にいらしたかたが安心して自己理解を深め、

人とのつながりに信頼をとりもどせるように

私たち心理士はいたいと思っています。