BONDSには3つのカウンセリングのための部屋がありますが、
どの部屋にも窓があります。
ある部屋で書きものに夢中になっていて、目が疲れてきて、
目をあげると、窓の向こうに、
ゆっくりと揺れたり、細かく揺れたり、
豊かな葉につつまれたり、
やさしく数枚の葉を抱えていたりする梢が観えます。
カウンセリングにおいて「聴く」ということが重視され、その大切さが強調されます。
理解をしようとするとき、また、あいてをありのままに尊重しようとするとき
「聴く」という視線は重要です。
ですが、実はそれとともに大切な姿勢は「観る」なのです。
実は「観る」は、「聴く」は「聴く」の土台にもなりうる姿勢です。
「観る」において、忘れてはならないことがあります。
それは、「観る」をしているとき、
その私たちは「観られている」ということです。
カウンセリングにいらしたクライエントたちの表情や、
全体の様子を観察しながら、心理士は
「疲れているな」「今日はいいことでもあったかな」などと
目の前のクライエントを知ろうとしていきます。
また、「観る」は目の前に見えるものだけを見るのではありません。
目の前にはないものに対しても必要な姿勢です。
ここでは涙を流しながら話しているけれど、
ここ以外のばでは、涙をこらえているクライエントの様子を
目に浮かべながらお話をうかがっているいこともあります。
もうひとつ、「観る」において忘れてはならないのは、
自分以外を観るときに自分の中に起こることを「観る」ということです。
ご相談にいらしたクライエントを観ながら、
自分の中に湧いてくる気持ちや思い、身体の感覚を観察することも
心理士にとっても大切な姿勢なのです。
実は、自分の内側を「観る」ことを通して、相手の理解が深まることを
心理士たちは何度も体験しています。
観ている自分たちも、観られていることを意識しながら
相談にいらしたかたが安心して自己理解を深め、
人とのつながりに信頼をとりもどせるように
私たち心理士はいたいと思っています。