能登半島大地震で被災した方々、
少しでも安心できる時間が取り戻せますように、
心身の健康が回復しますように、
確かな復興への道が拓かれますように、
心から祈っております。
たくさんの人が心配し、
いろいろな形でエールを送り、
行動にうつしていこうとしています。
ひとりぼっちではないことをわかっていてほしいと思います。
私は、阪神淡路大震災および東日本大震災のあとに
被災地においてとくに発達障害や、
多様なニーズをもつ子どもや家族の支援をしていました。
震災は、
特別なニーズをもっている子どもたちだけでなく
だれにとっても自己コントロール感を脅かされ、
調整不全を体験させられることになります。
自分の力でどうすることもできないという調整不全の感覚は、
想像以上に、無力感を強め、
自分を受け入れがたくさせ、
世の中を信じられなくもしてしまいます。
こんなときに必要なことは、
まず、「理解」。
自己コントロール感の喪失によって起こる動揺や混乱、無力感は
こういう体験後にあたりまえに起こるものであることを理解しましょう。
否定しなくていいのです。
否定してしまうことで、無力感だけでなく
無力感を体験する自己まで否定してしまう場合があります。
自分で自分を否定しないためにも
傷ついた自分の状態をありのままに理解してください。
傷つくこと、無力感を味わうことは悪いことではありません。
弱いからでもないのだということを理解してください。
つぎに大切なことは、「呼吸」を通して自己を認め、受け入れることです。
いつもどおりではないときこそ、
いつもどおりを大切にする必要があります。
でも、なかなかいつもどおりとはいかないと思います。
そんなときに
呼吸を通して自分を感じてください。
自分のもっている調整力も一緒に感じてみてください。
鼻から、深く、深く空気を吸います。
空気が身体のなかに入っていくのを感じてください。
そしたら、口からゆっくりと空気を吐き出してみます。
「はー」でも「ふー」でも自分がすきなほうで、
自分が選びたいほうで、やわらかく空気を出していきます。
慣れてきたら、細く長く吐き出すようにしてみるといいでしょう。
自分のなかにはいってきたり、
自分からでていったりする空気を感じながら、
息の温度を、息の音を体験してみましょう。
イヤな気持ちや、怖いイメージ、
悲しい思いや悔しい思いが湧いてでてきたら
ウンウン、ヨシヨシ、とながめたり、
軽くタッチをして
また、自分の中にはいったり、
自分の中からでていったりする息に注意を向け直していきます。
なにも否定しません。
全部そのまんまでいいのです。
震災直後は、コントロール感を取り戻して体感する機会はもてないかもしれません。
だけど、深くゆっくりとした呼吸を通して
調整不全の感覚から自分を解放してやってください。
呼吸に集中をすることで、
いつもの自分が少しずつ取り戻されていきます。
それから、
食事をする前や寝る前のルール、
ちょっとしたルーティン、
他の人には理解不能な癖・・・
そんな、いつもと違う日常のまえにあたりまえにあったものを
ちょっとずつ復活させていきましょう。
心が傷つくのは悪いことではないのです。
心が弱いからでもないということを覚えていてください。
To the survivors of the Noto Peninsula Earthquake, I am praying from the bottom of my heart for the recovery of your mind and body, for you to feel safe again, and for a secure path to recovery. Many people are worried about you and are sending love your way. I hope you understand that you are not alone.
After the Great Hanshin Earthquake and the Great East Japan Earthquake, I supported families and children with developmental disorders and other neurodivergent children.
Earthquakes cause not only children with disabilities but everyone to experience emotional dysregulation and feel a lack of control or self-regulation. These situations that are out of your control or self-regulation make you feel unimaginably helpless and difficult to accept yourself. They make you feel like you cannot trust the world.
In times like this, the thing you need most is “understanding” or “ not denying”. Understand and Not denying that the any feelings such as confusion you experience are a natural response after such a huge disaster and a tragedy. You do not have to deny how you are. By denying it, you are not only denying your emotions but also denying yourself. It is not easy to accept the way you are. You must understand that feeling hurt and feeling a lack of control or self-regulation are not bad, nor is it weak.
The next important thing is by “breathing”, you must recognize and accept your body. In times that are out of the ordinary, you must value the ordinary but I’m sure that isn’t easy. By breathing, be in tune with your body. Recognize your ability to adjust. From your nose, breathe in slowly. Feel the air enter your inner space inside a body. Then, breathe out slowly through your mouth. You can breathe out softly with your mouth fully open or pursed, whichever you prefer. Once you start getting used to it, you can try breathing out for longer. Feeling the air enter and exit your body, experience the temperature and sound of your breathing.
Imagine the negative feelings, scary images, and sad and painful thoughts leaving your body. Nod, watch, and lightly touch your breath. Now shift your focus back to the air that enters and exits your body when you inhale and exhale. Don’t deny anything. Just let it be.
After an earthquake, you may not have a lot of opportunities to regain your sense of control or self-regulation. By using your deep and slow breathing, liberate yourself from that feeling of helplessness and hopelessness. By focusing on your breathing, you will slowly begin to feel more in control.
During this difficult time, try to slowly incorporate aspects of your life from before.
Feeling hurt isn’t bad. Remember that it doesn’t mean you’re weak.