救命センターの灯りがちょっと暗くなった。
夜になったらしい。
時計も見れないし時間は分からない。
うぉーーーーーー💦
寝れない。
身体は動かない。
ベッドの頭の方が斜めになっていて
身体がずり落ちて気持ち悪く
登りたいのだが手すりを掴む力もない。
自分の身体だけど自分の意志ではどうしようもできない。
物質だ・・・・ときどき虫ぐらいにはモゾモゾできるけど・・・・。
寝たきりって想像以上だな・・・・。
暫くすると、1人の看護師さんがカーテンを静かに開けて入ってきた。
「○○さん、私のこと分かります?」
(ごめんなさい、分からない・・・・)
「覚えてないですよね。
○○さんが救急搬送されてここに来た時
一番最初の夜に私、担当させてもらったんです。
その後も何回か・・・。
ECMOを外すことが出来て本当に良かったですね・・・!!!
私、その日、非番で休みだったんですけど
同期の子からLINEで○○さんのECMO取れたよって教えてもらって
本当よかった〜っと思って、もう嬉しくて嬉しくて・・・」
彼女がそう話し始めた時、
私は脳天を打ち付けられたような衝撃を受けた。
信じられます???
救命センターみたいな過酷な不夜城で働いて
身体も精神的にもキツいでしょうに
休みの日に同期から
私のECMOが外れたよ!!とLINEが来るだと???
本当に嬉しかった、、だと???
そう話す彼女は本心からそう言っているようだった。
この時、私はまだ感情が麻痺していて
表情を作るとかそういうこと忘れている状態だったけど
ベッド脇にちょこんと腰掛けた若いその看護師さんを
信じられない気持ちで見つめた。
このあと、彼女の口から数々の衝撃の事実を聞かされることになる。
続きは次回。