救急車が到着し、2名の救急隊の方が来てくれた。

 

 

「こちらの方ですね。大丈夫ですかーーっ??」

 

 

 

「(・・大丈夫じゃないっす・・・・)」

 

 

それでも、玄関までずりずりと

 

 

お尻で床を這いながら自力で移動でき、

 

 

靴も自分で履いた。

 

 

 

「やっぱ着替えようかな。」

 

 

「何言ってんだ、バカ。」

 

 

夫がとりあえず鍵やスマホを手にして一緒に家を出た。

 

 

「乗れますか?」

 

 

「・・・・はい・・・」

 

 

搬送用のストレッチャーによじ登る。

 

 

 

「はい。では移動しますよ。」

 

 

ガラガラと、マンションの廊下を進んでいった。

 

 

夜の冷気で顔がひやっとした。

 

 

救急車の前に到着。

 

 

 

「はい、じゃあ乗りますからね、ガタッとしますよ。」

 

 

私がハッキリしてたのはそこぐらいまで。

 

 

 

そのあとは何がどうなったのか知らない。

 

 

私の意識はぶっ飛んだ。

 

 

 

「○○さんっ!!!!」

 

 

「分かりますかーーーーっ!!!!!」

 

 

 

救急隊員の方の大きな声で少し反応した。

 

 

ん・・・?

 

 

口の周りが何だか濡れてるぞ・・。

 

 

 

走り出した途端、

 

 

私は緑色のゲロを吐き痙攣し始めたらしい。

 

 

頭の上で、救急隊員の方たち、

 

 

同乗していた夫が騒然となっていくのを

 

 

遠のく意識の中で感じた。

 

 

「緑、吐瀉物、心電図、、、、」

 

 

救急隊の人がどこかに実況中継している。

 

 

この頃には私は時々失神を繰り返していて

 

 

もはや正体はない。

 

 

 

「もうすぐ着きます。○○大学○○病院です。」

 

 

 

朦朧として目を開けると

 

 

走る車の窓から街路樹が見えた。

 

 

どこだろう・・・見たことない景色・・・

 

 

 

ピーポーパーポーーーーのけたたましい音がワンワン鳴っている。

 

 

 

「大丈夫だ!!頑張れ!!!!」

 

 

もはや夫の口調も叫び声に近い。

 

 

あとから聞いた話だが、、

 

 

この時すでに私は死にかけていた。。

 

 

 

 

続きは次回。