今日の東京都心は３０度に迫る気温
で、
蒸し暑さも加わり、まさに半袖日和です
お参り後は法話を聞きましょう
今日の御講師は、広島県三原市德正寺の德正俊平師です。
※青字が德平師の言葉の要約です。
＜私の目、仏の目＞
お釈迦様は、よくブッダと言いますよね。
ブッダとは、「覚者」と言い、「目覚めた者」と言います。
「目覚めた者」と言うのは、目が覚めた者ということですが、
私たち、今は目が覚めていますよね。
でも、
覚りも開かない私たちはブッダじゃありません。
目が開いているだけじゃ、ダメなんですよ。
私たちは、目が覚めていないんです。
目が覚めていませんから、
美しいものを美しいと見えない悲しさがあります。
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今回は広島から東京へは飛行機で移動してきましたが、
普段は車であちこちに法話で出かけます。
出かける前は車の洗車をしますが、
一番安くて３００円くらいですが、何とかワックスとか、
色々なオプションをつけると一回につき２０００円ほどします。
さて、
洗車をして、色々なお寺に行くわけですが、
夏場とかは、目的に着いたり、家に帰ってくると、
車の前方に虫がたくさんついているんです。
つまり、
多くの虫が車に当って、死んでいる風景です。
そんな時は、「２０００円かけて洗車したのに全く・・・」という気分です。
それから、ある時のことです。
運転中に、野犬が突然飛び出してきたことがあったんです。
急ブレーキをしても間に合わず、野犬をひいてしまいました。
車の前方には、犬の頭が当たったあとが付いています。
私は役場に電話をして、犬をひいたことや犬をひいた場所を伝えました。
「わかりました。あとは片づけておきます」
との役場の方の返事がありましたが、
私は
「犬をひいた」
「犬をひいた」
その日一日、ずっと頭に残ってしまいました。
虫はOK
犬はダメ
これが、”私の目”に映った風景です。
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以前、
私の知っている男性から連絡がありました。
「孫が結婚をすることになって、
お祝いの引き出物で四合瓶の高級日本酒を頂いたんです。
半分分けてあげますから、取りに来て下さい」
そんな連絡でしたので、私はすぐに取りに伺いました。
見せて頂いたのは、
桐の箱に入っている四合瓶で値段は１５０００円とのこと。
いかにも高級そうで、まず、ビンが違います。
安いお酒のツルツル瓶ではありません。
また、ラベルも和紙で、文字もキリっとしています。
いや～、凄いですね。
一升瓶なら、その倍以上の、３００００円以上もするんです。
さて、その男性、
「さあ、今から半分、分けてあげるね」
そう言いながら出してきたのは、５００ミリの空のペットボトルです。
「大丈夫。ちゃんと洗ってあるから」
そう言うと、こぼれないように慎重に瓶からペットボトルに移し替えました。
「はぁ～、これで７５００円か～」
私はその時だけは、さすがに感心していました。
さあ、
そのあとです。
そのペットボトルを持って帰ってきたのですが、
透明のペットボトルに入っている７５００円分のその日本酒。
確かに高級なんでしょう。
少し濁った黄色の色合いだけは、他の日本酒とは違います。
でもですね、
なんだか、ペットボトルのこの高級酒。
だんだん、美味しくなさそうに見えてきたんです。
これが、男性の手元にある瓶で飲むなら、さぞ美味しいでしょう。
でも、透明のペットボトルの中のこのお酒・・・。
う～ん・・・。
まあ、
結局は私たちは「ラベル」で飲んでいる、ってことなのかもしれません。
よく、酔ったおじさん達が、分けもわからず、美味しくお酒を飲むときは、
わけわからずに雰囲気で飲んでいるって、感じなんでしょうね。
私だけではなく、
私たち、
この目に騙されていることはないですか。
そうしたら、
美味しいものを美味しいと味わえない私たちがいるのではないでしょうか。
胡蝶蘭って、ありますね。
みんなが綺麗だ、綺麗だというのですが、
道に咲くタンポポはあまり褒めませんよね。
そうしたら、やっぱり、
美しいを美しいと見ていない私たちがいるのではないでしょうか。
このように「ランク分け」をするというのは、
目が覚めていない状態ですよね。
私たちは
美しいものを美しいと見れないけれど、
仏さまは
美しいものを美しいとみられるんです。
覚者は、自ら目覚めます。
これを「自覚」と言います。
そして、自覚したら、
他の者を目覚めさせます。
これは「他覚」と言います。
それが、仏さまです。
例えば、
私は今こうして皆さんにお話をしていますが、
寝ている方はよく見えます。
寝ていない人は
寝ている人が見えるんです。
見えるのは、私が目が覚めているからです。
目が覚めていない人は、目が覚めている人のことは見えません。
よく、
仏さまが見えない。
仏さまがわからない。
そう言うのですが、
目が覚めていないから、
目が覚めている者が見えないのではないでしょうか。
言い換えると、
目覚めた人に
今、
私たち
見られているんですよ。
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私は４人の子供に恵まれましたが、
三番目の子供と一緒に寝ているんです。
そうすると、夜中に子供が大きな声を出すことがあります。
夢を見て、寝言を言うんですね。
先日も、大きな声を出すから、
こっちも飛び起きて、「どうした？」と聞いたら、
「鬼が入ってきた」と言うんですね。
そういう時は「夢だから大丈夫」と言って再び寝るのですが、
起きたこっちはたまったもんじゃないですね。
よく、
「鬼が入ってきた」
「犬に追いかけられた」
「高いところから落ちた」
こういう夢で怖い思いをするのですが、
何で怖いかと言えば、
夢とわかってないから怖いんです。
本当の世界を知らずに
夢の世界でうなされている。
それが、目を覚ましていない、目覚めていない私たちです。
それを、
目が覚めている者が、
目の覚めてない者に、
「目を覚ませよ」と伝えていくのが、
目が覚めている者の責任です。
私たち、
同じものを見ても、違いませんか。
気持ちが沈んでいたり、イライラしているときは、
見える物がくすんで消えたりします。
ところが、気分のいい時や嬉しいことがあった日は、
同じものを見てもきれいに見えたり、愛らしく見えたりします。
心によって、景色が変わってしまうのが私たちですよね。
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私はYouTubeを良く見るのですが、
好きなYouTubeに「色覚補正メガネ」というものがあります。
生まれつき、特定の色が正しく見えない方がいます。
私の友人は茶系が苦手なのですが、
焼肉屋に行くと、肉が焼けているかがわかりにくいと言っています。
このような方は、
男性では３０人に一人、女性では３００人に一人ほどいて、
重症になると「色盲」という症状になるそうです。
さて、
そのような方が、ある補正メガネをかけると、
生まれてから今まで正しく見えなかった色が
正しく見えるようになるのです。
そして、
その様子がYouTubeで流れています。
７０歳くらいの方や１０歳くらいの方や、
外国の方を含めて様々な年代の方がいます。
その方たちが、そのメガネをかけると、
全員が泣きます。
そして、
共通した言葉を言うのです。
それは
「これが君たちが見てきた世界なの？」
「あなたたちは、
今までこんなきれいな世界を見ていたんだね」
つまり、
空の青には、いろいろな青があること。
山の赤には、いろいろな赤があること。
実は、
「世界は美しい」
🗻 🗻 🗻 🗻 🗻 🗻 🗻 🗻 🗻 🗻 🗻
死ぬとき、
目はだんだんと閉じていきます。
目覚めとは遠くなっていきます。
でもそれは
一時的なことなのです。
全ての人を仏と生まれさせていくと
阿弥陀様は仰いました。
ということは、
私が娑婆の縁尽きて、
この世で死すとも、
阿弥陀様が
私を
お浄土で
仏さまと生まれさせるときに
私の目が開き、
私の目が覚めていく。
私は”目覚めた者”になっていくのです。
私が仏となったら、
”美しいものは美しい”と
そのままを頂ける世界が待っています。
YouTubeを見つけました。
さて、聖徳太子は
「世間虚仮 唯仏是真」
世間は虚仮にして、ただ仏のみこれ真なり,と仰いました。
私たちの見る世界は
個人個人が持つ色眼鏡で溢れかえっています。
私たちの見ているものは、本当の本物なんでしょうか。
正しく見れない
美しく見れない
そんな私に、
本当の美しい世界を
知らせてくれる仏さまに
今、出会い、
やがて、仏さまとならせて頂く。
このことを喜ぶのが
仏教をお聞かせ頂く
味わいだと思います
今日もようこそのお参りでした
