今日の東京は晴天晴れで気温も高く、

場所によってはコートを一枚脱いでも大丈夫な陽気ですニコニコ

 

お参り後は、義援金を忘れずに。

 

 

さあ、聴聞をしていきましょう。

 

 

今日の御講師は、北海道札幌市浄光寺の青山直樹師です。

 

 

 

 

※青字が青山師の言葉の要約です。

 

今日のご讃題(テーマ)

 

愚者(ぐしゃ)のよろこび

阿弥陀如来は「必ず救う、われにまかせよ」とよびかけておられる。

そのよび声を通して、確かな救いのなかにあることをよろこぶとともに、

ありのままの私の姿を知らせていただく。

 

如来の光に照らされて見えてきた私の姿は、

煩悩に満ちみちた迷いの凡夫であった。

確かなものなど何一つ持ち得ない愚かな私であったと気づかされる。

 

親鸞聖人は、法然上人より

 

愚者になりて往生す

との言葉をうけたまわり、感慨をもってお手紙の中に記(しる)された。
このような私だからこそ、救わずにはおれないと、

如来は限りない大悲を注いでおられる。

この深き恵みをよろこばせていただくより他はない。

 

 

<ジョブズさんのスピーチ>

 

今日はパソコンやスマートフォンで有名なアップル社の創業者の

スティーブ・ジョブズさんの言葉を味わっていきましょう。

有名なのは、ジョブズさんがスタンフォード大学で卒業生を前にして

スピーチをしたものです。

テーマが三つあります。

 

まず一つ目です。

ジョブズさんのお母さんは、当時ある大学院生の女性でしたが、

未婚のお母さんでした。

大学院生でシングルですから、子供の養育が出来ないからと、

養子として育ててくれる方を見つけることになりました。

始めは弁護士夫婦のもとに行くことになりそうでしたが、

先方が女の子を望んでいたため結局はキャンセルになり、

普通のサラリーマンのご夫婦のもとにいくことになります。

その時、お母さんは一つだけ、育ての夫婦に要望を出しました。

「大学だけは卒業させて下さい」

 

やがて、ジョブズさんは、大学に行きましたが、

自分の望む授業が少なく、やりたいことも見いだせずに退学をします。

それでも、友達の家に泊まりこんで、

辞めたはずの大学で自分の好きな講義だけを聴講しました。

その中には「カリグラフィー」という西洋書道もありました。

 

その後、自宅のガレージを改造し、

友人と起業し、やがて、次第にその会社は大きくなりました。

有名な製品はマッキントッシュ、マックのパソコンです。

それまでのワープロには書体が決まっていましたが、

フォントを多用に用いることで、爆発的人気にもつながりました。

そうです、あのお忍びでこそっと大学で聞いた、

「カリグラフィー」が見事に役にたったのです。

 

その経験から、ジョブズさんは、そのスピーチでこう言いました。

 

今、やっていることは決して無駄じゃなく、

いつか役に立つかもしれない。

だから、一生懸命学びなさい

(点と点をつなげると言うこと)

 

💻  💻  💻  💻  💻  💻  💻  💻  💻  💻  💻

 

二つ目です。

ジョブズさんのアップル社はとても大きな会社になりましたが、

もっと大きな会社にしようと、ジョブズさんは有名企業の優秀な人を

ヘッドハンティングしてきました。

ところが、優秀な人が多く集まれば集まるほど、

多様な意見が出てきてしまい、

ジョブズさんは多数派から会社を解雇されるという事件が起きました。

 

自分が作った大きな会社を乗っ取られて、追い出されて、

普通ならその地域から離れようとするものですが、

ジョブズさんはシリコンバレーを離れませんでした。

そして、自ら起業していったのが

NeXT と Pixer です。

 

NeXTは、コンピューター関係で業績を伸ばし、

Pixerは、ディズニーアニメーション会社として業績を伸ばしました。

 

すると、アップル社の業績不振も相まって、

NeXTはアップル社に買収され、

なんとジョブズさんは再びアップル社に戻ったのです。

この間、生涯の伴侶となる奥様とも知り合いましたが、

新しいものを生み出すことや、生涯の伴侶との出会いなど、

この御縁がなければ得られないものでした。

 

その経験から、ジョブズさんは、そのスピーチでこう言いました。

 

失ったからこそ、自由になったんだ。

(愛と喪失)

 

💻  💻  💻  💻  💻  💻  💻  💻  💻  💻  💻

 

三つ目は、死についてでした。

ある日、顔を洗おうとして、ジョブズさんは思いました。

 

今日やろうとしていることは

本当に自分のしたいことだろうか

NOであれば、何かを変えていかなければいけない。

 

実はスピーチ前にジョブズさんは、すい臓がんがわかりました。

その現実を突きつけられた時に、ジョブスさんの生き方が変わりました。

 

人はいつか死ぬ。

本当にやりたいことをしないともったいない。

そう思ったのです。

 

その経験から、ジョブズさんは、そのスピーチでこう言いました。

 

もし、今日が人生最後の日だとしたら、

今日やる予定の事を私は本当にやりたいだろうか。

NOであれば、何かを変えていかなければいけない。

 

そして、最後にたくさんのエリート学生を前に最後の言葉を贈りました。

 

 

Stay  hungry

Stay  foolish

 

空腹であれ

愚かであれ

 

これが、

今のままで満足せず、

自分の殻に閉じこもって満足せず、

今の自分を捨てて、

新しい自分へと成長させる秘訣なんですね。

 

<愚かになって>

 

親鸞聖人は9歳から29歳まで比叡山に登り、修行をしました。

ところがどんな修行をしても、

自分の道が見えてこない。

生きていく道が見えない。

愚かな自分、醜い自分しか見えてこない。

 

そして、ついに20年間修業した比叡山を諦めて

京都の吉水の法然上人のもとにいきます。

そして、そこで初めて、

自分の生きる道は「念仏」であることを見つけます。

でもその時、親鸞聖人は「修行は役に立たなかった」とは言っていません。

あの修業があったからこそ、その挫折からの道探しの中で、

自分にピッタリ合うものを見つけられた。

むしろ、あの修業があったからこそ、自分の道が開かれた。

そのように解釈をされたのです。

 

やったことは決して無駄じゃなく、

今、念仏につながった。

また、20年の修行を失ったからこそ、

自由になったんだ。

 

また、親鸞聖人の生きた時代は飢饉や疫病でたくさんの遺体が

鴨川に浮いたそうです。

その時代を生きた中で、また死が身近なものであったでしょうね。

 

だから、私はジョブズさんのスピーチと

親鸞聖人の生きざまがどうしてもダブって見えてくるんですよね。

 

💻  💻  💻  💻  💻  💻  💻  💻  💻  💻  💻

 

さて、

今日のご讃題(テーマ)ですが。

 

愚者(ぐしゃ)のよろこび

  阿弥陀如来は「必ず救う、われにまかせよ」とよびかけておられる。

  そのよび声を通して、確かな救いのなかにあることをよろこぶとともに、

  ありのままの私の姿を知らせていただく。

  如来の光に照らされて見えてきた私の姿は、

  煩悩に満ちみちた迷いの凡夫であった。

  確かなものなど何一つ持ち得ない愚かな私であったと気づかされる。

  親鸞聖人は、法然上人より

 

  愚者になりて往生す

  との言葉をうけたまわり、感慨をもってお手紙の中に記(しる)された。
  このような私だからこそ、救わずにはおれないと、

  如来は限りない大悲を注いでおられる。

  この深き恵みをよろこばせていただくより他はない。

 

 

浄土真宗では、人間を愚者と見ます。凡夫と見ます。

「人間とは愚者である」

「人は皆、凡夫である」

これが浄土真宗の人間観です。

 

その凡夫が仏様の光に照らされて、

自分が凡夫であることを気づいていくんです。

 

例えば、

男性なら、ズボンのチャックが開きっぱなし、

女性なら、ストッキングが伝線しっぱなし。

それは、自分が気が付かなければ、ずっとそのままですが、

気が付いたらどうしますか。

そのままじゃなくて、

チャックは締めますよね。

ストッキングは履き替えますよね。

 

では、

自分が凡夫だと、気が付いたらどうですか。

どうしますか。

自分が愚かだと、気が付いたらどうですか。

どうしますか。

 

御門主様は、

「和顔愛語」は美しいと、

「少欲知足」は大事だと言っています。

それは、言い換えると、こういうことなんです。

 

「自分の愚かさに気付いたら、

きっと生き方が変わる」

と言うことなんです。

 

大きくは変わらなくたって、

少しは努力をしますよね。

「これじゃいかん」となりますよね。

 

それでも、

最後の最後は仏様が

そんな私だからこそ、

凡夫のままで

愚者のままで

往生できる

と言ってくれる。

 

ここに仏様の有難みが出てくるんですよね。

 

 

 

お願い  お願い  お願い  お願い  お願い  お願い  お願い  お願い  お願い  お願い  お願い

 

 

ジョブズさんのスピーチは有名ですから、

全文はともかく、要所のセリフは記憶にある方も多いでしょう。

せっかくですから、youtubuを張り付けて置きます。

 

 

さて、ジョブズさんが仏教に傾倒していたのは有名なところですが、

私も関連本を一冊持っています。

 

 

最後は、

直前に迫る死を見つめながら、ジョブズさんは生きたんですね。

今日もハッと気が付く言葉や、たくさんの学びの有る聴聞でしたニコニコ

 

 

今日もようこそのお参りでしたお願い