今日の東京は朝から雨雨です。

今日、お寺では成人のお祝いがあるんですが、

第51回と言うことは、第1回目の参加者は71歳なんですね爆  笑

 

 

お参りの後はルーティンの募金をしましょうか。

 

 

そのあとは、いつものように法話を聞きましょうニコニコ

 

 

今日の御講師は、昨日に引き続き、滋賀県彦根市純正寺の美馬ひろみ師です。

 

 

 

青字は美馬師の言葉の要約です。

  (以下の文章は、bonbu-kokiの文責です)

 

 

<知って、出会って>

願以此功徳

(がんにしくどく)

平等施一切

(びょうどうせいっさい)

同発菩提心

(どうほつぼだいしん)

往生安楽国

(おうじょうあんらくこく)

 

 

今日は、いつもお勤めの最後によく出てくる、この言葉を考えてみましょう。

 

さて、この言葉を聞くと、どのように思いますか?

いつもお経の最後に出てくるから、

  「あ~、もうすぐお経が終るから、お茶の準備やわ~」

そのように思ってはいませんか。

最初、私は思ってました。

有難いお経なのに、何だかお坊さんになる前はその程度の解釈です。

 

私達は知らないことは素通りして、

お経のエンディングソングみたいだなと、

そんなものの捉え方をして、

立ち止まって考える事すらしないですよね。

 

実はこれは中国の唐の時代の善導大師の言葉ですが、

善導大師を語るときには、三蔵法師や鳩摩羅什という名前まで出てくるのです。

善導大師が仏教の教えにたどり着くまでにはいろいろな方の御苦労があって、

今、2024年1月21日の私達まで届いているのです。

 

これは、訳していけば

  願わくばこの功徳を以て

  平等に一切に施し、

  同じく菩提心を発して

  安楽国に往生せん

 

と言うことなんですが、

これでわかったような顔をしていてもいけません。

更に私は「私言葉」でこの訳をしてみたんです。

 

 

 

       

 ねがわくは

 この如来の呼び声が

 あらゆる人のこころに届き

 大いなる励ましとなり

 ともに命を輝かせ合う

 よろこびの世界に

 集えますように・・・

 

お経の心を私言葉で訳してみましたが、如何でしょう?

そうしたら、やっぱり、「願似此功徳・・・」は私にとって、

味わい深いものになっていったんです。

だから、お経をお唱えするときは、

「お茶はお経が全部終わってから準備して下さいね」って、

頼むことにしています。

 

この意味ってな~に?

立ち止まって考えるって、やっぱり大事なんですね。

 

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2022年に「世界で一番楽しい学校 サーカス」という企画がありました。

その時のキングコングの西野亮廣さんのお話をそのままご紹介しましょう。

 

  飛行機の話しです。

  ボーイング777という飛行機があります。

  その飛行機は東京からニューヨークに飛びます。

  座席数は244席です。

 

  座席には4つの区別があります。

  一つ目は、エコノミークラス    座席数は147  値段は約21万円です。

  二つ目は、プレミアムエコノミークラス 

                   座席数は40   値段は約38万円です。

  三つ目は、ビジネスクラス     座席数は49   値段は約77万円です。

  四つ目は、ファーストクラス    座席数は8    値段は約172万円です。

 

  サービスにも差があります。

  エコノミーは座席が狭くて、

  時々、エコノミー症候群と言う病気もあるらしいです。

  プレミアムエコノミーは、少し座席は大きいようです。

  ファーストクラスは席はゆったりしていて、食べ放題飲み放題のようです。

 

  この飛行機ですが、乗客の料金を全部足すと、9571万3500円です。

  人件費やら、燃料代やら、

  約一億円ないと、この飛行機は飛ばすことが出来ないということです。

 

  さて、例えばですが、この私がこの飛行機に乗ります。

  お金はありませんから、エコノミーの席です。

  搭乗口の位置からすると、私は飛行機に入ったら、右に曲がるでしょう。

  そして、ビジネスの席を通って、

  プレエコの席を通って自分の席に向かいます。

  もしかしたら、

  お金持ちを羨み、「チっ!」と舌打ちするかもしれません。

  また、お金持ちに対して、少なくともいい気持ちはしないかもしれません。

 

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  ここで西野さんは言うのです。

  じゃあ、全部エコノミークラスにしたら、席は351席となり、

  多くの人が乗れるし、値段も平等だけどどう?

 

  さて、ここで問題があります。

  飛行機を飛ばすには、

  人件費や燃料代やらで、1億円ちかくのお金が必要です。

  351席×21万円では約7300万円となり、

  2千万円以上足りなくなるのです。

  ですから予定通り飛行機を飛ばそうと思ったら、

  一つの席で7万円プラスしないといけません。

  つまり、飛行機代は21万円ではなく、28万円なのです。

 

  ついでに言えば、

  飛行機でニューヨークに行ったら、帰ってきたいですよね。

  できれば、一人じゃなくて、友人か家族でいきたいですよね。

  では、いくら足しますか?

 

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さあ、こうなると、さっきの搭乗口の私の話しにもどりましょうか。

私が21万円でニューヨークに行けるのは、だれのお陰でしょう。

もう、ビジネスやプレエコを通っていく心境は、さっきと違ってますよ。

 

私は知らなかったけど

知ると変われる

気づくと変われることがあるんですね。

 

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出会い

出会いのの反対は何でしょう。

そうですね。

別れ。

でも、言葉ではこんな言葉もあるんです。

すれ違い

 

毎日、サラリーマンの方は電車に乗ります。

同じ場所で乗って、同じ場所で降りて、同じ方向に進んでも、

この何十人、何百人、東京なら何千人は、

「今日、出会った」と言えますか?

言えませんよね。

これは

すれ違いなのです。

 

ところが、

たまたま自分が気分を悪そうにしていて、

それを察した座っている方が席を代わってくれたらどうですか?

また、更に未開封のポットボトルの飲み物を差し出してくれたらどうですか?

その人は知らない人だけど、すれ違ってはいないですよね。

その人とは「出会った」と言えるのではないでしょうか。

 

仏様と出会うというは、

今まですれ違いであったものと出会う、ということではないでしょうか。

私が阿弥陀様の前を何度も素通りしても、

阿弥陀様は私をいつでも見ていて下さいます。

今まで、何度も、何年もすれ違っていたかもしれませんが、

もう一度、出会い直してほしいですね。

 

平等に、平等にと言うけれど、

サービスの差に文句をつける私がいるけれど、

すべてを取っ払うと、ひずみが出来る瞬間もまた事実なのです。

 

そのことに気づいて、

何でもわかったような顔をしていても、

「お恥ずかしい私でした」と認めていく。

そのために仏様と出会ってほしいんです。

 

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皆さんは自分の弱みを言える人がいますか?

中々人には言えるものではないですよね。

 

私も辛い時期がありました。

私もしんどいことがありました。

 

ある時、ポロっと

  「私、こんなことがあって、辛かったなぁ・・・」

そんなことを言ったことがありました。

そうしたら、こう言われたんです。

  「気づかなくて、ごめんね」

  「知らなくて、ごめんね」

 

私はこの一言で救われました。

 

よく、

「言ってくれればいいのに・・・」とか言うのですが、

「気づかずにごめんね」

「知らなくてごめんね」

この言葉に勝る、救いの言葉はないですよね。

 

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私の息子の同級生のココ君のお話です。

ココ君は自閉症です。

言葉でうまく表現ができないことがあります。

見たり、聞いたり、触ったりという感覚も鋭敏な特徴があります。

また、天気によっても、

身体的に不調になったり、精神的に不安定になったり、

心身に影響を受けやすい特徴もあります。

 

ココ君のお母さんは、ココ君が小学校にあがるとき、

普通の小学校か、特別支援学校かで悩みましたが、

地域のみんなにココ君を知ってほしいと、地域の小学校を選びました。

 

小学校では道徳に時間があります。

道徳では、

「みんなに優しくしましょう」

「困っている人がいたら助けましょう」

クラスの全員にそう教えていました。

 

さて、

ココ君が3年生になったころ、先生が転任してきました。

新しい先生は「ココ君を知る時間」を作りました。

絵の得意なココ君のママに絵を描いてもらい、

ママと協力して教材を作りました。

 

ココ君が、

「食べられるもの」 

「食べられないもの」 

例えば、パンはダメだけど、みんなの嫌いなニンジンは食べられるとか。

 

運動場はダメ。

カメラもダメ。

 

その授業後、クラスのみんなはだんだんとわかってきました。

今までは何だかわからなかったものが

知ってるから、ああ、そうなんだと、

受け入れられていったのです。

 

そして6年生の卒業式のことです。

ココ君のお母さんのもとに、一通の手紙が届けられました。

それは、クラスメイトからの手紙でした。

ココ君のお母さんは、それがあんまりうれしかったからと、

わざわざ私にLINEで送ってくれたのです。

 

今日はココ君のママの許可も取ってあるのですが、

あまり個人が特定されないように、ごまかしながら、

少しフェイクも入れながらとなりますが、読んでみますね。

 

 

    ココ君とココ君のママへ

  

  卒業するんだと実感し、みんなに手紙を書こうと思い、

  一番最初に浮かんだのがココ君だったので書かせてもらいます。

  迷惑であれば捨ててもらって構いません。

 

  正直に言うと、一学期の頃はココ君が苦手でした。

  でも、今思うと自分より個性のたくさんあるココ君との接し方が

  わからなかっただけなんだろうなと思います。

  でも、その時はどうしてみんなが接していくのかがわからなかった。

  そんな偏見だらけの私と気づかせてくれたのもココ君でした。

 

  運動会の時、ココ君と同じチームになった私に、先生は教えてくれました。

  「ココ君は運動場が苦手。カメラも苦手」と教えてくれました。

  その時や練習の時には気にも留めてなかったのだけど、

  本番当日、よく考えてみると、ココ君からしたら、

  きっと望んでないものばかりに囲まれていたのにも関わらず、

  頑張って走ってくれていた。

 

  その時に気づいたんです。

  障害ではなく、個性なんだって。

  

  運動会が終ってから、私はココ君の個性が大好きです。

  私は心底ココ君ママが私たちの学校にココ君を

  通わせてくれることを選んでくれてよかったって思います。  

  ココ君と出会っていなかったら、

  きっと私は障害への偏見を持った中学生になっていました。

  自分の事はあまり好きではないけれど、

  障害を個性と気づいた自分の事は好きになれそうです。

 

  これから先、たくさんの個性を持った子と、また出会ったとしても、

  もう一学期のころのような自分にはならないことがとても嬉しいです。

  今までありがとうございました。

  これからもよろしくおねがいします。

  最強のココ君ファミリー

  ココ君ファミリーが大好きです。

 

  6年1組  ささき かえで

  

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先生もママさんたちも、きっと難しい説明はしていません。

でも、私はこの手紙を読んで、尊いなと思いました。

私は小学校の時、こんなに心を育めてはいなかった。

何度も何度も読み返した。

 

こんなことがあった。

こんなことに出会えて嬉しかった。

嬉しくて、嬉しくてお手紙に残したかった。

本当に心震える思いです。

 

でも、ふっと思い返したんです。

私は以前から、

こんなことに出会えて嬉しかった。

嬉しくて、嬉しくてお手紙に残したかった。

そんなお手紙に既に出会っていたんです。

 

それは、親鸞聖人が御残し下さった、

教行信証の化身土の巻に出てくるんです。

親鸞聖人は法然上人と29歳の時に出会われます。

そして、念仏の道を選ばれます。

 

   しかるに愚禿(ぐとく)釈(しゃく)の鸞(らん)、

   建仁(けんにん)辛酉(かのとのとり)の暦(れき)、

   雑行(ぞうぎょう)を棄(す)てて本願(ほんがん)に帰(き)す。 

   元久(げんきゅう)乙(きのと)丑(のうし)の歳(とし)、

   恩恕(おんじょ)を蒙(かぶ)りて選択(せんじゃく) (選択集) を書(しょ)しき。

                           『教行信証』化身土巻


   意味は、

   ところでこの愚禿釈の親鸞は、

   建仁元年(1201年)に自力の行を捨てて本願に帰依し、 

   元久二年(1205年)、 源空上人のお許しをいただいて選択集を書き写した。

 

親鸞聖人も法然上人と出会い、

本物を知ることで阿弥陀様と出会われていったんですね。

私達は知らないことばかりだけど、

 

知ることから始めて

出会っていく。

決して、

すれ違わないように

出会っていく。

 

大事に大事にして下さいね。

 

 

お願い  お願い  お願い  お願い  お願い  お願い  お願い  お願い  お願い  お願い  お願い 
         

 

お浄土に往かれた、仏教者のひろさちやさんが

よく、

「お金持ちと貧乏人は、それぞれがそのままでいい」と本に書いていました。

お金持ちは沢山の役割があって、

貧乏人は貧乏人の役割があると言ってました。

お金持ちは沢山税金を払うのが役割。

そして、社会に還元するのが役割。

貧乏人は身の丈に合った税金を払うのが役割。

そして、社会に身の丈に合った還元をするのが役割。

なんか、その話を今日の飛行機の話しから思い出していました爆  笑

 

さて、

小学校6年生の作文は見事でしたね。

私なら、6年生でここまではとても書けません爆  笑

本当に感受性の高いお子さんですよね。

障害者福祉に長年携わってきた私も、うんうんと頷かせて頂きました。

 

今日は「知る」ということの大事さ。

そして、

出会いの大事さを考えさせられたご法話でした。

皆さんは如何でしたか?

 

 

今日もようこそのお参りでしたお願い