第一話
ブラジルなど南米では 可愛らしい女性が通り過ぎるとき、半分ふざけて 可愛いねぇ と声を掛けるらしい。 若い人だらけの繁華街なんかだろうけど。
そういう環境だったブラジルに長くいた商社マンが帰国して間もないころ、目の前に立っていた女性のお尻をなんともなく撫でてしまった。彼は可愛いなぁと愛でる思いで撫でた。
会社の上司が身元引受人になって釈放されたそうである。まだ、コンプラ、やセクハラ といった言葉が日本の社会に広がる前のことだったので、懲戒免職になることもなく終結した。
第二話
タイのカラオケでは女性が横につく。肩ぐらいなんのその、腿のあたりぐらい触っても起こる人はいない。タイ人がそうなのではなく、そういう飲み屋環境だからである。間違ってもバンコクのルンピニ公園をあるいている女性の腿に触ってはいけない。
タイに何年も駐在した彼はまだ30歳前半で、一流商社マンとして日本で合コンに参加した。
そこで彼もやらかした。隣に座った女性の膝をなでなでしはじめてしまった。 当然、非難されたが、彼の心はもはやバンコクナイト製で、何が悪いのかなぁ とつぶやいたそうである。