こんにちは。
いつも僕のブログを読んでいただいてありがとうございます。
今回は、去年の12月3日に書いた「働いてきて思うことなど」の第2弾です。
あれからさらに1年近く経ち、今月の26日で就労してから2年になろうとしている中、これまでのことを振り返ってみたいと思います。
1年経つのは早いですね〜。あの記事はアメトピに採用されたせいで、かなり多くの人に読んでもらえたことは望外のことでした。「ゲンさん」という架空のキャラクターを作って、対談形式で書いたらこれがウケちゃったみたいです。・・・今のアクセス数は昔に逆戻りしていて、零細企業みたいに細々とやっております笑。
ゲンさんは歳は僕と同じくらいの男性という設定です。謎の多い人ですが、皆様好きなように想像を巡らせてください。ではいきます。1年ぶりにゲンさんに登場して頂きましょう!
ゲン : ボンさん、お久しぶりです。
ボン : ゲンさん、お久しぶりです!1年ぶり!
ゲン : 2年間定着、おめでとうございます。
ボン : ちょっと気が早いけど、ありがとうございます!
ゲン : どうでしたか?この1年は。最初の1年とは違いましたか?
ボン : うーん、違いました!一番の違いは緊急事態宣言中の出勤日の仕事がきつかったことかな。他には増えた仕事もあるし減った仕事もあります。1年目はがむしゃらだった。今は定着をするための基礎を固める意識で働いています。
ゲン : それは具体的にどんな風な?
ボン : 僕は元々、工場で流れ作業をしたこともあるんですけど、それは毎日同じことをやるんです。一方、お店の仕事って、毎日少しずつ違うんです。毎日違うお客様が来られるし、新しい本はどんどん入ってくるし。だから僕は、EXITの兼近の言葉を借りれば、どんな仕事が降ってきてもいいように普段から筋トレをしておく意識で働いています。
ゲン : 便利屋みたいですね。
ボン : 僕の仕事は商管業務って言うんですけど、本当に商管って便利屋みたいなもんなんです。力仕事でもあるので、書店の中の男手ですね。
ゲン : ボンさんの職場では、他の方はどんな仕事を受け持っているんですか?
ボン : 各ジャンルの担当さん、レジ専、庶務、サービスコーナー、文具です。
ゲン : ジャンルとは?
ボン : 雑誌、コミック、児童書、実用書、文芸、文庫です。それぞれ担当さんがいるんです。
ゲン : ボンさんも便利屋として、そういった人達と関わりはあるんですか?
ボン : お店の仕事って、全ての従業員が互いに何らかの関わりがあるんですよ。だから、お互い様で助け合って店を回しているんです。
ゲン : ボンさんの周りの従業員は健常者なんですか?
ボン : 障害者は僕だけですよ。
ゲン : 1日に何人くらいいますか?
ボン : 早番は僕以外に10人くらいです。
ゲン : ボンさんは最初から民間企業を志していたのですか?
ボン : 僕はねえ、最初は特例子会社やA型事業症も検討してました。A型は実際に見学にも行きましたよ。
ゲン : そういった福祉的就労には行かなかったんですね。
ボン : 僕は福祉には行かなかった。民間企業で健常者の仲間と一緒に切磋琢磨して働きたかったの。
ゲン : 不安はなかった?
ボン : ないことはないけど、正直、福祉の世界が物足りなくて・・・。市場原理の中で凌ぎを削って利益を出している民間の方が魅力的だった。
ゲン : でも、例えばA型でも最低賃金は出るし、ボンさんの今の給料と遜色ないのでは?
ボン : うーん、それはそうです。でも、福祉の世界には民間のような魅力・・・もっと言えば書店の仕事のような魅力がない!これに尽きる。
ゲン : けっこう仕事もきついんじゃないですか?
ボン : そういう日もあります。A型のほうが楽だと思いますよ。でも、この仕事をして僕もずいぶん社会人として成長しました。それはお金じゃ替えられない。
ゲン : そういう成長できる所が民間企業の魅力なんですね。
ボン : そうだと思う。いまだに間違いとかよくするけど。あと、職場で覚えた身の振り方が、そのまま世間の中においても使えることがわかった。
ゲン : 自分が社会の中でどう振る舞うかですか?
ボン : うん。そういう意味では社会化していったね。気がつくと良い意味で社会という名のジグソーパズルの一部になれた感があって、これは安心感にも繋がっています。あー僕、一生生きていっていいんだみたいな。
ゲン : それは良かったです。生きる力を身に付けたようですね。
ボン : うん。この経験は、今の仕事を辞めてからも使えると思うよ。障害者が働き生きていくための必要なスキルだし、それを学びながらお金までもらえるんですよ。こんなウマい話がありますか?
ゲン : それはポジティブな思考ですね笑
ボン : そういうのが福祉的就労ではできないんだよ。お店で何でも屋的に働くってのは、すごーく社会勉強ができるの。そこが魅力。
ゲン : そういう意味では、ボンさんにとって今の仕事が合っているのですね。
ボン : 全くその通り。僕なんて事務はできないし、工場はもう嫌だし、配達系も無理だし、時短で働きたいし、音が大きいのダメだし、考えてみたら書店員以外やれることが思いつかない。
ゲン : 運にも恵まれたというか・・・。
ボン : 本当に、今の会社に拾ってもらわなかったら、仕事も決まらないまま就労移行支援の2年間の期限内に就労できなかったかも。それでずっと無職か、仕事が決まったとしても自分に合わないですぐ辞めてたかもしれない。それを思うとヒヤヒヤだよ。
ゲン : うーん、でもボンさんは就労する為に相当努力してきたんだから、それ相応の準備はしてきたと思いますよ。
ボン : してきた。でも仕事は縁だから、準備したら決まるわけじゃない。厳しいよ。障害者も競争だから。みんなが民間企業で働くのは難しい。だからA型は存在意義があると思う。
ゲン : そうですか・・・。話を職場に戻しましょうか。周りの従業員の皆さんはどんな人達ですか?
ボン : うーん、みんな頭いいよね・・・。うちの店で働くパートのマダム達はみんな大学くらいは出ていて賢いよ。大学を出て就職して結婚して子供が出来て大きくなって手がかからなくなったから、働いてる人が多いと思よ。
ゲン : ボンさんが今まで生きてきて会ったことないタイプ?
ボン : はい。僕なんか大学も出てないもんね。高校すら行きたくなかったから。でも中卒で働くのは厳しいから、高校くらいは出ておこうと。それだけの気持ちで高校出たの。
ゲン : 学歴コンプレックスとかはないのですか?
ボン : 全然ない笑。何故かと言うと、何年かブログを書き続けてきてきたけど、周りのブロガーの人を見渡すとやっぱり大学出てる人ばかりなのね。他人と自分を比べるのはよくないんだけど、僕は自分らしい文章を書けてると思うし、結局人生はやるかやらないかなんだから、関係ないやと。でも、僕ほんとは高卒もあやしいんです。
ゲン : と言うと?
ボン : 僕が高二の終わりに父が急に亡くなるんですけど、そのせいで精神的に落ち込んで成績がガクンと落ちたの。それで担任の先生に職員室に呼ばれて、このままは卒業できないから頑張れって言われて。
ゲン : でも卒業できた。
ボン : それがね。噂によれば僕の成績は卒業資格の水準を満たしてなかった。それを担任の先生が、「ボンは大変な状況だから大目に見てやってくれ」と周りの先生に言ってくれてたらしいんですよ。
ゲン : それが本当ならボンさんは実質・・・。
ボン : 実質中卒。
ゲン : うーん、それがもし事実であれば担任の先生に救われましたね。
ボン : 担任の先生だけじゃないよ。親、福祉の人、SNSで繋がっている人、国や行政の社会制度、諸々の事柄に支えられて今の僕があるんです。考えてみたら今の現状があるのが奇跡だよ。
ゲン : そうですねえ。これからは恩返しというか、今までしてくれたことを社会に還元したらいいのではないですか?
ボン : そうですね。僕なんかが役に立つのであればそういった活動もしたいです。でも、周りにも言ってるんですけど、全然電話かかてこないですよ。
ゲン : コロナ禍でそれどころじゃないんじゃないですか?
ボン : でしょうね。
ゲン : せっかくだから、ここでその話をしましょう。どうやったら障害者が職場に定着できるのでしょうか。
ボン : うーん、まず訓練すること。必要のない人もいるけど、たいていの障害者は就労移行支援などでの訓練は欠かせないです。僕も働いていて、あの時の訓練が役に立ったと思えたことが何度もありました。
ゲン : まず訓練ですね。他には?
ボン : 訓練以前に、日中活動できるために睡眠をちゃんととる。ちゃんとしたものを食べる。健康を保つなど働ける身体を作ること。働ける身体と訓練で身につけたスキル、この二つが必要。
ゲン : 職場での配慮も必要ですよね?
ボン : 必要です。就労したらまず合理的配慮を求めましょう。仕事内容は限定的にすること。これも大事。限定的とは、多くの仕事をやり過ぎない。長い時間働き過ぎないということ。仕事にリミットを設けること。
ゲン : でもそれだと、収入もそれなりですよね?
ボン : うーん、僕は障害年金もあるからそれでいいの。年金もらってない人はどうするかは僕の管轄外なのでわかりません。ごめんなさい。
ゲン : わかりました。他には何かありますか?
ボン : どうせなら自分が好きな仕事をしたらいいと思うよ。僕も本が好きだし、お店で働くことが好き。だから今の仕事が好きなの。あー辞めてえーと思ったことはないことはないけど、今まで続けてこれたのは結局、好きだから頑張れた。
ゲン : ボンさんが通所していた就労移行支援では、自分の好きな仕事に行った人が多かったですか?
ボン : 何だかんだでみんな自分のやりたい仕事に就いてた。飲食行ったり、介護行ったり。東京で働くことに憧れてわざわざ自宅から遠方の企業に事務職で就職した人もいた。
ゲン : でも、現実はなかなか希望通りに仕事には就けないですよね。
ボン : うん。難しい。そこは福祉の人と相談だね。あと環境がいくら良くても自分が何がしたいのかがわかってなければ、支援者も何もできないです。だから、企業実習で職場体験するなどして適正を発見することはすごく大事。
ゲン : ボンさんは就労移行支援の企業実習で書店で働かれたんですよね。
ボン : はい。そこで書店のバックヤードでの検品とか、店内で本の整理などして、お客様対応も経験しました。そこで楽しいと感じた気持ちが今の仕事に繋がっています。
ゲン : 適正を発見したんですね。
ボン : はい。逆に電話応対の訓練は一切しなかったの。向いてないと思ったから。
ゲン : でも向いてるかどうかは、やってみないとわからないですよね?
ボン : そうだねー、やっておけばよかったかな。でも結局、合理的配慮で電話応対はなしにしてもらってるから、結果的にはそれでよかったんです。
ゲン : なるほど。仕事で心がけていることなどありますか?
ボン : そうですね、仕事のタスクが10あるとして、順番通りにやるのはせいぜい4つで、他の6つは日によって順番が変わったり、後日やったりします。そのタスクを頭の中で組み立てるのが仕事なんだなあとつくづく思いますよ。
ゲン : 具体的には?
ボン : うーん、たとえば「指定された本を指定された冊数、棚から抜いてくる」といタスクにしたって、いつも午前中にするけど、優先するタスクがある場合は、それを先にやって本を抜くのは午後イチに回すとか。いつも厳密に同じ順番ではなく、その日の仕事に流れを感じ取って、流れを邪魔しないようにタスクの順番を頭の中で組み立てるんです。
ゲン : 難しそうですね。
ボン : そうでもないんですよ。みんな一日の過ごし方を考えるでしょう。買い物、食事、遊び、勉強etc....。それらのタスクを自分に好きな流れになるように順番を入れ替えたり組み立てたりしてるじゃないですか。それと同じことなんです。
ゲン : なるほど、そういう意味では好きなように働いていいんですね。
ボン : そうですね。仕事において求められる結果を出さなきゃいけないけど、結果を出すためのやり方は各々が自由に考えていいんです。それに気づいた。
ゲン : それが出来れば楽しいですよね。ボンさんは最初からそれが出来たんですか?
ボン : 全然出来なかった!カメのようなノロノロと少しづつ少しづつ覚えていったの。僕、仕事の覚えが悪いんです。結構苦労しました。
ゲン : 先に仕事にリミットを設けると言いましたよね。たとえばもっと仕事量が多かったりフルタイムだと続かなかったんじゃないですか?
ボン : 辞めてたと思うよ。僕は自分の身の丈がわかっていたから、最初から時短を希望したの。おかげで十分休むことができたから、大変な時を乗り越えれられたのだと思う。
ゲン : 話を聞いていると、ボンさん決して能力の高い人じゃありませんね。
ボン : まーね。なんてったって障害者ですから。逆立ちしたって健常者並には働けませんよ。でもそれに言い訳しないで、少しづつ出来ることを増やして、お店に貢献できればと思っています。
ゲン : 最後に、仕事に定着するコツなどあれば。
ボン : うちの店に五木寛之さんの「大河の一滴」が売られてるんだけど、の本の帯に「泣くのはいいが、泣き言は言うな」って書いてあるの。でもこれ、障害者雇用においては逆なの。つらいことや不安や泣き言は周りの人にどんどん言ったほうがいい。そういう弱さを発信していくのことも障害者に求められるスキルです。そうすれば結果的には仕事が長続きする。これがよくわかった。
ゲン : よくわかりました。今後も今の生活を続けて職場に定着してください。
ボン : ありがとうございます。頑張ります!
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いががでしたか?
このやりとりは2週間くらいかけて少しずつ書き足して作りました。
働いてない人、これから働く人、今働いている人、全ての人に障害者雇用のことを知ってもらえたらうれしいです。
近況など書きたいこともありますが、主旨と外れますので次回以降に。
それでは長文を最後まで読んでくれてありがとうございました。
ではまた会おう!
おわり