マイクロエース・コキ60000のこと | 書斎の汽車・電車

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 マイクロエース製のコキ60000といえば、昨年発売されたものですが、当ブログではなかなかご紹介する機会に恵まれませんでした。

 というのもこの製品、コンテナは付属せず、ユーザーがお好みで搭載するようになっておりまして、まあ親切なことではあるのですが、困ったことにコキ60000に似あうであろう国鉄末期のコンテナ(トミックス製)が、このところ市場から払底していまして、なかなかコンテナを載せた姿に出来なかったのです。

 問題のコンテナについては、中古品専門店等で少しずつ揃えまして、このほどようやく皆様にお目に掛けることができるようになりました。

 

 箱から出したところ。コキ60040(手前)とコキ60091の2輛セットです。

 

 早速コンテナを載せてみましょう。

 コキ60040には、「コンテナ・スカイブルー作戦」の立役者、C35コンテナを5個載せました。

 

 コキ60091には、C35×1、C95×2、C31×2です。

 

 実物の解説を少々。コキ60000形は、昭和59(1984)年から翌年にかけて、コキ5500形を改造して127輛が登場しました。昭和60年3月改正で、最高速度95kmの「高速貨物列車B」の増発が見込まれたものの、これに使用されるコキ50000系の新造は国鉄財政の悪化から許されず、既存の車輛の改造で賄われることになり、コキ5500形に白羽の矢が立ったというわけです。

 ブレーキ装置の改造で時速95km運転を可能にしたほか、コキ5500のままでは12ftコンテナ4個積みのところ、車体を2100mm延長することで、コキ50000同様の12ftコンテナ5個積みとしたもので、国鉄末期にはあちこちで見られた改造の一つ(他にも「魔改造」としかいえない実例がたくさんありますよね)です。なお、コキ50000であれば20ftコンテナ用の緊締装置も備えていましたが、コキ60000はこれを省略しましたので、12ftコンテナしか積めません。私有のUC5形コンテナあたりを積むことはできない訳で、大人しく国鉄コンテナだけ積むことになりそうです。

 コキ60000は全車JR貨物に承継されましたが、改造車だけに淘汰は早く、平成9(1997)年までに全廃されました。

 

 なお、搭載されたコンテナですが、C35形は昭和59(1984)年から61(1986)年にかけて製造されましたので、正にコキ60000の同期生的な存在です。C31形は、昭和58(1983)年から翌年にかけて製造されたものの、よりコストの安いC35に移行したそうで、やはり同時代のコンテナです。C95形は昭和53(1978)年から55(1980)年にかけて製造されましたのでもう少し先輩にあたります。涼しげな塗装(簡易保冷コンテナです)に惹かれて起用しましたが、やはり昭和50年代のコンテナではあります。私はこれら3形式を使いましたが、もちろん大勢力のC20形やC21形を載せても構いません。

 

 これでコキ60000形も何とか恰好がつきました。コキ50000系の高速貨物列車に組み込んで楽しもうと思います。