今日、ロンドンではエリザベス女王の国葬が行われます。
ウエストミンスター寺院への弔問の行列が11時間待ちになるなど、イギリス国民にとって、やはり女王の存在は特別だったようです。
思えば、女王の70年の治世はイギリスにとっては大変化の時代でした。70年前といえば、インドなどが独立を果たし、「大英帝国」が黄昏を迎えつつある頃でした。その帝国を「英連邦」という緩やかな国家連合へと「リフォーム」するとともに、イギリスの国際社会における地位を今日に至るまで保ち続けたのですから、イギリスという国はやはり大したものですし、その国家元首のエリザベス女王もまた、傑出した君主であったといえましょう。
さて、当ブログではすでに女王と近鉄特急のお話をしましたが、手元にはこんなものがありまして、この機会でもなければ皆様にご紹介することもないだろうということで、お目にかけましょう。
1953(昭和28)年6月2日、エリザベス女王の戴冠式が行われた際の地図です。ロンドン市交通局、イギリス国鉄、ロンドン警視庁による発行です。
メインはこのロンドン中心部の地図です。
戴冠式のパレードのルート、通りごとの最寄駅、交通規制などがこの1枚でわかる仕組みです。
裏面は戴冠式前日、当日の公共交通機関の営業案内や交通規制の注意書きなどが記されるとともに、単色刷りですが地下鉄の路線図も収録されています。
この地図、手元のロンドン地下鉄路線図(2007年1月)とほぼ同じ大きさです。
その2007年当時のロンドン地下鉄の路線図もお目にかけましょう。
1953年当時の路線図同様、ベック氏が元々のデザインしたものですが、やはりマイナーチェンジがなされていることがわかります。
それにしても1953年といえば、首相はあのチャーチルですからねぇ。やはり70年の治世というのはとてつもなく長いなあと思います。そして、新国王チャールズ3世の戴冠式も行われると思いますが、今回ご紹介したような地図が発行されるのか、あるいはすべてスマホでということになるのか、注目しております。