西武山口線に「あの色」の電車が | 書斎の汽車・電車

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 西武山口線をめぐる話題、まるで「月刊・山口線」になってしまいましたが、新しいニュースがありましたのでまたご紹介します。

 

 明日(5月15日)から、西武園ゆうえんちグランドオープンを記念して、山口線にラッピング電車が走りますとのアナウンスがありました。

 新しい西武園ゆうえんちが、1960年代の町並みを再現するというコンセプトでオープンすることから、ラッピング電車も、1960年代のイメージというのですが、8500系第3編成が身にまとうのは、上半分黄色、下半分茶色という、「赤電」の1世代前の標準色です。

 

 この黄色と茶色の塗装、元を正せば(旧)西武鉄道が昭和16(1941)年登場のモハ200形から採用したもので、省線電車の「オリンピック塗装」に倣ったものといわれています。ただ、省線の塗装はクリーム色と茶色のツートンカラーだったとの説もあり、西武の方は黄色味が強かったようです。このあたり、私も当時の実物を見ているわけではありませんので、何ともいえないのですが。

 (旧)西武鉄道は武蔵野鉄道に併合されましたが、社名、社紋、電車の塗装は(旧)西武鉄道のそれを踏襲しています。そんなわけで、黄色と茶色の塗り分けが、戦後の西武鉄道の標準色となったわけです。ただ、昭和35(1960)年からは、いわゆる「赤電」色への変更が始まっていますので、1960年代の色というなら、「赤電」色に塗るべきではないかと思います。西武鉄道のサイトには、1960年代の「西武電車カラーイメージ」なる写真が出ていますが、1950年代に廃車となった旧武蔵野鉄道のエース241系(多摩川線時代)の写真であり、これはこれでレアな写真ですが、「看板に偽りあり」となっています。(写真を載せるなら、横瀬の保存車でもよかったでしょうに)そんなわけで今回のラッピング、1950年代のイメージというべきでしょう。

 

 今のところ、私もイラストだけしか見ていませんが、8500系の姿は、横瀬の保存車とは少し色あいが異なるようです。側面には白文字で、「西武園ゆうえんち」の文字が見えますが、これは敗戦直後、車体側面に「SEIBU LINE」と横文字を大書していたことを思わせます。そして、8500系といえば、第2編成も昨年9月からラッピング電車になっていますから、オリジナルの「レオライナー」の方が希少価値があるという事態になっています。

 

 それにしても、この黄色と茶色の塗装は難しいですね。写真は「鉄コレ」の富士急車に塗ってみたフリーランスですが、(塗装を担当したのはいつものベテランモデラー氏)黄色は「黄橙色」(日本軍の敵見方識別塗装)、茶色は「ぶどう色2号」だったと思います。

 ただ、モデラーの諸氏の作例を拝見すると、皆さんそれぞれの解釈で塗られていて、「正解」というものはないようです。今度の8500系を再現するなら、何色に塗ることになるのでしょうか?