よし、行こう!
よし!
頑張りましょう!!
と言うことで、
本日もガレージにてエアロパーツの製作を行っております。
昨日は、ワイルドスピードスープラの塗装を担当頂いている、
茨城県の三和自動車様にお邪魔しておりました。
この雰囲気・・・
何も知らない人が見たら、恐ろしい光景ですよね。
防護服に、ガスマスク。
片手にライトを持って・・・。
って、もちろん鈴木氏が着用しているのは防護服ではありませんが、
ガスマスク・・・
こちらの方は、ガスマスクというよりも防護マスク。
こちらは、もちろん本物です。
下地色の染まりと発色を良くするための捨て色。
今回は、ホワイトを捨て色に使用。
さらに調合した塗装のベース色をペイントし、
さらに調合したパールを吹き付けて行きます。
最初の画像は、吹き付けたパールをチェックしている画像です。
こんな感じでライトを当て、パールの目(パールの密度)をチェックしています。
最終的にはクリアを吹き付け、塗装の方は終了となります。
一通りの塗装を終えたパーツが↓こちら。
こちらは蛍光灯下で撮影したものです。
光源に詳しい方ですと何となくイメージができると思いますが、
蛍光灯や水銀灯の下では、グリーン方向に色が転びます。
以前、AE111レビンで、光の色合いによってボディ色が変わる。
というデモカーを製作致しましたが、
実はこれ、色温度と光源を計算した塗装だったんです。
色温度と言われても、ちょっと難しいと思いますが、
私たちの身近な物ですと、ヘッドライトバルブがそうですね!
パッケージに何千K(ケルビン)とか、
何千K相当という文字が入っております。
ザックリなイメージとしては、
日中の太陽の下で見る色合いが約5000ケルビン付近になります。
朝夕のオレンジ色の掛かった色合いが約3500ケルビン相当。
青白い色合いが約7000ケルビン付近の色温度になります。
昔ながらの電球タイプのバルブ、裸電球などは約3500ケルビン相当。
平成に入って標準化されつつあるHIDバルブは、約5000ケルビン相当。
社外のカスタムバルブなどは、約7000ケルビン相当の製品が多いですね!
あっ、↓この画像でしたら判りやすいかも知れません。
左側のオレンジっぽい光は、ハロゲンランプ。
真ん中の光は、HIDランプになります。
ですので、朝夕の光や電球の下では、ややオレンジっぽい光。
厳密に言うと、雲り空の下でも、色温度は変わりますが・・・
最終的には、どの光源の下で見るのが、
最も美しいボディ色となるのか?
実は、私が手掛けるクルマは、
そこを重視して調合を行って頂いております。
ちなみにAE111レビンの場合は・・・
日中の太陽の下(約5000K付近)では、標準的なイエロー。
朝夕やうす曇りの空の下では・・・
オレンジの光が加わって、山吹色方向に・・・。
水銀灯の下では、グリーンが加わりレモンイエローに!
そんな感じで、色温度や光源で発色が変化するパールを使い、
こんな感じのクルマを仕立てたりもしました。
その辺は、カメラマンという職業を行っていて、
アナログのフィルムを使い倒していたというのがありましたし、
高価なカラーメーターも使っていたという経緯がありましたのでね。。。
現在は、カメラもデジタルになり、非常に便利な世の中になりましたが、
こちらのブログで、「アナログ」とか「原始的(に)」というのは、
全ての基本は、アナログだと思っているからなんですよね。
ですので、水銀灯の下で撮影した↓こちらの画像。
本来であれば、グリーン方向に転ぶものなんです。
実際に、ベースとして選ばれたという、
ランボルギーニ・ディアブロのオレンジパールでは、
水銀灯や蛍光灯の下ではグリーン方向に転びますし、
実際に、それを強調するパールも調合されております。
ですから、そのままペイントをしてしまえば、
正直、この様な発色にはなりませんし、
実際の映画(アナログフィルムそのもの)やDVDなどでも、
水銀灯や蛍光灯下の撮影でも、グリーン方向には転んでいないんです。
ですので、あくまでもランボルギーニ・ディアブロの、
純正オレンジパールをベースにしただけで、
実際には、下地色やパールの配合を行い、
同じようにオリジナル色を調合していたという風にイメージしております。
これは私個人的な意見になりますが、
鮮やかなオレンジ色のボディに、
グリーンのグラデーションは下品だと思いますし・・・。
流線型の美しいデザインのスープラには合わないと。。。
たぶん劇場車の製作を担当したデザイナー様も、
私と同じような考えで、パールの配合を変えたような気がします。
とは言えね、テストピースを製作して頂いている時に、
ランボルギーニ・ディアブロの実写を見せて頂いたのですが、
私のイメージ通りに、水銀灯の下ではグリーンに転んでいるのですが、
それがディアブロではカッコイイ!
何なんでしょうね??
私個人的には、下品と思っていたグリーン方向の転びが、
逆にディアブロのデザインでは凄くカッコイイ!!
あのデザインだから許されるのか?
それともランボルギーニだからこそ許されるのか??
美しさというよりも、ランボルギーニというスーパーカーとしての存在。
また威圧感。
それが下品を通り越して、「素晴らしい!!」
そんな感じになった様な気がします。
パールって、光が当たった時にどの様な発色をするのか?
実は、様々な種類のパールが存在します。
またパールそのものの粒子の異なるものも存在します。
理論的に粒子が大きくなればなるほど、
実は『くすみ』を与える方向になります。
つまりは、ベース色の鮮やかさを低下させてしまうことになります。
粒子が大きければ、当然光の転びは大きくなりますが、
その代わり、鮮やかさが低下します。
粒子が小さくなれば、パールの転びは小さくなりますが、
ベースの鮮やかさを最小限で残すことができます。
あくまでも、基本中の基本の話になりますが、
それらのことを考え、ベース色の調合と複雑なパールの調合。
またパールの粒子の選定。
これらの全てが揃って、理想のオレンジパールが作れるものです。
加えて、ショーモデル仕様の場合ですと、
実際に何メートル離れたところで見るのか?
何メートル離れたところから見るものなのか??
プラスして、人間の目とデジタルカメラの画像分解特性。
これは、以前フェラーリの赤のお話を致しましたが、
これもショーモデル仕様では、重要な要素でもあります。
日本のチューニングやカスタム業界では、
コーディネーターとかプロデューサーと呼ばれる方は少ないですが、
正直、私は大切な存在だと思いますし、
職人としての技術があったとしても、
全てを統合することは、正直難しい様な気がします。
たかが色。
たかが外装色。
一般的には、そんな感じですよね(笑)
でも、私はとても奥の深いものだと思いますし、
私は、トコトンこだわる部分だと思っております。
今回は、見てもお判りの通り、分割パールペイント。
一回の塗装で、捨て色。ベース色。パール層にクリア層をペイントしていきます。
非常にリスクが高く、正直色が合わなくなってしまうことも良くある話です。
正直、チャレンジ!
経験と集中力が試される真剣勝負!!
ホントこれ、超難易度の高いペイントなんです。。。
さぁ、頑張りましょう!!
いや、頑張って下さい!
この領域は、私には手も足も出せません。。。
良い報告を期待しつつ、私はエアロ製作に専念します。