太郎ちゃん | カシラ日記

太郎ちゃん

■よく来る地元の若い子と話してて判明したんだが、その子の周りでは、この店は「ケンコバさんの店」と呼ばれているらしい。なんでだ。ボーズでヒゲでよくしゃべるからだそうだ。そんで「今日もケンコバさん目ぇ真っ赤だったよ!!」とかいわれてるらしい。俺の目が赤かったりヌラヌラしてたりすんのは、体質と二日酔いによるものだから、誤解しないでいただきたい、とクギ刺しといた。また別の家庭では、ここは「太郎ちゃんの店」で、俺は太郎ちゃんのお父さんということになってるらしい。太郎ちゃん人形ってちっこい赤ん坊人形を、そこのお嬢ちゃんがいたく気に入っているから。こーゆーのなら悪くない。たぶん他にも、「オカマの店」とか「ネギ野郎の店」とか「昆虫ハウス」とか、散々な呼び名もあるんだろうが、そーゆーのは聞きたくない。勝手な呼び名つけられるのは、商店街人の宿命だから仕方ないんだが。だって俺も中学生のころ、下高井戸商店街の色んなおやじ、「サブロー」とか「軍人」とか「ジャンボ」とか「アッシュ橋爪」とか、散々テキトーに名づけてたもの。みんなもういなくなっちゃったな。