祖母の思い出
「スタート・ラインに立ったらよそ見しちゃ駄目だよ」
「走っているときは、横向かないで真っ直ぐ前を向いて走るんだよ」
「力抜かないで、思いっきり走るんだからね」
小学生の頃、運動会前にいつも祖母に言われていた言葉です。
私が走るのが速いと分かってから、祖母は運動会の度に新しいシューズを買ってくれました。
「靴は、出来るだけ軽い方がいいんだから」
これも祖母のよく言う言葉でした。
その昔、運動会は、出来るだけ軽くということで、裸足か足袋で走ったそうです。
私がゴールのテープを切る度に、一番喜んでいたのは、両親よりも祖母だったと思います。
そして運動会の夜には、
「おばあちゃんも昔は、かけっこは誰にも負けなかったのよ。あんたはきっとおばあちゃんに似たんだね」
と昔の武勇伝をよく聞かされました。
雪に滑って、お尻から地面に落ち、腰を痛めてしまってから30年は経ちましょうか?
それ以来、腰をかばいながら歩くようになってしまったのですが、
それでも私の中学生時の陸上の試合には、いつでも競技場に足を運んでいました、
そう関東大会の栃木や、全国大会の北海道にも。
高校時にバンドをやりたいと言ったら、勉強が疎かになるからと反対した父に対し、
高校を卒業したらギターを買ってあげると約束してくれたのも祖母でした。
周りの友達が着ているレザーの衣服を横目でいいなと思っていたら、
おばあちゃんが買ってくれるとのことで、一緒に日本橋の問屋街まで出かけたこともありました。
そんな祖母とは、30年位、同じ屋根の下で生活をしました。
その中でいつもどことなく祖母の言動で気になっていたことがありました。
それは、母に対する気持ちです。
特別仲が悪いというわけではないのですが、
何かとあると最終的には、娘の叔母に気持ちがよるのです。
嫁、姑の壁を祖母の言動から感じていたものです。
ここ数年は、入退院を繰り返していた祖母。
2年半前に息子を亡くしてから、それに続くように病院、施設に入ったきりになってしまいました。
母と叔母とで交互に見舞い、看病をし、
そのことに祖母は、母に対して感謝をするようになっていきました。
1年前位のことでしょうか?自分では、ろくに移動することが出来ない祖母が
「私はね、もう一度家に戻って近所のおすし屋さんのお寿司が食べたい。
あとお母さん(私の母)の揚げたてんぷらが食べたい。
それが食べられたらもうおばあちゃんは思い残すことはないよ」
と涙ぐみながら私に言ったのは忘れることが出来ません。
その言葉は、私にとってもっとも嬉しかった祖母の言葉の一つだからです。
先日、2年ぶりに祖母が家に帰ってきました。
悔いは残さなかったことでしょう。
感謝の念を抱いた人生だったことでしょう。
その日はとても暑い日でした。
夏がとても苦手で、暑がりの祖母の額には、汗一つかいていませんでした。
生か死か?
‘生を望むならば、暑いと感じること、汗をかくこと、それは生きている証である。
それに何嘆くことがあろうか?’
と祖母の姿を見て思いました。
人の死というのは、その‘死’ということ自体が悲しいのではないと思います。
その人との思い出があるから涙が出てくるのではないでしょうか。
それは自分のエゴです。
それでも私は、その自我に任せながら、堪えきれない涙を流しました。
負けず嫌い、
これと思ったらとことんはまってしまう凝り性な性格、
力を抜かない生真面目な性格、
今の私があるのは、祖母の影響が大きくあるのだなと気が付いたのは、
祖母が久しぶりに家に戻ってきた2週間前のことでした。
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「ヨーガ・ライフ・ソサエティ板橋教室」9月のレッスン日のお知らせです。
全クラス会費:1回 1,000円
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会場:仲町地域センター第2和室
レッスン日:
9月 8日(水)
9月 15日(水)
9月 22日(水)
インストラクター:守屋雅彦
会場:仲町地域センター第2和室
レッスン日:
インストラクター:守屋亜紀
会場:仲町地域センター第2和室
レッスン日:
9月18日(土)(インストラクタ ー守屋雅彦)
9月25日(土)(インストラクタ ー守屋亜紀)
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TEL: 090-2320-6566
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ザ・ヨーガ・ライフ・ソサエティ
守屋雅彦 亜紀