世にも残酷な物語
物語で白黒はっきりしないという結末があります。
漫画でいうと「明日のジョー」、「銀河鉄道999」などが私の中ではそうです。
死闘の末、リングサイドにもたれかかるジョーのあの有名なラストシーン、
‘ジョーは死んでいない、ただ目を閉じただけだ’と私の心の中では今でも思い続けている。
鉄郎を乗せた列車が出発した、乗っていると思っていたメーテルはホームにいたあのシーン、
‘鉄郎はまたいつかメーテルにどこかで呼び出されて再会する’と今でも願っている。
共にあのラストがあるからより光ったというのも十分承知しているのだが、
‘その後は皆さんの心の中で物語を作り上げてください’
となるとはっきりした結末が永久につかないままになる。
‘ジョーは生きているんです’、‘鉄郎とメーテルはまた再会します’と作者が言ってくれれば、自分の中で決着がつくのだが......。
こんな感じで心の中で完全燃焼していない漫画、小説がまだいくつかある。
私にとってこれらの物語は、想像という夢を残してくれた名作なのだが、70歳になっても、80歳になっても心の中で燻り続けるであろう「残酷な物語」でもあるのです。